世界的巨匠建築家が見つめた建築|「TANGE BY TANGE 1949-1959 丹下健三が見た丹下健三」

2015年 3月 11日 08:10 Category : Art

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屋外展示にはヘリコプターに自ら乗り込み、東京上空から空撮された自身が設計を手がけた旧東京都庁舎と住居(自邸)の写真が大伸ばしで展示されている。また壁面には広島平和会館原爆記念陳列館、住居(自邸)、桂離宮、倉吉市庁舎、香川県庁舎の写真、丹下研究室が旧都庁舎のためにデザインした木製の椅子をもとに、香川県庁舎のためにデザインし、自邸でも使っていたという原色に着色された陶製の椅子が展示されている。

撮影:加藤孝司

これらのコンタクトプリントには、戦後日本の再生を担った一人の人間としての建築家の、建築と都市に向けられたまなざしが克明に記録されている。特に多くの展示スペースがとられたれものの一つである、丹下の処女作ともなった広島ピースセンターの実施から竣工までを記録したコンタクトプリントには、建設途中の建物とともに砂漠のようにまだ荒涼とした広島中心部の模様が収められている。

広島は、大阪に生まれ今治市で育った丹下が、父親の仕事の関係で移り住み、多感な学生時代を過ごした思い出の地。また、原爆投下間もない広島の地を訪れ、戦後すぐのこの町の行く末を案じ、広島市主催の平和記念計画コンペを勝ち取った大切な場所。これらの写真には学生時代を過ごした町が、焦土と化したことへの丹下の悲しみと未来への思いを想像することができる。

コンタクトプリントにはところどころに赤いペンで描かれたトリミングの指示をみることができる。写真にしたときの建築と風景との関わりを建築家がどのように捉えようとしていたのか、その思考の片鱗を感じることができるだろう。

広島平和会館原爆記念陳列館 (広島県広島市、1952 年)/1955年撮影 ©丹下健三
1955年8月6日の原爆慰霊祭に集まった群衆を捉えた写真

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