フランス映画祭、見どころ|2015

2015年 6月 9日 08:00 Category : Art

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フランス、モーリタニア合作の「ティンブクトゥ(仮題)」は、とびきりの話題作。今年のセザール賞では、最優秀作品賞、監督賞、脚本賞、音楽賞など計7部門を受賞。ティンブクトゥは、マリ共和国の古都。音楽を愛する父と娘がイスラム過激派の弾圧にあう。過激派が父娘の住む町を占拠、町からは歌が消え、笑い声が途絶え、サッカーまでが禁止となる。父娘たちは、町からティンブクトゥに避難したものの、大きな出来事が待ち受けている。監督はモーリタニア出身のアブデラマン・シサコ。

©2014 Les Films du Worso ©:Dune Vision
2015年公開予定


今年は、フランスの映画会社の名門、ゴーモンの設立120周年という。フランス映画の歴史はゴーモンの歴史でもある。ゴーモン製作の1本、「たそがれの女心」(1953年)が、デジタルリマスター版で上映される。1900年のパリ。将軍の妻(原題は「マダム・ド・・」で、某夫人といったほどの意味)が、借金にあえぎ、夫から贈られた耳飾りを売ってしまう。これが、夫人の運命を大きく狂わせることになる。長く女優を続けているダニエル・ダリューが、実に美しい。共演にシャルル・ボワイエ、ヴィットリオ・デ・シーカ。監督のマックス・オフュルスは、ナチスを逃れてフランスに亡命。女性映画の演出では、鋭い冴えを見せる。

©1953 Gaumont (France)/ Pizzoli Films (Italie)

フランス、ブラジル、イタリア合作のドキュメンタリーが「セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター」だ。監督は、ヴィム・ヴェンダース。ブラジルの世界的な報道写真家、セバスチャン・サルガドは、地球環境の保全に尽力した環境活動家でもあった。モノクロームで表現された、荘厳なまでに美しい写真作品は、果たして、どのようにして撮られたのだろうか。ヴェンダースは、サルガドの長男、ジュリアーノ・リベイロ・サルガドの協力を得て、地球に残された未開の場所で、サルガドの視点に立とうとする。文字通り、サルガド父子とヴェンダースによる「地球へのラブレター」だ。必見の一作と思う。

©Sebastião Salgado ©Donata Wenders ©Sara Rangel ©Juliano Ribeiro Salgado
今夏 Bunkamuraル・シネマ他にて全国ロードショー!

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