今週末見るべき映画「ラスト・タンゴ」

2016年 7月 8日 08:00 Category : Art

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 アルゼンチン・タンゴの、演奏、歌もさることながら、踊りもまた、大好きである。タンゴの踊りが、いかに素晴らしいかは、いろんな映像を見るとよく分かる。男と女が寄り添い、抱き合い、絡みつくように、踊る。セクシーそのもの、である。


 映画「ラスト・タンゴ」(アルバトロス・フィルム配給)は、タンゴの踊りの名手、1931年生まれのフアン・カルロス・コペスと、1934年生まれのマリア・ニエベスが、それぞれの人生を振り返ったドキュメンタリーだ。

 公開日は、偶然なのか意図的かは分からないが、この7月9日である。7月9日は、スペイン語で「ヌエベ・デ・フリオ」、アルゼンチンの独立記念日である。独立記念日の7月9日を、そのままタイトルにした、器楽演奏だけの古典タンゴの傑作があるくらい。また、ブエノスアイレスの通りにも、7月9日通りがあって、コリエンテス通りと交わる共和国広場にそびえるオベリスクは、映画のなかに出てくる。


 フアン・カルロス・コペスと、マリア・ニエベスは健在である。フアンは83歳、マリアは80歳。フアンは、老いたとはいえ、なかなかの伊達男で、精悍な表情である。やや後退してはいるが、オールバックの髪の毛が艶やか。マリアは、赤く染めた毛で、表情やその語り口からは、勝ち気な性格を思わせる。

 ふたりは、「アトランタ」というタンゴを踊る店で出会う。フアンは17歳、マリアは14歳だった。フアンはマリアを誘い、踊り始める。マリアの家は極貧だった。ゴミのなかから骨を拾い、スープにしたという。幼いマリアは、あきビンを人形に見立てる。ラジオから流れるタンゴやミロンガが、マリアを魅了する。

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