今週末見るべき映画「あの日の声を探して」

2015年 4月 23日 08:00 Category : Art

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「あの日の声を探して」では、ミシェル・アザナヴィシウス監督が、きめの細かい、行き届いた演出をみせる。3つほどの複数の話を、巧みに繋いで、当時のチェチェンの現実を活写する。ハジを演じたアブドゥル・カリム・ママツイエフの見せる表情が、万感の悲しみをたたえて、涙を誘う。映画の成功は、この少年を見いだしたことだろう。キャロルを演じたのはベレニス・ベジョ。無言のハジと知り合い、いろいろと面倒を見る。まるで、ひとり芝居である。母親とのいざこざを抱えての難役を、そつなくこなす。また、コーリャを演じたマキシム・エメリヤノフは、オーディションで大役を勝ち取る。徐々に、殺人マシーンに変貌する過程を力演する。


侵攻、内乱、紛争など、言葉はいろいろあるが、これはみな、戦争である。勝者も敗者も、いない。そして、ひどい犠牲を被るのは、常に、子供、女性、老人である。ミシェル・アザナヴィシウスの、これは残しておかなければならない仕事だったろう。映画作家の良心に裏打ちされた秀作と思う。

ところで、この4月1日、野党の議員が国会で、「戦争法案」という言葉を使ったところ、不適切とされ、修正を要求されたという。キナ臭い法案をめぐって、過去にも国会で何度も出てきた言葉なのに。断固、撤回、修正する必要はない。新聞社やテレビ局に、政府が文書を送り付けたり、幹部を呼び出したりする現状である。新聞やテレビは、大企業の賃金が上がったと伝え、貧しい人たちの生の声を伝えない。政府は、沖縄の知事発言をしっかりと聞かない。

いま、世界のあちこちで、どんなことが起こっているか。フィクションの形を借りてはいるが、映画は、正確に、キチンと「世界」を伝えている。日本の全国会議員、テレビ、新聞などの関係者は全員、「あの日の声を探して」をご覧になることを、強くお勧めする。

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