今週末見るべき映画「ビューティー・インサイド」

2016年 1月 21日 08:00 Category : Art

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フランツ・カフカの小説「変身」では、主人公のグレゴール・ザムザが、ある朝、目覚めると、虫のような大きな生物になっていた。具体的に、どのような生物かは描かれていないが、ともかく、人間が虫に変身する。ダニエル・キイスは、ひとりの男のなかに24人の人格を持つという「24人のビリー・ミリガン」を書いた。韓国の映画「ビューティー・インサイド」(ギャガ・プラス配給)は、18歳の男性ウジンが、ある日、まったく異なる人物に変身する。初めは、やや小太りの若者。以降、朝、目覚めるたびに、見かけが全く異なる人間に変身する。老若男女を問わず、外国人にも。まるで、「変身」と「24人のビリー・ミリガン」が交差したような映画である。雰囲気は、ファンタジー、ラブ・ストーリーと思うが、これがなかなか、うまく作られている。奇想天外だが、リアリティたっぷり。軽快で、早いテンポの語り口が、ぐいぐいと観客を牽引していく。


29歳の男性ウジンを演じるのは、計123人。主な役どころだけでも21名のウジンが登場する。原案がある。2012年、カンヌで開催されたライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルという広告関係のイベントで、多くの賞を受けた40分ほどの映像「The Beauty Inside」である。作ったのは東芝とインテル。主人公のアレックスという男性の姿が、毎日、変わるという設定だ。なるほど。おもしろいアイデアと思う。


ウジンの秘密を知っているのは、母親と、小さいときからの親友のみ。ウジンは家具のデザイナーで、工房にこもったままで、仕事が出来る。受注などはインターネットさえあれば、事足りる。ウジンは、ハンサムな男性で目覚めた日に、日頃よく出かけているアンティークの家具店で、店員をしているイスという美女を見初める。また別の日、さらに甘いマスクの美青年で目覚めたウジンは、丁寧に、柔らかな物腰でイスを誘う。デイトに成功するが、眠ってしまうと、別のウジンになってしまう。ウジンは、イスと別れた夜、眠らない決心をする。

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