ジャポニスムの旗手、ホイッスラーの回顧展

2015年 2月 10日 08:00 Category : Art

このエントリーをはてなブックマークに追加

第3章『ジャポニスム〜日本の美に魅了されて創出した新たな美』
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、西洋の多くの芸術家たちを魅了し、彼らの新しい造形表現の原動力となった日本の美術・工芸作品。ホイッスラーも浮世絵や工芸品などの日本美術からインスピレーションを得た画家のひとりである。ホイッスラーにとってのジャポニスムは、単なる造形表現の模倣やエキゾティシズム(異国趣味)にとどまらず、彼が唯美主義者としてオリジナリティを確立させるための重要な要素であった。本展ではホイッスラーが影響を受けた浮世絵も展示。大英博物館所蔵の歌川広重『名所江戸百景』のうち《京橋竹がし》安政4年(1857)などが展示されている。

「芸術のための芸術」を追求したホイッスラーのジャポニスムは、「ノクターン」という音楽的なタイトルで表された一連の風景画においてある一定の完成をみる。《ノクターン:青と金色─オールド・バターシー・ブリッジ》や《青と銀色のノクターン》は、その中でも最も洗練された代表作である。

テムズ川岸から上げられた花火を背景に、木製のオールド・バターシー・ブリッジがシルエットのように浮かび上がる《ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ》。見上げるように橋をクローズアップした構図や、青を基調とした色彩のグラデーションには、歌川広重『名所江戸百景』《京橋竹がし》からの影響が見られる。

《ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ》
1872-75年 テート美術館/©Tate, London 2014

Related article

  • パリで苦闘した明治・大正画家たちの展覧会、第一部が好評のうちに終了
    パリで苦闘した明治・大正画家たちの展覧会、第一部が好評のうちに終了
  • 汗を流し、山道を分け入る作品体験:瀬戸内国際芸術祭
    汗を流し、山道を分け入る作品体験:瀬戸内国際芸術祭
  • 今週末見るべき映画「ストックホルムでワルツを」
    今週末見るべき映画「ストックホルムでワルツを」
  • フォトギャラリー:デザインタイドトーキョー メイン会場(4)
    フォトギャラリー:デザインタイドトーキョー メイン会場(4)
  • 「世界報道写真展 2011」圧倒的な事実を見よ
    「世界報道写真展 2011」圧倒的な事実を見よ
  • 今週末見るべき映画「めぐり逢わせのお弁当」
    今週末見るべき映画「めぐり逢わせのお弁当」

Prev & Next

Ranking

  • 1
    アストンマーティンのコンセプトモデル「V12 ザガート」
  • 2
    25日まで川上元美展、日本の巨匠を知る
  • 3
    思考をずらす笑いの視点、福田繁雄大回顧展
  • 4
    大きなエネルギーを宿したオノ・ヨーコからの祈り
  • 5
    Interview:後藤繁雄「今を生きる」アーティストを感じよ
  • 6
    プジョー207シリーズにエントリーグレード「Style」
  • 7
    世界初、シャネルの香りとコスメ路面店「CHANEL AOYAMA」
  • 8
    今週末見るべき映画「ユゴ 大統領有故」
  • 9
    美しい日用品、ドイツの見本市「テンデンス」レポート続編
  • 10
    イタリア・フロス新作、ブルレック兄弟の照明はとっても自由

Excite ism :

このエントリーをはてなブックマークに追加