今週末見るべき映画「ターナー、光に愛を求めて」

2015年 6月 19日 08:00 Category : Art

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【Story】
夕陽に映えた風車小屋の風景が美しい。1800年代のイギリス。画家のターナーはオランダ旅行からロンドンに戻る。アトリエを兼ねた自宅には、父(ポール・ジェッソン)と、働き者の家政婦ハンナ・ダンビー(ドロシー・アトキンソン)が住んでいる。父は、ターナーの仕事をサポート、絵の具やカンヴァスを用意し、買い手との交渉をこなす。

ターナーには、ハンナの叔母にあたるサラ・ダンビー(ルース・シーン)という未亡人との間に、エヴリーナとジョージアナという娘が、いる。もう大きくなったのか、ターナーは、サラと別れて以来、娘たちとも会っていないし、経済的な援助もしていない。若くして、ロイヤル・アカデミーの正会員になるほどのターナーには、パトロンがいる。絵画のコレクターのエグルモント卿(パトリック・ゴドフレー)もその一人である。ターナーは、エグルモント卿の屋敷で過ごした後、船で旅立つ。ケント州にある、海辺が絶景の港町、マーゲイトだ。

宿の女主人ソフィア・ブース(マリオン・ベイリー)が暖かく迎えてくれる。宿の窓から、陽光に映える海が見える。景色に魅せられたターナーは、スケッチを続ける。ターナーは、旅先では、本名を明かさず、いつも偽名を使う。

旅から戻ったある日、ターナーの許に、科学者のサマヴィル夫人(レスリー・マンヴィル)がやってくる。ターナーの父は、かつては理髪師だったが、独学で学んだ知識と教養で、夫人と対等に話す。ターナー自身も、父から受け継いだ人一倍の好奇心で、夫人のプリズムを使った色や光の実験に、目を凝らす。


ターナーは、すでに、ロイヤル・アカデミーでは、講義をするほどの地位に登りつめている。精力的に制作を続けるターナーだが、父の持病の気管支炎が進行する。やがて、父は、ターナーの母親を精神病院で亡くしたことを悔やんでいると告げ、息を引き取る。優しい父だった。ターナーは、出かけた娼館で、父母を思い、慟哭する。

ロイヤル・アカデミーの展覧会が近づいてくる。もちろん、ターナーは出品している。ターナーがライバル視しているコンスタブルも参加している。ターナーは、自分の絵に、周りが唖然とするような行動を取る。やがて、いろんな評価がターナーに下る。自身の絵も、変化し続ける。ターナーは、嵐の海、テムズ川を見て思う。自分だけの光をカンヴァスに描こうと。

<作品情報>
「ターナー、光に愛を求めて」
2015年6月20日(土)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
©Channel Four Television Corporation, The British Film Institute, Diaphana, France3 Cinema, Untitled 13 Commissioning Ltd 2014.
公式サイト

文/二井康雄

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