「もの派」菅木志雄の個展|東京都現代美術館

2015年 3月 5日 08:05 Category : Art

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東京都現代美術館では「もの派」の代表作家、菅 木志雄の個展『菅木志雄 置かれた潜在性』が開催中だ。

“ものは、つねに〈現在〉である。ものの現在性は、意識しなければ見えないものである。だから、ものを見ようとするとき、ものの現在性を直視しなければならない。ものの隠れたリアリティーを見ることは、世界の成り立ちを知ることでもある。”(菅 木志雄 2014)。

1968年に多摩美術大学を卒業した菅木志雄(1944年~)は、「もの派」と呼ばれるこの時代の美術動向を代表する作家の一人である。近年、概念的思考と物質を結びつけた70年代的な試みは内外で注目を集め、イタリアの芸術運動アルテポーヴェラと並び、もの派の作品、なかでも、菅の仕事は高い評価を受けている。

菅木志雄《捨置状況》1972/2013年 Collection: GLENSTONE 撮影:佐藤毅

石や木、金属板などを素材として空間の中に形成される菅のインスタレーションは、物質と物質を一つの空間に共に存在させることによってたちあがってくる「風景」の生成といえる。物質が集合して存在すること、そこから生まれる、相互の連関性、これらを知的に感性豊かに制御することで空間が、物質が変容をはじめる。創作行為という介入の結果により空間を活性化すること、それが菅の作品の本質にある。

菅の作品は、現代のバーチャルなネットワーク社会にあって、フィジカルな複雑さと実感を伴った世界との接触を求める私たちの内的欲求を反映していると言える。私たちはただ表面的につながっているだけでなく、個々が確かな存在として全体にかかわり、空間に作用している。本展は物質と身体、情報、空間について菅作品が内包する多くの示唆にとんだ視点を、菅のコンセプトが先鋭的にあらわれた70年代を中心に、インスタレーションや制作ノート、記録映像により、現代の観客に紹介している。

菅木志雄《状況律》1971年 撮影:菅木志雄

菅木志雄《依存差》1973/2013年 作家蔵 撮影:佐藤毅

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