今週末見るべき映画「マネーモンスター」

2016年 6月 9日 08:00 Category : Art

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 小さな金融機関に勤めていた父親は、生前、「しろうとが株に手を出すものではない」と言っていた。そりゃそうだろう。年金を運用するプロたちが、株での運用比率を増やして、さっそく大損。半端な額ではない。「株価は、上がったり下がったりするのは当然だから、長期で考えてほしい」との言い訳が聞こえてくる。バブルのころは、一時、4万円近くだった株価(日経平均)は、いまや、この遙か半分以下。こんな馬鹿げたことをされると、いま年金を受けている、あるいは、いま年金を払っている身にとっては、なんともやりきれない気分になる。少ない利回りでもいい、もっと堅実に、みんなの収めた年金を増やす手段があるはずである。まるで、手数料稼ぎの証券会社に奉仕しているようで、どうも、日本年金機構や、その周辺が信用できない。

 お金を扱い、株式投資でお金を増やそうとするプロたちですら、こうである。まして、しろうとが、「株価が上がる」という情報から、投資し、結果、大損をする。よくある話である。


 映画「マネーモンスター」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給)を見て、ますます、「しろうとが株に手を出すものではない」との思いを強くした。アメリカの大手テレビ局で高い視聴率をとる「マネーモンスター」という人気番組がある。視聴者の、いわば財テクを、おもしろおかしくショーアップして、指南する。

 株の買い時、推奨、と放映した会社の株を買った男がいる。突然、その会社の株が下落する。怒り狂った男は、生放送のスタジオに、銃を持って乱入、司会のキャスターを人質にして、爆弾の起爆装置を巻き付ける。爆破スイッチは、乱入男の手中にある。テレビは、男の指示通り、放送を続ける。男の損失は6万ドルだが、要求は、この株全体の損失の8億ドル。さあ、どうなるのか。

 かつて、シドニー・ルメット監督は、「狼たちの午後」、「ネットワーク」という映画を撮った。テーマこそ違え、テレビというメディアについての状況設定は、似通っている。先行するこの2作品を、見直すのも一興だろう。

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