ジャズ名盤講座第3回「ブルーノートPart3(4100~4423番)」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 9月 21日 00:00 Category : Art

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4100番台以降の魅力を味わう名盤38選




ビギナー向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『アイク・ケベック/春の如く』(4105)C

★ケベックのソウルフルなプレイが印象的
 スイング時代に活躍したケベックは、一時引退して1950年代末からブルーノートに再び関わるようになった。しかし彼の実績は、ミュージシャンよりビバップ時代にモンクやパウエルをはじめ多くの優れた人材をレーベルに紹介したことで評価される。そのスイング派のサックス・プレイヤーが、ファンキー派としてカムバックを果たし、ここではソウルフルなプレイを存分に聴かせてくれる。見事な歌心もウォームな響きで好ましい。

2.『ハービー・ハンコック/テイキン・オフ』(4109)B

★ジャズ・ロック初期の傑作をフィーチャー
 初リーダー作のために、ハービーはスタンダード3曲、オリジナル2曲、ブルース1曲という構成を勝手に考えていた。オリジナルはどうしようか。散々悩んだあげく、子供のころに親しんだ音楽がいいとの結論になった。ドゥ・ワップやR&Bをベースに、シカゴの黒人街でよく耳にしたスイカ売りの掛け声を思い出し、8ビートのメロディを書き上げる。その「ウォーターメロン・マン」をフィーチャーした大ヒット・アルバムがこれ。

3.『デクスター・ゴードン/ゴー!』(4112)B

★ゴードンの泰然自若としたソロが堪能できる
 ゴードンがソニー・クラークのトリオと共演したワン・ホーン・アルバム。朗々と響くゴードン節に対して、クラークがブルージーなプレイで絶妙なサポートを示す。日ごろはそれほどソウルフルなフィーリングを前面に出さないゴードンだが、ここではクラークに触発されてブルージーなフレーズを連発させる。とりわけ名演に数えられる「チーズ・ケーキ」のプレイは豪快でブルージー。この快演1曲を聴くだけでもこの作品は買いだ。

4.『ジミー・スミス/バック・アット・ザ・チキン・シャック』(4117)E

★渋いプレイに味わい深いものがある
 『ミッドナイト・スペシャル』(4078)と同じ日のセッションを収録しているが、こちらのほうが派手さは控えめになっている。スミスの魅力はダイナミックなプレイにあるが、繊細なタッチにも独特の味わいが感じられる。ひたすらブルージーなプレイを追求してみせるこの作品を聴けば、そのことがわかるに違いない。共演者のケニー・バレル、スタンリー・タレンタイン、ドナルド・ベイリーもその点で彼と素晴らしい相性のよさを示す。

5.『ケニー・バレル/ミッドナイト・ブルー』(4123)C

★極上のブルースをバレルが存分に披露する
 ライオンのブルース好きは有名だ。彼は、ブルースがきちんと演奏できないミュージシャンは認めなかった。そこでレコーディングをするにあたっては、多くの場合、1曲はブルースもしくはそれに順じた曲を演奏するようにとリクエストしたのである。それが高じて制作されたのが、ブルースをテーマにしたこの作品。ブルージーなプレイを持ち味にしたバレルは、それゆえ水を得た魚のように溌剌とした演奏でこの作品を盛り上げる。

6.『ケニー・ドーハム/ウナ・マス』(4127)D

★ドーハムが充実のメンバーとレコーディング
 マイルス・デイヴィスのクインテットに参加する直前のハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスの参加が興味深い。そこに売り出し中だったジョー・ヘンダーソンも加えて、ドーハムがいつになく熱く燃える。ウィリアムスの激烈なドラミングが彼に火をつけたのか。日ごろはマイルスの影に隠れがちだった印象の強いドーハムだが、実力はマイルス以上にあった。そのことがこのアルバムで明確にわかるのも面白い。

7.『ジョー・ヘンダーソン/ページ・ワン』(4140)C

★ヒット曲の「ブルー・ボッサ」を収録
 新主流派の精鋭としてブルーノートで華々しく売り出されたヘンダーソンだが、皮肉なことにこの初リーダー作からはジャズ・ロックの「ブルー・ボッサ」がヒットしてしまった。そのため、当初の彼と新主流派のイメージがなかなか結びつかない。それもヘンダーソンの評価を遅らせる要因になったが、実力派の彼はその後に着実な成果をブルーノートに残し、この時代を代表するテナー奏者に育っていく。その端緒を飾ったのがこの作品。

8.『デクスター・ゴードン/アワ・マン・イン・パリ』(4146)A

★パリで久々の名演が誕生した
 1950年代の多くを麻薬療養に費やしたゴードンは、広く活動の場を求めて1962年にフランスへ渡る。その成果を早々に示したのが翌年にパリで録音されたこの作品。先にフランスに移住していたバド・パウエルをピアニストに迎えてのカルテット録音は、ゴードンにとってもパウエルにとっても寛いだ雰囲気で演奏ができたことから、いつにない名演を生み出すことに繋がった。豪快なゴードンのブローがそのことを如実に物語っている。

9.『リー・モーガン/ザ・サイドワインダー』(4157)B

★タイトル曲がヒット・パレードを賑わせた
 しばしの沈黙を経てモーガンがブルーノートに復帰した。そのカムバックを飾ったこの作品からは、ジャズ・ロック初期の名作として知られるタイトル・トラックがヒット・チャートを賑わす成功を収めた。ハービー・ハンコックが先に録音した「ウォーターメロン・マン」との2大ヒットによって、ブルーノートはジャズ・ロック路線のイニシアティヴを握る。以後のモーガンは、ほとんどの作品でジャズ・ロックを1曲は発表していく。

10.『フレディ・ハバード/ブレイキング・ポイント!』(4172)E

★若武者ハバードが充実したプレイを展開
 1960年代のハバードは、モード・ジャズをベースにフリーの要素も加味したスタイルでトップ・トランペッターの地位を確立する。そのスタイルを最良の形で発揮したのがこの作品。当時のレギュラー・クインテットによる演奏は、彼の斬新なテイストが程よく発揮されて、素晴らしい聴きものとなった。何といってもタイトル曲の熱気に溢れたプレイが有名だが、「Dマイナー・ミント」の味わい深い表現もこの作品の大きな収穫である。

11.『ウエイン・ショーター/ナイト・ドリーマー』(4173)B

★精鋭たちによる斬新なモダン・ジャズ
 ショーターがジャズ・メッセンジャーズ時代に吹き込んだ作品だが、ここでは数ヵ月後に参加するマイルス・デイヴィス・クインテットの音楽に通ずるものが認められる。新主流派的なアプローチのことだが、リー・モーガンと組んだフロントに加えて、マッコイ・タイナー~レジー・ワークマン~エルヴィン・ジョーンズからなるジョン・コルトレーン・カルテットの新旧メンバーによるリズム・セクションの貢献も無視できない。

12.『ホレス・シルヴァー/ソング・フォー・マイ・ファーザー』(4185)A

★シルヴァー家のファミリー・アルバム
 父親に捧げたこの作品は、シルヴァー家のファミリー・アルバムだ。「1曲目が父親で、最後の「ロンリー・ウーマン」が母親を描いた曲だしね。アルバムには「ザ・ネイバース・アー・レストレス・トゥナイト」という曲も収められている。これは子供のころの話だけれど、となりに住んでいた一家がパーティ好きで、週末になるとよく明け方近くまで騒いでいた。わたしたちもよく呼ばれたよ。その情景をしたためた曲なんだ」(シルヴァー)

13.『ハービー・ハンコック/処女航海』(4195)A

★ハンコックが到達した新主流派の最高峰
 マイルス・デイヴィスやギル・エヴァンスが実践したモード・ジャズは、1960年代に入ってモダンな感覚を伴う演奏へと発展する。マイルス・クインテットの面々が中心となってそのコンセプトは確立され、彼らはやがて“新主流派”と呼ばれるようになった。中でも斬新な音楽性を打ち出していたのがマイルスとハンコックである。そのハンコックが、マイルス・クインテットのメンバーと吹き込んだ“新主流派の金字塔”と呼ばれる作品。

14.『グラント・グリーン/抱きしめたい』(4202)D

★個性派ギタリストによるソウルフルな1枚
 グリーンは自分をジャズ・ギタリストと考えていなかった。もともとブルース出身である。その後にR&B畑で活躍し、何となくブルーノートでレコーディングをするようになって、ジャズ・ギタリストのレッテルが貼られるようになった。いわゆるジャズ・ギターのスタイルからはみ出しているのは、これらのことが理由だ。そんなグリーンがビートルズのヒット曲をはじめ、ポップでソウルフルなギター・ワークを遺憾なく発揮してもせる。

15.『ハンク・モブレー/ディッピン』(4209)C

★モブレー最大のヒットを収録
 ファンキー・テナーの至宝ハンク・モブレーが残した永遠のベストセラー。「リカード・ボサノヴァ」の軽快でブルージーなブローに彼の魅力は集約される。哀愁漂う表現はこの時代のモブレーがトレードマークにしていたもの。それだけにマイナー調の「リカード・ボサノヴァ」は彼にうってつけの選曲だった。共演のリー・モーガンもこの手の演奏は得意中の得意としていたことから、こちらもジャズ・ファン好みの魅力をおおいに放つ。

16.『アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ/ライク・サムワン・イン・ラヴ』(4245)D

★ジャズ・メッセンジャーズの充実期が聴ける
 ジャズ・メッセンジャーズが残した名盤のひとつ『チュニジアの夜』(4049)と同日のセッションおよびそれから1週間後の吹き込みを収録したアルバム。6年間お蔵入りしていたが、それは内容に問題があったからではない。充実した作品を連発していたための先送りだった。ウエイン・ショーターとリー・モーガンのコンビが絶頂期を迎えていたこともあって、ここではタイトル曲をはじめ、ご機嫌な演奏が最初から最後まで連続する。

17.『ルー・ドナルドソン/アリゲイター・ブーガルー』(4263)C

★「アリゲイター・ブーガルー」が大ヒット
 チャーリー・パーカーに通じるプレイで評判を獲得したたルー・ドナルドソンだが、1960年代に入ってからは俄然ブルース・フィーリングを強調した演奏やジャズ・ロックなどに真価を発揮し始める。タイトル曲はその彼が放った最大のヒット曲で、日本でもグループ・サウンズがカヴァーするなど大きな評判を呼んだ。シンプルなメロディと明快なアドリブ・フレーズ。ドナルドソンの持ち味と魅力が目一杯に詰め込まれている。

18.『ジーン・ハリス&ザ・スリー・サウンズ/エレガント・ソウル』(4301)E

★人気コンボが極上のソウル・ジャズを聴かせる
 スリー・サウンズがストリングスやその他の楽器を加えて吹き込んだゴージャスなオーケストラ作品。リーダーのジーン・ハリスがゴスペル・ライクなフィーリングを駆使して聴かせるソウル・ジャズが心地いい。この時期のブルーノート作品にはこの手のコマーシャルなアルバムが少なくない。それらは発表当時ほとんどが無視されていた。しかし、この作品はいまやDJたちのマスト・アイテムである。そこに時代の移り変わりを感じる。

19.『マリーナ・ショウ/マリーナ』(4422)E

★マリーナのキャリアを代表する1枚
 ブルーノートに移籍したマリーナの1作目。ジャズ・シンガーとしての実力に加えて、ソウルフルな歌いっぷりには天下一品のものがあった。そこに目をつけて、ここではソウル・ジャズ的なサウンドが彼女のヴォーカルを引き立たせる。ウェイド・マーカスがアレンジしたビッグ・バンドとストリングスの響きは、都会的なサウンドの中にも程よい泥臭さを感じさせる。それがマリーナのポップな歌唱とぴったりの相性を生み出す。



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