スペクタクル感溢れる映像展|第7回恵比寿映像祭レポート

2015年 3月 3日 08:00 Category : Art

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日仏会館ホールでは、フィンランドやインドネシア、ブラジル、日本の気鋭の作家たちの作品、実験映画の巨匠と呼ばれるケン・ジェイコブス、日本のホンマタカシ、クララ・イアンニら、国際色豊かな展示上映が行なわれている。


会期中常設展示である、4面スクリーンで上映されるホンマタカシ氏のマルチチャンネル・ビデオ・インスタレーション作品「最初にカケスがやってくる」は、音と映像による圧倒的な迫力で見応えがあった。知床の地で行なわれるエゾシカ猟の模様を収めた映像には、雪で覆われた冬の北の大地と厳しい自然の中でしたたかに生きる野生動物たちの姿が写し出される。血の匂いがするような狩猟の痕跡には最初にカケスがやってきて、カラス、キツネ、静寂ののちに、最後にクマタカがやってくる。


流氷の海、川が雪を砕きながら流れる音。鳥たちの羽音。木立の枝がこすれる音。辺りには人工的な音はひとつも聴こえてこない。据え置きカメラが見つめる白い雪の上には猟の名残の血の痕跡が。そこに生きる人と、野生動物たちの営みは、ただ一発の銃声をのぞいてどちらにヒエラルキーがあるわけではなく、あくまで等価に描かれる。ドキュメンタリーの手法による究極のリアリズム映像でありながら、ニュードキュメンタリーを標榜するホンマ氏ならではの、どこか非現実的な、虚実ないまぜになった作品。まさに実験映像作品ならではの力がみなぎっている。

地域連携プログラム、POSTで開催中のホンマタカシ[VARIOUS COVERED AUTOMOBILES AND SNOW] 展示風景

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