世界的巨匠建築家が見つめた建築|「TANGE BY TANGE 1949-1959 丹下健三が見た丹下健三」

2015年 3月 11日 08:10 Category : Art

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建築の竣工写真には、住まい手の姿やつくり手の痕跡は消されているものが多い。人もそこに置かれるであろう家具もなく、あおりで構図の歪みが補正され、広角レンズを用い体感よりも広々と撮影される。建築の完成された抽象的な美しさが竣工写真には宿る。

本展は日本を代表する、いや20世紀の世界の建築を代表する建築家の一人である、建築家・丹下健三による建築写真展である。

撮影:加藤孝司

戦後すぐに計画された広島計画から香川県庁舎まで、おもに丹下の初期作品を中心に、ネガからプリントされたオリジナルのコンタクトプリント、約70枚が展示される。展示台の上のコンタクトプリント(ベタ焼き)を拡大鏡を片手に一点一点閲覧する行為は、作品をより身近に浮かび上がらせることにつながっていて楽しい。

丹下健三が自身の作品を自ら撮影したコンタクトシート(写真は「広島平和会館原爆記念陳列館」の施工現場風景)

一昨年2013年に生誕100年を迎えたことも記憶に新しい建築家・丹下健三(1913-2005)の没後10年という節目の年を迎えるにあたり企画された本展。タイトルにもあるように、丹下自身が見つめた自身の作品へのまなざしを通して、その最初期から国家的プロジェクトともいえる仕事を手がけてきた世界的建築家への歩み、そして、自身の作品の根幹にもなった戦後日本の進むべき軌跡へのまなざしも感じることのできる展覧会となっている。

撮影:加藤孝司

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