Interview: 音楽プロデューサー・本間昭光氏|泰然自若のジーニアスが放つ才気煥発の極み

2015年 8月 5日 08:00 Category : Art

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#02.「歌のバッキングって、楽しいな」と初めて思ったのは中学生の時でした


-もう一人の自分が自分を冷静に見つめているような…思春期にして、達観されていますよね。

そうだったかもしれないです。でも、ブラスバンド部の活動を通して知った関西吹奏楽連盟によって、それまで自分の中に少なからずあった“周りの奴らとは違う”という意識は、みごとに打ち砕かれました。「やっぱり上には上がいる」ということを思い知らされたんです。

「彼らと僕とでは何が違うのか?」と考えてみたら、答えは“教育”だったんですよね。「いい先生の元には、いい生徒たちが集まる」―その図式が見えてしまったんですね。先生が違う、教育が違う。だから結果も変わってくる。やっぱり、環境が人を作ると思いました。僕が通っていたのは、全員不良みたいな、俗に言うワルの集まる中学校で、20人中18人が補導されて教室にいないなんてことも普通でしたし、中学3年のクラスは、何かあった時にすぐに飛んでいけるようにと、職員室の隣に設置されるような吹き溜まりの集まりでした。


-ということは、本間さんも一時は“ワル”の一人だったのですか?(笑)

それが染まらなかったんですよ。だから、学級委員をやらされたりしましたね。「明日は頭髪検査」という情報が入ってきたら、こっそりみんなにリークしたり、一時期は勉強も放ったらかしで、絵に描いたような優等生ではなかったですけれども(笑)。たくましさとか、もし温室育ちだったら体得できなかったこともありますが、「このまま周りの奴らと同じペースでやっていたら、やばい。オレの人生終わってしまう!」。

-そこまで考えるなんて、かなり早熟ですよね?

でもそうしないと生き残れないような環境だったんですよ。中学卒業後、即極道の道へ…みたいなことが僕の中学では普通でした。さっきまでの制服姿はどこへやら、卒業式が終わって1時間もしないうちに、全身白づくめのスーツにエナメルの靴を履き、見たことのないような派手な化粧をした女の子を連れ歩く先輩とかわんさかいました。それもひとつの生き方だと思いますが、自分の目指す道とは違う。もう一度、ちゃんと勉強しようと思ってやり始めたら、成績は学年トップクラスに返り咲きました。皆、とにかく勉強しない学校だったので(笑)。そしてちょうど2年生の時でした、「ピアノって、いいかも!」と思い始めたのは。

-ここでピアノが出てくるんですね。きっかけは何だったのですか?

合唱合奏コンクールでピアノの伴奏を担当していた女の子が、途中から何かの理由でできなくなったんです。「誰か他にできる人はいないか?」となった時、「じゃあ、オレやります」と。そこで初めて、歌のバッキングって楽しいなと思いました。おまけに、モテるんですよ(笑)。ちょうど勉強もできるようになってきた頃で、「本間くん、今までピアノ弾けるなんて言ってなかったのにすごい!」と一気に女子からの人気が高まって。悪い気はしなかったですよね(笑)。

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