Interview: 音楽プロデューサー・本間昭光氏|泰然自若のジーニアスが放つ才気煥発の極み

2015年 8月 5日 08:00 Category : Art

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#05.一度聴いたら忘れられないキャッチーなメロディの数々。そのルーツは子供時代にアリ


-ポルノグラフィティのプロデュースは、どんな経緯で手掛けられたのですか?

ちょうど槇原君と活動していた頃とクロスするくらいの時に、当時、広瀬香美のプロデュースを手がけていた田村充義さんからお話がありました。「デビュー前の育成2年目のポルノグラフィティっていうバンドがいるんだけど、組んでみないか?」と。「良いバンドなのだけど、いまいち芽が出なくて…」と、紹介されたのが僕だったんです。5年後には日本武道館でライブできるくらいのバンドに育てようと、事務所、制作チームと一緒になって、計画にもとづいて進めていきました。

音楽性と商業性の共存は、もしかしたら、2000年代当時の方が難しかったかもしれません。SNSもなかったですし、こちら側が情報をコントロールできていた時代なので、イメージ作りしやすかった部分も確かにありますが、つまるところ、テレビ、雑誌、ラジオくらいしかない状況じゃないですか? その中で、彼らをどう見せていくか。プロデュースは一人でできるものではないので、全身全霊のオールスターで、あの手この手を考えて、とにかくひとつずつ積み重ねていきました。

-音楽的にはどうでしたか?

アーティストとしては、当然、自分で曲を書きたい気持ちはあったと思いますし、一部のコアなファンからすれば、「ポルノのメンバーでもない、このak.homma(本間昭光氏の作曲家・編曲家名義)って、一体誰?」という感じもあったでしょうけど、ここで売れなければ、彼らの先はなかった状態です。「誰が曲を書くかは気にしなくてもいい。曲は任せとけ」の言葉どおり、どう売り出していくかをその都度決めつつ、楽曲を作っていきました。

槇原敬之でいうところの歌詞の深さやサウンドの指向性、広瀬香美でいうところのキャッチーさ、浜崎あゆみでいうところの売り方、あるいは、ライブの作り方にしても、芸能系の要素を少し入れても楽しめるんじゃないかな?というように、これまで自分が培ってきた経験から、取り入れられることはどんどん取り入れていきましたね。

-デビューシングルの「アポロ」、ミリオンセラーになった「サウダージ」や「アゲハ蝶」など、ポルノグラフィティの楽曲は、一度聴いたら忘れられないメロディばかりです。

小学生の頃から洋楽をはじめ、色んな音楽を聴いてきたという話はしましたが、もっとさかのぼると、幼稚園の頃からミュージカル映画を観て育ってきたんですね。親が好きだったのか、『サウンド・オブ・ミュージック』は、何回行ったか数えられないくらい連れて行かれました。そうやって親しんできた音楽の中には、たくさんキャッチーなメロディがあるし、クラシックの世界においては、素晴らしいメロディが山のようにある。子供の頃から自分の中にストックされてきたものがうまく連動して、色々と結果を出せるようになったのが、ポルノを手掛けていた30代中盤頃からでした。

-音楽プロデューサーの視点から見て、“このアーティストは売れる!”というのは、どんな部分でジャッジされるんですか?

声ですね、声。それと、出で立ち。あとは直感です。ポルノは可能性を感じましたね。普段の彼らはおとなしいのに、ライブになると別人みたいになるんです。話がちょっと飛躍しますが、その後、世の中的にはアイドル時代が到来しました。そんな中、ライブを中心に、バンドとしてもどんどん成長の一途をたどっていたところで、メンバーの一人が「抜けたい」と言い始めまして。

当初は、「1年間は培養時間を作ったほうがいい」とアドバイスしたんですが、とにかく本人は意志が固く、「自分で決めたことなので」の一点張り。でも、振り返ってみたら、分からないでもなかったんですね。東京に行くという意志を通したかつての自分と似た気持ちなんだろうなと納得がいきました。

-そして、メンバーが2人のポルノグラフィティとしてリスタートしたわけですね。

「これはピンチだから乗り切らないと」と思いましたね。ちょうどタイミング良く、ポカリスエットからCMソングの話が来て、『ハネウマライダー』という曲を作りました。一人抜けたことによって、停滞感が出たらいけない。横浜スタジアムなど、ライブ会場もどんどん広げていきました。10年経った時、考えたんですね。バンドとしても大きく成長したし、ファンもたくさんついたし、キリも良いし、この辺でやめるべきかなと。結局、その後、アルバムを一枚作ってから、11年とちょっとで離れることにしたんですけれど。そこにやってきたんですね、いきものがかりの話が。

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