ミニチュアフェイク和菓子の作家|森まゆみさん|インタビュー

2015年 5月 28日 08:05 Category : Art

このエントリーをはてなブックマークに追加

和食が世界的に話題になっているとともに、和菓子の人気も広がりをみせている。饅頭や汁粉など身近な甘味や、四季折々の年中行事や茶事に欠かせない季節感ある生菓子など、その味わいは幅広く、上生菓子の美しさは芸術とも言えるほど。今回は、フリーランスの和菓子職人である森まゆみさんに、女性ならではの視点を生かした和菓子作りと今後の展望をうかがった。

森まゆみさん

選・和菓子職において優秀和菓子職の認定を受けた、フリーランスの和菓子職人。複数の和菓子店、菓子店にてプロデュース、コンサルティングを手掛けている。また、樹脂粘度で作るミニチュアフェイク和菓子の作家でもある。現在、オリジナルの和菓子ブランドを立ち上げる準備中

-OLを経て和菓子の道に入られたそうですね。

事務職や営業など、普通の会社員として働いていたのですが、漠然と「私の本当にやりたいこととは違うなあ」と、感じながら日々を過ごしていました。ふと、学生時代に飲食店でアルバイトしていた頃のことを思い出し、自分は接客業や飲食業に向いているのではないかと。その後、飲食店で働くようになり、最初は接客を担当していました。予想通り仕事との相性はよく、毎日楽しく働いていたのですが、お客様から味や素材、作り方に関して質問を受けながらも、きちんと答えられないことがあり、それがなんとも歯がゆくて。調理場で、シェフや料理人にあれこれ質問しているうちに、自分でも調理をしてみたくなり和食の調理の仕事もするようになったんです。

-料理の世界は男性ばかりで、上下関係が厳しいといった時代ですよね。

そうですね。日本料理の基礎から学ばなければなりませんでしたから、職場での修行に加え、帰宅後は膨大な量の本を読み、大根のかつらむきなど包丁の使い方を練習する日々。大変ではありましたが、少しも辛くはありませんでした。先輩方は厳しかったけれども、彼らの求めるレベルの仕事をこなせるようになれば、きちんと認めてくれる世界です。そうやって修行しているうちに、銀座の懐石料理店から誘いがあり、調理スタッフとして働くことになりました。

懐石料理店で調理の仕事に慣れたころ、甘味専門の別フロアで新企画と製造を担当することになりました。それまで懐石料理で食後のデザートなどは手がけていましたが、甘味や和菓子はいわば別世界。不安がなかったわけではありませんが、性分なのか、いつも超前向きなんです。「やるしかない。やってみよう!」と、引き受けました。やはり職場で教わるだけでは知識も経験も足りず、和菓子の本で学んだり、和菓子職人の友人に教わったり。職場でも家でも、今度は和菓子作りの修業の日々。

甘味処で〝作り立ての創作和菓子を提供する″という企画は、その当時は新しいものでした。カウンターに座っていらっしゃるお客様の目の前で、創作和菓子を作って提供するという経験は、かなり緊張するものでした。ですが、見方を変えれば、そのお客様だけのために私が和菓子を作り、食べたお客様の反応がダイレクトに伝わってくるのです。調理場にいれば、スタッフが伝えてくれるお客様の声しかわかりませんよね。それとは違って、生の声を聞くことができ、次の仕事に即反映できる、いい経験だったと思います。

さらに、鍛えられたのは、雑誌やテレビの「銀座特集」です。まさにグルメブームで、頻繁に取材が入り、対応しました。しかも、その雑誌、そのコーナーのためだけの「オリジナル甘味」を求められるのです。日替わり甘味という企画を手掛けたので、毎月20種類くらいの〝新作″創作甘味もこなしました。

Related article

  • 「シャングリ・ラ ホテル 東京」100日だけの限定プラン
    「シャングリ・ラ ホテル 東京」100日だけの限定プラン
  • ゴヤ展コラボのカクテルを味わいながら、傑作に思いをはせる
    ゴヤ展コラボのカクテルを味わいながら、傑作に思いをはせる
  • 話題の店続々。“表参道・原宿”がカジュアルグルメな街に?
    話題の店続々。“表参道・原宿”がカジュアルグルメな街に?
  • NYで行列のできるチョコレートバー、日本上陸
    NYで行列のできるチョコレートバー、日本上陸
  • 全ての生活にスタイルを。アマンダ・バーグマンが生み出すライフスタイル
    全ての生活にスタイルを。アマンダ・バーグマンが生み出すライフスタイル
  • 甦る、江戸時代の化粧道具「板紅」の世界
    甦る、江戸時代の化粧道具「板紅」の世界

Prev & Next

Ranking

  • 1
    さすらいのレコード・コレクター~10セントの宝物【今週末見るべき映画】
  • 2
    今週末見るべき映画 「長江哀歌(ちょうこうエレジー)」
  • 3
    ミラノサローネ2010、パトリシア・ウルキオラ新作
  • 4
    ワコム社の「Bamboo Stylus」と共に新しいデジタル体験を。その全貌とは
  • 5
    マカロン/マッターホーン by Tokyo的 男の手土産
  • 6
    女は二度決断する 【今週末見るべき映画】
  • 7
    ミラノサローネとは一体何なのか?━世界最大のデザインイベント
  • 8
    フォトギャラリー:リコー GR DIGITALIII発表会
  • 9
    ホンダの新種 クロスロード 登場
  • 10
    磁器のフィギュア!? リヤドロ「The Guest(大)」シリーズ、先行販売開始

Excite ism :

このエントリーをはてなブックマークに追加