今週末見るべき映画「FOUJITA」

2015年 11月 13日 08:00 Category : Art

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「風の旅人」という雑誌がある。最新号の復刊第6号に、小栗康平監督の新作「FOUJITA」(KADOKAWA配給)についての、小栗康平監督へのロング・インタビューが掲載されている。「泥の河」、「伽倻子のために」、「死の棘」、「眠る男」と、過去の小栗康平作品を振り返りながら、佐伯剛編集長の、小栗康平監督への敬愛に満ちた、10ページにわたる優れた記事である。このインタビューの最後で、小栗康平監督は言う。「外から世界を見るばかりだと、表現はどんどんと単一になってしまい、世界が一元的になります。つまり、誰もが知ったつもりになっているフジタ像が増殖するだけです。当り前のことですが、映画の画面には人物だけが写っているわけではありません。風景も事物も背景としてそこにあるのではなく、いっしょにある。そのいっしょの具合がどうなのか。これは文化、風土によって相当に異なっているでしょう。私達はそれだけ多様で、豊かなはずです。言葉の単なる字義に引きずられて、豊かな画面の細部を見落としては、映画は半分の価値しかない。中からものを見ていくこと、内的な時間から組み立て直すことで、映像は、対象の複雑精妙な豊かさを伝えることができると思います」と。映画「FOUJITA」について、映画そのものについて、いまの小栗康平監督の立ち位置を、明確に宣言したものと思う。


ざっとの映画の時代背景である。画家、藤田嗣治、通称フジタ。1920年代、パリで裸婦を描く。大評判になる。ピカソ、モディリアーニ、スーチンたちとともに、当時を代表する画家たちのひとりになる。多くの絵を描くが、パリで遊蕩三昧の日々を過ごす。世界恐慌が起こり、第二次世界大戦が始まる。フジタは、パリ陥落の前に日本に戻る。いわゆる「戦争協力画」を描く。5番目の妻、君代と田舎に疎開する。敗戦後、戦争責任が問われ、フジタは日本を捨てる。

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