写真家と画家の旅の記録|石川直樹+奈良美智展「ここより北へ」

2015年 3月 8日 08:00 Category : Art

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ワタリウム美術館の展覧会はいつも秀逸だ。前回の「12×5=60 磯崎新展」も、巨匠の建築外思考に焦点を当てたおもしろいコンセプトの展覧会だったが、現在開催中の展覧会「ここより北へ」も、実に興味深い内容になっている。

旅などをテーマに作品を発表し続けている写真家、石川直樹。睨め付けるような目の女の子の絵画が有名な画家、奈良美智。写真家と画家という意外な組み合わせのふたりが北国を旅し、その記録を紹介しているのが本展になる。

石川直樹「サハリン島」2014 photo:Naoki Ishikawa ©Naoki Ishikawa

職業も異なり、年齢もひとまわり以上離れているふたりがなぜ共に旅をすることになったのか。そもそも一緒に旅をする間柄ではなかったというから驚きだ。奈良氏は旅のきっかけについてこう語っている。

「きっかけが何だったのか思い出せない。『青森県と北海道のアイヌ語地名を訪ねてみよう』そんな思いつきから足を踏み出したのかもしれない。きっかけが思い出せないので、旅のゴールも曖昧なまま。気がつけば、石川くんと北へ北へと移動していた」。

本展の柱にもなっている旅と写真。これは石川氏の領域のようにも感じるが、実は奈良氏も旅の記録をまとめた写真集をいくつか発表している。そして、今回旅をした3カ所のうちのひとつ青森は、奈良氏の生まれ育った故郷であることを考えると、本展は必然のコラボレーションだったのかもしれない。奈良氏は小さい頃からアイヌ語の言葉の響きに魅力を感じていたという逸話もある。

奈良美智「オクダさん」 2014  photo:Yoshitomo Nara ©Yoshitomo Nara

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