今週末見るべき映画「セッション」

2015年 4月 16日 08:00 Category : Art

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スリリングである。ほどよい緊張がある。映画としての完成度はともかく、ごくごくふつうのジャズ・ファンなら、かなり刺激的、ハラハラしながら楽しめる映画である。チャーリー・パーカーは、ジャズ・ファンなら「はしか」のようなもので、必ず、何らかの形で聴いたことと思う。

映画では、このチャーリー・パーカーの逸話や、「WHIPLASH」(映画の原題でもある)や、「チェロキー」、「キャラバン」といった名曲の練習風景が出てくる。練習だから、演奏はコマ切れだが、フルバンドだから、それなりの迫力がある。もちろん、主人公がドラマー志望だから、見ているうちに、どこでどのようなドラムを叩くのか、期待を持つようになる。

監督、脚本は、30歳ほどのデイミアン・チャゼル。高校時代、ジャズ・バンドで、ドラムを叩いていたという。いわば、自伝的風合いを持っていて、だから、細部の表現は、それなりの説得力がある。「JUNO/ジュノ」や「マイレージ、マイライフ」(イズムで紹介)を撮ったジェイソン・ライトマンが製作総指揮を務める。若い才能に期待してのことだろう。

桁はずれ、理不尽な指導をみせる教授役フレッチャーを演じたJ・K・シモンズが、本作で、アカデミー賞の助演男優賞を受けた。黒ずくめの衣装、スキンヘッド、眼光鋭く、狂気のようなレッスンを見せてくれる。いったんは、フレッチャーに抜擢されるものの、ちょっとしたことから、こてんぱんに侮蔑される19歳の若者、ニーマン役にマイルズ・テラー。若き日のエルヴィス・プレスリーに、ちょいと似ている。監督同様、まだまだ若い。これからの人だろう。


フレッチャーは言う。「(主奏者の地位は)自分で勝ち取れ」と。なんでも、そうである。才能の有無は生まれつきかもしれないが、努力は、他人から与えられるものではない。自ら、結果を勝ち取るしかない。ジャズ・ドラマーを目指す若者を通しての、人生応援歌だ。お互い、頑張りましょう。

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