Interview:女優キタキマユ|無限大に進化する美しき女優魂

2015年 6月 25日 08:00 Category : Art

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『時をかける少女』 『ウルトラミラクルラブストーリー』 『アフロ田中』 『うさぎドロップ』など、映画のスクリーン越しの彼女は、いつも透明感にあふれ、実に清々しい。それでいて、時間が経っても、その表情や佇まいが鮮やかに想起されるから不思議な存在である。竹中直人主演の『天心』では、明治期の画家・菱田春草の妻・千代を、『花蓮 ~かれん~』では、三浦貴大とのダブル主演でタイと日本のハーフの女の子を熱演するなど、近年は地元・茨城県が舞台の作品にも登場。映像に、舞台に、涼夏の風のごとく爽快に活躍する女優・キタキマユ。今回は、彼女の“これまで”と“これから”を追ったインタビューをお届けする。

©大島央照

#01.嘘はつけない。私、お芝居することが恥ずかしくて仕方がなかったんです

©大島央照

-マユさんを知ったのは、2001年『カバチタレ』のドラマ主題歌『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』の大ヒットがきっかけでした。つまり、歌手としてのマユさんが先だったのですが、ご経歴を拝見したところ、幼少の頃から『劇団ひまわり』の子役としてご活躍されていたのですね。

そうなんです。3歳の時に、気づいたらもう劇団に通っている状態でした。演技、日舞、歌、バレエ…子役の養成所って、ひと通りオールジャンルをやるんですね。「今週は歌とダンスのお稽古よ」と母に言われて、「はーい」と準備をして、基本的に土日は劇団に通う。小学校の頃は、ほぼそんな感じの毎日を過ごしていました。 “普通とはちょっと違う小学生”だったので、中学生の時に、「夢は?」と誰かに聞かれると「普通の子になること」と答えていました(笑)。

-普通の子になることが夢、だったのですか?

はい(笑)。当時は、姉や兄と同じ学校に行きたいという素朴な願いを持っていました。中学時代、劇団を辞めたくなった時期があったのですが、それを聞きつけた父が血相変えて、割烹着を着たまま飛んできました。うちは、地元の茨城県で飲食店を営んでいるんですけど、「ここまでやってきたんだから、もったいないじゃないか?やれるところまでやってみたらどうだ」と説得されて、じゃあ続けてみようかなと。

その後、唯一、力が伸びていったのが歌とお芝居で。中学3年生の時に「じゃあ、音楽をやってみたらどうか?」という話が上がって、色んな方とのチャンスやご縁をいただいて、気づいたら17歳の時に歌手としてデビューしていた、という感じでした。その時に、このカタカナで”キタキマユ”という名前をいただきました。

『ボスニアに咲く花 ~necessary targets~』より

-まるで決められていたように物事が動いているようです。

本当にありがたいことに、ドラマの主題歌をきっかけにポン!と世に出させていただきました。仕事の衣装を持って高校に通ってました(笑)けれど、実際に音楽活動をしていたのは3~4年くらいなんです。比較的若い頃にデビューしたので、長く音楽活動している印象を持たれることが多いんですけれども。

その間、歌い手なのに、なぜか映画監督の方からオーディションのお話をいただくことがあって、2度ほど受けに行ったことをよく覚えています。その辺りから、また少しずつ、お芝居に改めて興味を持ち始めると同時に、歌から芝居の方にシフトしていく道が自然に拓いていきました。でも、いざ役者の世界に入ってみたら、子役時代の記憶がよみがえって、懐かしく思う反面、もう恥ずかしくて、恥ずかしくて…(笑)。

-お芝居することが恥ずかしかったということですか?

そうなんです。お芝居と音楽の両方の世界を踏んでみて思うのは、役者とミュージシャンは、表現が背中合わせのようなところがあるということ。

役者は、ある意味、嘘を正当化させることが仕事。でも、ミュージシャンは自分に嘘をつけないとても素直な人達が多い気がします。求める音をみつけるために、イノシシのように、まっすぐ突進していくイメージ。ある意味、ゼロから曲を生み出すために、強い自我や個性を押し出してゆくことが必要だったりすると思うのですが、俳優の場合、まず脚本があり、監督のイメージもある中で表現してゆくので、自我が邪魔になることがありました。心の違和感に素直でいることはとても大切なことだと思うので、そこは、俳優もミュージシャンも共通しているのかもしれないですね。

20代前半で役者の世界に戻った当初は、それまで音楽をやってきたせいなのか、“恥ずかしいと思うことに対して、嘘をつけない自分”がいました。

西川美和監督の『ゆれる』という映画で、オダギリジョーさんとキスをするという最初のワンシーンだけ登場する役を演じたのですが、“人とキスをする”という行為が役として初めてで、何テイクやっても顔が赤くなってしまって…。「どうして私を選んでくれたのですか?」と監督にお聞きしたことを昨日のことのように覚えています。

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