今週末見るべき映画「鏡は嘘をつかない」

2016年 6月 3日 08:00 Category : Art

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 2011年、東京国際映画祭の「アジアの風」部門で上映された「鏡は嘘をつかない」(パイオニア映画シネマデスク配給)が、やっと公開の運びとなった。このところ、東京国際映画祭のコンペティション作品の水準は、決して高くはないが、各部門には、まさに掘り出し物といえる作品がある。これもまた、そんな一本。


 美しい多くの珊瑚があり、いろんな種類の魚がいる。インドネシアの澄んだ青い海である。かつての名はセレベス島、いまはセラウェシ島というが、このセラウェシ島の南東に、ワカトビと呼ばれる海域がある。ワカトビとは、ワンギワンギ、カレドゥパ、トミア、ビノングコという4つの島の頭文字である。ここは、赤道直下、ほぼ全域が海洋の国立公園だ。もう退職されたが、知り合いのダイビング好きの女性が、このワカトビでダイビングをしたときの話を聞いたことがある。島や島を取り巻く絶景もさることながら、海に潜ると、いろんな種類の珊瑚があり、大小、いろんな魚たちが群れをなしている。それはもう、息をのむ美しさ、だったそうだ。


 映画は、タイトル通り、鏡が重要な役割を果たす。海の浅瀬に、高床式の家がある。かつては、あちこちの海を、島から島に渡り住み、いわばジプシーのように生活していたバジョ族は、いまは定住しつつある。バジョ族にとって、鏡は、真実を映す神聖なものとされ、人やものを探すときに用いている。10歳の少女パキスは、漁に出たまま、戻ってこない父の無事を願い、いつか、鏡に父が現れるよう、祈っている。母親のタユンもまた、夫の死をいまだ信じられず、顔を白く塗り、自らの不安を隠している。そこに、イルカの研究をするため、ジャカルタから、トゥドという青年が、村にやってくる。パキスが、毎日、鏡に祈っても、父は戻ってこない。

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