今週末見るべき映画「WISH I WAS HERE 僕らのいる場所」

2015年 6月 11日 08:00 Category : Art

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主な登場人物は、主人公のエイダン、妻のサラ、その子供で姉のグレース、弟のタッカー、エイダンの弟ノア、エイダンの父の6人である。このアンサンブルがまことに軽快。大人も子供も、それぞれがドラマの上で絡み、反発し、和解し、苦労しながら、迫り来る危機に対峙していく。


エイダンがドラマを推進するが、頑固で毒舌、皮肉まじりのユーモアを飛ばし続ける父親を演じたマンディ・パティンキンが貫禄たっぷりで、ブロードウェイ・ミュージカルのキャリアは伊達ではない。映画「NINE」(エキサイト・ガルボで紹介)で、ダイナミックな踊りと歌を披露したケイト・ハドソンが、エイダンの妻サラを演じる。病院に見舞い、義父と語り合うシーンは、家族とは何か、人生とは何かを巡っての含蓄豊かなセリフの応酬で、圧巻である。まだ小学生の姉弟と仲良し、エイダンの弟のノア役は、ジョシュ・ギャッド。やはりブロードウェイでのキャリアが十分。両親に気遣いを見せ、結果として、大人に学ばせること多々のグレース役を達者にこなしたのはジョーイ・キング。まだ15、6歳、将来、大化けしそうな女優だ。弟タッカー役は、「LOOPER/ルーパー」や、ディズニー映画の「トゥモローランド」に出ているピアース・ガニォンで、すでに天才名子役との評判だそうだ。


才人ザック・ブラフは、10年ほど前に「終わりで始まりの4日間」で、監督、脚本、主演を務めた。このほどの脚本は、ザックの兄アダムとの共同執筆になるが、人生を考える上での、思慮深く、含蓄あるセリフを連発する。一言、一言が、実にいい。すてきなのは、セリフだけではない。ドラマ進行に寄り添う音楽もまた、いい。キャット・パワーとコールドプレイの奏でる主題歌「Wish I Was Here」(映画の原題)に、うっとり聴き惚れる。


アメリカ映画である。多くの人から製作資金を集めての作品である。だから低予算と思われる。結果、中身は、超A級作品の品と格を備えている。映画製作に携わる人材、才能などの層の厚さに、ただただ驚く。

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