今週末見るべき映画「セッション」

2015年 4月 16日 08:00 Category : Art

このエントリーをはてなブックマークに追加

ジャズは詳しくはないが、好きである。なかでも、ドラムやパーカッションが主役となる、ラテン音楽タッチのジャズが好き。サブーことルイス・マルティネスら5名がコンガを叩いているブルーノート・レーベルの「サブー/パロ・コンゴ」などは、時折、聴いている。いっとき、ジャズ・ドラムに魅せられた時期があった。ごひいきのひとりが、チコ・ハミルトン。1958年の第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバルを記録したドキュメンタリー映画「真夏の夜のジャズ」では、「ブルー・サンズ」という曲で、フルートのエリック・ドルフィーを従え、スリリングなマレットさばきを披露している。

バディ・リッチもいい。バディ・リッチは、マックス・ローチやジーン・クルーパといったドラマーとのアルバムで、すさまじいドラムを叩いている。また、モダンジャズの巨人ともいえるチャーリー・パーカーの「リラクシン・ウィズ・リー」などでは、短い時間だが、正確極まりない、みごとなドラミングを披露する。このバディ・リッチに憧れ、ジャズ・ドラマーを目指す若者を描いた映画が「セッション」(ギャガ配給)だ。


映画「フルメタル・ジャケット」や「愛と青春の旅立ち」での、軍事教練の担当が、士官や兵士となる若者を鍛えぬくように、ジャズを教えている鬼のような教授が、若者たちを鍛える。教授のジャズ練習は、指導、教育というより、理不尽なまでの訓練、しごきである。ついていこうとしても、世間知らずの若者たちには、いささか無理である。さて、若者たちは、どこまで教授についていくことができるのだろうか。

日本の、あるプロのジャズ・ミュージシャンが、「大変なゲテモノ、マンガ」と、この映画を酷評している。ジャズは日本の音楽ではないので、日本のジャズのプロが、映画のなかのジャズ音楽の指導、教育をめぐって、どのように批判しても、あまり説得力はない。ジャズの真実と映画で描かれていることが、いくらかけ離れていようと、また、なんと評価しようと、映画の本質とは、あまり関係のないことと思う。ジャズは、深遠な音楽かもしれない、また、理屈や理論もあると思うが、いろいろと聴いて、「いいな!」と感じたら、それでいいのではないかと思う。

Related article

  • 今週末見るべき映画「ココ・アヴァン・シャネル」
    今週末見るべき映画「ココ・アヴァン・シャネル」
  • 【告知】第三回ヘンタイ美術館は、「理想と現実、どちらがヘンタイか」
    【告知】第三回ヘンタイ美術館は、「理想と現実、どちらがヘンタイか」
  • コンペティションの9作品を紹介━第13回東京フィルメックス
    コンペティションの9作品を紹介━第13回東京フィルメックス
  • 国際フォトアートイベント「東京フォト」4日から開催
    国際フォトアートイベント「東京フォト」4日から開催
  • 料理人・今井義浩が綴る、料理と自然の写真集『CIRCLE』
    料理人・今井義浩が綴る、料理と自然の写真集『CIRCLE』
  • 今週末見るべき映画「母よ、」
    今週末見るべき映画「母よ、」

Prev & Next

Ranking

  • 1
    ジャズ名盤講座第1回「ブルーノート~1500番台編」
  • 2
    鈴木理策が語るセザンヌの魅力
  • 3
    北斎 VS 広重 浮世絵、富士山対決
  • 4
    カルティエ、マニュファクチュールであることの威信
  • 5
    世界最小機械式ムーブメント、ジャガー・ルクルト80周年モデル
  • 6
    思わずウィーンを旅したくなる「ウィーントラベルブック」
  • 7
    テーマは「都市と自然」。札幌国際芸術祭レポート
  • 8
    サムリ・ナーマンカ アート・アンド・インダストリー展
  • 9
    今週末見るべき映画「恐怖分子」
  • 10
    クリスマスまでの心躍る特別な12日間~パーク ハイアット 東京

Excite ism :

このエントリーをはてなブックマークに追加