今週末見るべき映画「神様メール」

2016年 5月 26日 08:00 Category : Art

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 神様は、いつもどこかにいて、そのお作りになったもので、無用のものはない。映画「八日目」で、すてきなメッセージを伝えてくれたジャコ・ヴァン・ドルマル監督の待望の新作が、「神様メール」(アスミック・エース配給)だ。ごひいきの女優、ヨランド・モローとカトリーヌ・ドヌーヴが出ている。もうこれだけの情報で、見たい映画となる。フランス、ベルギー、ルクセンブルグの合作である。


 原題を直訳すると、「新・新約聖書」。まさに現代に書かれるべき新約聖書を題材にしたからこそのタイトルだ。神様は、まず、ブリュッセルの街を作り、ニワトリやキリン、トラ、ダチョウなどの動物を作り、ヒトを作る。ヒトは、アダムとイヴだ。アダムとイヴは、たくさんの子孫を残す。結果、地球に人類の争いが絶えなくなる。


 神様はいま、ブリュッセルのアパートに住んでいて、旧型のパソコンを操作している。神様は偏屈で、気むずかしい中年男だ。人間の不幸をあざ笑うかのように、人間の余命を操って、遊んでいる。そこに、10歳になる神様の娘エアが、神様が寝ている隙にパソコンをいじって、人間たちに、それぞれの余命を知らせてしまう。


 キリスト教や教会、旧約聖書、新約聖書を、徹底的にからかったパロディで、いささかドタバタふうのコメディだ。が、しかし、伝えるテーマは、深く、重い。余命を知った人間は、残された人生をどう生きるかが、それぞれに問われている。余命を知ることで、なんと、人間同士の争いが途絶え、人間は、精一杯、生きようとする。まるで、現代の奇跡。そして、映画のなかでの奇跡は、キリストが復活したように、ちゃんと、起こる。

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