今週末見るべき映画「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」

2016年 5月 26日 08:00 Category : Art

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 突撃インタビューでお馴染み、マイケル・ムーアの「アメリカ文明論」ともいうべきドキュメンタリー映画が、「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」(KADOKAWA配給)だ。

 例によって、痛快なインタビューばかりである。アメリカの政府からの依頼(という設定)で、マイケル・ムーアは、世界各国に赴き、その国の実情を探る。第二次世界大戦以降、朝鮮戦争やベトナム戦争などなど、アメリカはいろんな戦争を引き起こすが、いずれも結果は敗れている。もう、これ以上、戦争を続けることは出来ない。どうすればいいのか。世界のいろんな国から、まだまだ学ぶべきことがあるのではないか。マイケル・ムーアは、星条旗を携え、出発する。


 イタリア。初っぱなからジョーク。イタリアの世界的有名人は、キリスト、ドン・コルレオーネ、スーパー・マリオ。若い共働き夫婦がいる。その年次休暇が多いのに驚く。8週間もある。消化できなかった休暇は、翌年に持ち越せる。昼休みは2時間、みんなは、会社近くの自宅でゆっくり食べる。1年働くと、12月には2ヶ月分の給料が出る。育児休暇は5ヶ月。知っているのか知らなかったのかは分からないが、マイケル・ムーアは、驚き、呆れる。

 フランス。愛の国である。コカコーラを手に、マイケル・ムーアは、小学校の給食を取材する。使っている食器は陶器で、プラスチックではない。内容は、チーズが必ず用意されるフレンチのフルコース。フレンチフライなどは、存在しない。ファストフード会社と栄養士が癒着しているアメリカの食文化レベルの低さが露わになる。

 フィンランド。マイケル・ムーアは、なぜ、フィンランドの生徒たちの学力が世界一になったかの秘密を探る。宿題がない。授業時間はヨーロッパで一番少ない。教師は、勉強よりも遊ぶことを勧める。生徒は、母国語だけでなく、いろんな国の言葉を理解している。

 スロベニア。授業料が無料。マイケル・ムーアは、大学もまた、そう費用がかからないことに驚く。アメリカで授業料が払えず、スロベニアで大学に通う学生がいる。当然、返済しなければならない奨学金などは存在しない。学生は、「借金」という言葉を知らない。

 ドイツ。一週間の労働時間は36時間。午後2時には会社を出る。役員の半数は、従業員から選ばれる。退社後は、個人の時間だから、上司は部下にメールなどを送ることは禁止で、電話をしてもいけない。メールや電話は、法律違反になる。マイケル・ムーアの「信じられない」表情が、笑いを誘う。崩壊したベルリンの壁について、マイケル・ムーアは思う。「何事も実現可能だ」と。

 ポルトガル。アメリカのあちこちで禁止の麻薬は、罪にならない。犯罪者でも選挙権がある。そもそも、アメリカの黒人労働者たちの多くは、ポルトガルから流れ着いた。マイケル・ムーアは、心底、羨ましいようだ。

 ノルウェー。刑務所は一軒家である。隔離されてはいるが、自由に生活している。殺人で服役していても、包丁を使って、料理は自由に出来る。死刑制度はない。最高の服役でも21年。そのせいか、再犯率は世界でもっとも低い。またまた、マイケル・ムーアは、信じられない表情だ。

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