今週末見るべき映画「フランコフォニア ルーヴルの記憶」

2016年 10月 28日 08:00 Category : Art

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 ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督が、フランス、ドイツ、オランダの資本で、ルーヴル美術館のドキュメンタリーを撮る。もう、この情報だけで、見たいと思う。「エルミタージュ幻想」を撮った人である。当然だろう。「フランコフォニア ルーヴルの記憶」(キノフィルムズ配給)は、この期待に応える、いや、期待以上のすばらしい映画である。


 正確には、ドキュメンタリー映画ではないかもしれない。1940年、ドイツによって占拠されたパリ。ルーヴル美術館をめぐっての史実を再現したドラマが挿入される。

 当時のルーヴル美術館の館長ジャック・ジョジャール(ルイ=ド・ドゥ・ランクザン)は、館内にあるぼう大な美術品を、ナチス・ドイツの手から守るべく、パリ郊外に運び出すよう画策している。フランスとドイツの停戦協定が結ばれたなか、ナチス・ドイツのパリ占拠の将校で、伯爵でもあるヴォルフ・メッテルニヒ(ベンヤミン・ウッツェラート)が、美術品の管理をめぐって、ジョジャールを訪ねてくる。

 ともに、美術品に愛着があり、芸術を愛してやまない人物だが、敵同士であり、胸襟をひらいてまでの会話は成立しない。「ドイツ語は話せるか」と聞くメッテルニヒに、「根っからのフランス人だから」と切りかえすジョジャール。


 ヒトラーがパリに入る。ルーヴル美術館を探し当て、その美しさに驚嘆する。ルーヴル美術館では、ナポレオン一世が登場し、ダヴィッドの傑作「ナポレオン一世の戴冠式」を前に、「これが私だ」と言い、自らが集めてきた多くの美術品を自画自賛する。

 ソクーロフ監督のことである。たくさんのルーヴル美術館所蔵の絵や彫刻を映し出すが、ただ単に、ルーヴル美術館にある美術品を語るようなことはいっさい、しない。あくまでも、優れた美術品を愛してやまない、ひとりの人間からのまなざしで、主観的に映画を描ききる。

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