今週末見るべき映画「ボーダレス ぼくの船の国境線」

2015年 10月 16日 08:00 Category : Art

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「ボーダレス ぼくの船の国境線」(フルモテルモ配給)は、昨年の東京国際映画祭の「アジアの未来」部門で「ゼロ地帯の子どもたち」というタイトルで上映されたイランの映画である。映画祭では、作品賞を受けている。まだ若い監督、1978年生まれのアミルホセイン・アスガリは、多くの寓意を提出する。これが、全編、緊張感に満ちている。ドラマの展開、演出力、カメラワークなどなど、およそ映画作りの王道とも言える、完成度の高い作品と思う。とても、監督初の長編映画とは思えない。


どこかの国の国境沿い、立ち入り禁止区域に、廃船が打ち棄てられている。近くで、戦争あるいは戦闘が続いていると思われる。この廃船で暮らす、ひとりの少年がいる。魚を釣り、干物にし、貝を加工したアクセサリのようなものを作っている。少年は、水に潜って、廃船から抜けだし、自転車に乗り、近くの商店に、魚やアクセサリを売り、食料をまかなっている。


少年と同じ年頃の少年兵が、銃を持って、廃船にやってくる。少年を脅し、魚をとる網をロープにして、勝手に廃船の甲板を仕切る。少年はペルシャ語を話し、少年兵はアラビア語を話す。当初、会話は通じないが、やがて、少年兵が実は少女だったこと、また、廃船には、少女の妹か弟らしい赤ん坊がいることが分かる。少年は、食料やミルクを用立てし、少女と赤ん坊の面倒をみるようになる。そこに、明らかにアメリカ兵と分かる中年の男が、廃船に紛れ込んでくる。ともに、話す言葉が違う。それぞれ、他者の言葉が分からないまま、身振り手振りだけで、意志の疎通をはかっていく。

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