ジャズ名盤講座第2回「ブルーノート~4000番台編」ビギナー向け15選!マスター向け23選!

2018年 9月 14日 00:00 Category : Art

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All About Blue Note~4000番台の特徴と聴きどころ(ビギナー向け講座)



前号のおさらい

ブルーノートは、クラシック・ジャズの専門レーベルとして1939年スタートした。1940年代に入ると、ジャズはモダン・ジャズの時代を迎える。その路線に、ブルーノートは他のレーベルより一歩遅れて参入した。しかし、あとは快進撃の連続である。無名だったセロニアス・モンクに最初からリーダー吹き込みを行なわせたこともレーベルの大きな実績となった。ブルーノートには、モンクと同じようにやがてジャズの世界でスターになるアーティストの初リーダー録音が極めて多い。それらのいくつもがやがて名盤の評価を獲得し、多くのアーティストがジャズの世界を代表する存在になっていく。1500番台はそれらのエッセンスといっていい。のちにジャズの世界で人気を獲得したりリーダーシップを発揮したりするミュージシャンを中心に、カタログ・ナンバー1501番から1599番までの98枚(1553番は欠番)はモダン・ジャズの初期~ハード・バップをカヴァーしている。


1.ビギナー向け講座

 ジャズ・ファンは「ブルーノートの4000番台」とか「1500番台」といった言葉をしばしば口にする。これだって、ビギナーには何のことだかさっぱりわからない。そこで簡単にそのことを説明しておこう。

 この番号はブルーノートのオリジナル・アナログ盤につけられていたレコード番号のことである。1500番台とか4000番台といえば、マニアならそれだけで大体どんな内容かがわかってしまう。まさに符牒のような意味合いを持つ便利なものだ。

 ブルーノートのカタログを調べてみると、1600番の次は4001番になっていることがわかる。なぜ1601番にならなかったのか? 理由については「マスター向け講座」で紹介するので、そちらを参照してほしい。そういうわけで4000番台は1501番から継続しているものなので、まったく違う傾向のジャズを取り上げたような差異はない。しかし振り返ってみれば、1500番台と4000番台の変わり目というのは、ちょうどジャズの移行期にもあたっており、総体的に比べれば随分音楽の傾向に差が出てくる。

 記念すべき4000番台最初のアルバム(BLP-4001)はソニー・ロリンズの『ニュークス・タイム』である。録音は1957年9月28日。ブルーノートはほぼ吹き込み順にアルバムを発売していたが、いくつかは前後することもあった。この作品や4002番の『ジミー・スミス/ハウス・パーティ』は1957年の録音だが、そのあとは1958年後半からの吹き込みが続く。

 この時代はジャズが徐々に新しいものへと向かい始めていた。他社の作品だが、これより約半年後にマイルス・デイヴィスがモード・ジャズの傑作『カインド・オブ・ブルー』(ソニー)を吹き込んでいることからもそれは明白だ。

 1500番台は、当初SPや10インチLPの12インチ化から始まった。したがって1500番台には、それら旧録音(ビバップ)と新録音(ハード・バップ)によるアルバムが混在し、また新録音に関しては1955年から58年までの3年間をカヴァーしている。この時代はジャズの黄金期で、ハード・バップが全盛を迎えていた。そして時代は流れ、マイルス一派を中心にモード・ジャズの波がジャズ・シーンを新たな方向へと向かわせる。

 4000番台がスタートした時期は、その新しい動きが顕在化し始めたころだった。そしてジャズは4000番台の進行と共に、ファンキー・ジャズやフリー・ジャズや新主流派ジャズ(モード・ジャズの発展形)へと広がっていく。その端緒を飾る作品の数々をカタログに並べているのが4000番台である。

 ここまで書けば、4000番台の魅力には敢えて触れる必要がないかもしれない。ブルーノートはもっともジャズの動きに敏感に反応したレーベルだ。いい換えれば、ブルーノートがジャズの動きを左右していたことにもなる。ミュージシャンとレーベルが理想的な形で新しい音楽をクリエイトしていった──それがブルーノートのもっとも重要な存在意義ではないだろうか。

 したがって1950年代後半から60年代のジャズを語る上で、ブルーノートの作品(とくに4000番台)はあらゆる局面に欠かすことができないものとなっている。ことに1960年代のジャズは多彩な広がりを示した。それらの主要な作品はほとんどすべてがブルーノートに残されている。中でも4000番台における最初の99枚は、ジャズ史を語る上で欠かせないものが目白押しだ。ジャズも充実していた。ミュージシャンも充実していた。そして、それらをつぶさに記録したブルーノートも充実していたのである。


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