今週末見るべき映画「さよなら、人類」

2015年 8月 7日 08:00 Category : Art

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昨年の東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門で、「実存を省みる枝の上の鳩」というタイトルで上映された「さよなら、人類」(ビターズ・エンド配給)は、公開を待ちわびていた一本である。映画祭で見た20数本のなかで、傑出した面白さであった。


スウェーデンのロイ・アンダーソン監督は、2007年に公開された前作「愛おしき隣人」に続いて、この「さよなら、人類」でも、愚かではあるが愛おしい人間たちの、生きてあることの哀しみ、哀れさ、辛さ、おかしさを、さまざまな状況設定から、手を変え、品を変え、綴っていく。

約50ほどのエピソードで構成された「愛おしき隣人」では、冒頭に、ゲーテの「ローマ悲歌」が引用される。「命ある者よ 逃げようとするお前の足を 忘却の川が濡らすまで 暖かな寝床を楽しむがよい」。勝手な解釈だが、イタリア旅行から戻ったゲーテが、「人間、命が尽きるまで、人生を楽しみなさい」と言っているように思う。「愛おしき隣人」は、まさにその通りで、人間というものは、いつ、どうなるか分からない。よし、と思っての行動が裏目裏目にでる。他人などは、まして、信じられない。そのようなエピソードがどっさり。明確なストーリーラインはないけれど、エピソードの繋がりがほどほどに存在し、計算され尽くした編集を感じさせる。爆撃機襲来の夢を見る男。太った女が男に「消えてくれ」と叫ぶ。男に跨る女はセックスに夢中だが、男はファンドの目減りを嘆いている。教会で祈る女は、真実を隠す政府、情報を勝手に操作するマスコミを糾弾する。

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