「第18回東京フィルメックス(2017)」が開幕、今年の見どころは?

2017年 11月 2日 08:00 Category : Art

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 今年もまた、11月18日(土)から26日(日)までの9日間、第18回東京フィルメックスが開催される。会場は、有楽町朝日ホールと、TOHOシネマズ日劇。

 東京フィルメックスは、小規模の映画祭だが、個性的で、作家性あふれる作品が多く、楽しみにしている映画祭だ。映画祭のディレクターズ・メッセージがいい。「今と向き合う、特別な力を持つ映画」。「映画の力、恐るべし。固定観念が取り払われ、世界が違って見えてくるはず」。映画というのは、こうでなくては、と思う。

 上映作品のラインナップ発表を見て、今年もまた、見てみたい作品がズラリ。以下、駆け足だが、ざっと上映作品を紹介しよう。

公式サイト


 オープニング作品は、特別招待作品全8作品のなかから、シルヴィア・チャンが監督、主演の新作「相愛相親」(中国、台湾・2017年)だ。亡くなった母親を、田舎にある父の墓に入れようとする娘が、父の最初の妻から抵抗を受ける。細部から、戦後中国の歴史が垣間見える、スケールの大きい作品。リー・ピンビンの撮影、俳優でもある監督が主演しているのも見どころ。


 クロージング作品は、同じ特別招待作品のなかから、昨年7月に亡くなった、イランのアッバス・キアロスタミ監督の「24フレーム」(イラン、フランス・2016年)。写真は一瞬を捉える。では、その一瞬の前後は、どうなっているのか。写真の一瞬一瞬が24フレームになると、映画になる。最新作を中国で撮る企画が進行していたアッバス・キアロスタミの、ほぼ遺作とも言える、実験的で、野心的な作品。

 東京フィルメックスの核ともいえる「コンペティション」部門は、アジアの新進作家たちが、2016年、2017年にかけて撮った9作品が、最優秀作品賞、審査員特別賞を競う。中国作品が目立つが、ドラマ、ドキュメンタリーともども、独創的、挑戦的で、アジアの今を象徴する作品ばかり。

●「馬を放つ」(キルギス、フランス、ドイツ、オランダ、日本・2017年) キルギスの草原。村人から、ケンタウロスと呼ばれている男が、夜な夜な、馬を盗んでは、野に放つ。

監督・主演は、キルギスを代表する映画作家のアクタン・アリム・クバト。寡黙な男の、時代の流れにあらがう姿勢が胸をうつ。

●「見えるもの、見えざるもの」(インドネシア、オランダ、オーストラリア、カタール・2017年) 10歳の少女タントリは、脳障害で寝たきりの双子を看病している。真夜中、タントリの心に去来することとは。インドネシアの映画監督ガリン・ヌグロホの娘、カミラ・アンディニ監督が、バリ島に伝わる伝説を基に、美しく、幻想的に描く。

●「殺人者マルリナ」(インドネシア、フランス、マレーシア、タイ・2017年) インドネシアの僻地の村。マルリナは、村を襲う強盗たちを殺害し、自らの正当性を証明しようと、遠く離れた町の警察に向かう。設定は西部劇ふうだが、ある種、女性賛歌でもある。ガリン・ヌグロホの原案を、モーリー・スリヤが監督する。

●「暗きは夜」(フィリピン・2017年) 麻薬撲滅運動が、殺人事件となるフィリピン。麻薬取引に関わっている主婦のサラは、まともな職に就こうとするが、麻薬中毒の息子が失踪してしまう。アドルフォ・アリックスJr監督の社会派作品。

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