ジャズ名盤講座第3回「ブルーノートPart3(4100~4423番)」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 9月 21日 00:00 Category : Art

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4100番台以降の魅力を味わう名盤38選



2.マスター向け23選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E


1.『ジャッキー・マクリーン/レット・フリーダム・リング』(4106)B

★大胆なプレイで新時代を切り開く
 パーカー派から出発したマクリーンだが、1960年代に入ってからはフリー・ジャズに触発されて大胆な演奏も自身のスタイルに取り入れるようになった。その新生マクリーンの姿を捉えたのがこの作品。パーカーの面影を感じさせつつ、ワン・ホーンで奔放なプレイを繰り広げる彼はまさに時代の寵児だった。過激な演奏はジャズの最先端に位置するもので、この変身に多くのファンは驚かされたものの、大半は好意的に受け止めていた。

2.『ホレス・シルヴァー/ザ・トーキョー・ブルース』(4110)B

★初来日の印象をシルヴァー節で綴る
 クインテットを率いて、シルヴァーは1962年1月に初来日を果たす。これは前年のジャズ・メッセンジャーズに続く、ブルーノートを代表するスター・コンボの来日でもあった。大歓迎を受けたのはジャズ・メッセンジャーズと同様だ。その印象と感謝の気持ちを込めたのがこの作品である。そのことを物語っているのが、日本にちなんだ曲名ですべてが固められていることだ。ファンキー・タッチのプレイとアンサンブルが冴えわたる。

3.『ジャッキー・マクリーン/ワン・ステップ・ビヨンド』(4137)A

★マクリーンが新時代を築く
 マクリーンが新たな一歩を大きく踏み出した。先鋭的なプレイを繰り広げていたグラシャン・モンカー3世、ボビー・ハッチャーソン、エディ・カーン、そしてトニー・ウィリアムスを迎えたレギュラー・クインテットによる演奏は、ここに来て彼がチャーリー・パーカー派のアルト・サックス奏者から完全に脱却したことを示している。マイルス・デイヴィスに通ずる新主流派的なスタイルにフリー・ジャズの要素も取り入れた演奏が新鮮。

4.『アンドリュー・ヒル/ブラック・ファイアー』(4151)E

★特異なピアニストによるデビュー作
 特異なスタイルを持ったピアニスト、ヒルのブルーノートにおける初リーダー作。ここには新主流派的なサウンドを中心に、ハード・バップやフリー・ジャズの手法も加味した幅広い音楽性が投入されている。ヒルの音楽は難解と敬遠されがちだが、この作品は後期のものに比べれば驚くほどストレート・アヘッドな内容で聴きやすい。シンコペーションとメロディを一致させたり対比させたりしながら、ヒルが独特のタッチを聴かせてくれる。

5.『グラシャン・モンカー三世/エヴォリューション』(4153)D

★新世代のトロンボーン奏者による野心作
 新世代のトロンボーン奏者として脚光を浴びていた時期にモンカーが残した初リーダー作。ブルーノートを代表する精鋭に囲まれて、伝統とフリー・スタイルの狭間を行くパフォーマンスが当時は驚くほど新鮮だった。彼も参加していたマクリーン・グループのメンバーが中心になっているだけあって、チーム・ワークにも申し分がない。モンカーともども瑞々しいプレイで周囲を圧倒してみせるマクリーンの斬新なプレイも大きな聴きもの。

6.『エリック・ドルフィー/アウト・トゥ・ランチ!』(4163)A

★ドルフィー以上にトニーが素晴らしい
 トニー・ウィリアムスのフリー・スタイルに触れたければ、この作品は絶対に落とせない。ドルフィーとハバードのコンビがエモーションの限りに吹きまくるバックで、彼は意外なほど淡々としたドラミングを聴かせている。けれどそれでもなお並のドラマーとは比べものにならないほどダイナミックなプレイを示しているところに、ウィリアムスの迸る才気が認められる。録音されてから40年以上が経過した現在でも十分に衝撃的だ。

7.『トニー・ウィリアムス/スプリング』(4216)A

★強力メンバーを得てウィリアムスが真価を発揮
 ウィリアムスの2作目。ウエイン・ショーターにサム・リヴァースの強力な2テナーをフロントに据え、ハービー・ハンコック~ゲイリー・ピーコック~ウィリアムスのリズム・セクションが色彩感豊かなリズムを現出させる。この時代、ウィリアムス、ショーター、ハンコックはマイルスのクインテットで新主流派的な演奏を行なっていた。それを踏まえた上で、静寂な響きの中に突如として現れるウィリアムスの激烈な表現が極めて新鮮だ。

8.『ラリー・ヤング/ユニティ』(4221)E

★斬新なオルガン・ジャズが聴ける
 “オルガンのコルトレーン”と呼ばれたヤングは、ファンキーなオルガン奏者とはタイプが違う。ここでも新時代の精鋭と組んで見事な新主流派ジャズを聴かせてくれる。彼のプレイはどちらかといえばキーボード的だ。そこにこの楽器の新しいアプローチが認められる。とりわけ「ムーン・トレイン」は参加メンバーのひとりウディ・ショウのオリジナルながら、彼の作品に収録された演奏以上に過激な内容であるところがヤングらしい。

9.『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマンVol.1』(4224)A

★カムバック直後のライヴを収録
 コールマンがシーンに復帰したのは1965年のことで、この作品はその年の締め括りとしてスウェーデンのジャズ・クラブで実況録音された。それにしても疾走感に溢れた彼のプレイが凄い。「ヨーロピアン・エコーズ」では、コールマンなりの叙情味に溢れた演奏が印象的に響く。これなど独特の表現ながら、名作曲家ぶりも伝える1曲だ。同じときに録音された『Vol.2』と合わせて、トリオが一体となった強力な演奏が印象に残る。

10.『ボビー・ハッチャーソン/ハプニングス』(4231)B

★ヴァイブの世界に新風を吹き込んだ
 長らくミルト・ジャクソンのひとり舞台だったモダン・ヴァイブ・シーンに新風を吹き込んだのがハッチャーソンだ。モード・ジャズを主体にした新主流派スタイルでジャズ・シーンに切り込んできた彼が、この作品で思う存分斬新なプレイを試みる。魅力的なプレイで応じるハービー・ハンコックの存在も見逃せないし、彼の代表的なオリジナルの「処女航海」が取り上げられていることでもこのアルバムは大きな話題を呼んだ。

11.『セシル・テイラー/ユニット・ストラクチャーズ』(4237)B

★構造美と呼ぶにはあまりに大胆な演奏
 テイラーがイディオムにおいてクラシックや現代音楽よりジャズのほうが自由な解釈も可能であることを証明した問題作。それにしても、“フリー・ジャズの闘士”と呼ばれた彼の作品まで作ってしまったところにブルーノートの素晴らしさがある。時代の先端にあったジャズをこのレーベルは常に最良の形で記録していた。7重奏団を結成させて奔放な演奏をテイラーから引き出してみせたライオンの手腕と慧眼にも目を見張らされる。

12.『ドン・チェリー/即興演奏家のためのシンフォニー』(4247)E

★フリー・ジャズの真髄をチェリーが体現した
 セシル・テイラーの2作と共にブルーノートにおけるフリー・ジャズ路線の頂点に位置する1枚。デラシネのようにルーツを不明瞭なものにしつつあったチェリーが、その拡散されたサウンドをこの作品で新たな形に纏めてみせた。1曲の中にさまざまなセグメントを持つ組曲でアルバムは構成されている。多彩な音楽性を投影させつつ、本質はアフロ・アメリカンながら、インターナショナルな表現法に基づいた即興演奏の極地が追求される。

13.『ジャッキー・マクリーン/ニュー&オールド・ゴスペル』(4263)E

★マクリーンがもっとも過激な演奏を展開
 フリー・ジャズにまで視野を広げていたマクリーンが念願のオーネット・コールマンとの共演を果たした。当時の彼はコールマンからの影響を受けてアヴァンギャルドなプレイを試みていた。それだけに、このレコーディングでは触発されるものも多かったようだ。マクリーンの作品系列上もっとも過激な演奏が聴ける。ただし、コールマンは主要楽器のアルト・サックスを封印して、トランペットに専念している。これも実に興味深い。

14.『マッコイ・タイナー/ザ・リアル・マッコイ』(4264)D

★この作品でマッコイは自己を確立した
 マッコイ・タイナーが精鋭時代に吹き込んだ作品の中で最高傑作と思われる1枚。心の師でもあるジョン・コルトレーンの音楽性を踏襲したこの作品は、当時の彼にとって最良のメンバーと吹き込んだもの。冒頭からマッコイならではの強力なタッチが全開で襲いかかる。コルトレーンに匹敵するほど強力なテナー奏者として売り出していたジョー・ヘンダーソンもこの勢いには圧倒されているようだ。マッコイの充実が見事に発揮された作品。

15.『ハービー・ハンコック/スピーク・ライク・ア・チャイルド』(4279)B

★ユニークな編成で新生面を打ち出した
 『処女航海』でコンセプト・アルバムの手法を成功させたハンコックが、さらなるチャレンジをした。今回は子供にまつわる情景がテーマである。音楽はピアノ・トリオに3ホーンが色彩を加えるというもの。当時のハンコックは、作・編曲にも強い関心を寄せていた。ブラス・アンサンブが醸し出す色彩感豊かなアンサンブルをバックに、彼が即興演奏の限りを尽くす。その実験的な面も含めて、この作品はさまざまな意味で画期的だった。

16.『エルヴィン・ジョーンズ/プッティン・イット・トゥゲザー』(4282)D

★エルヴィンがブルーノートに残したベスト作
 エルヴィンがブルーノートに移籍して吹き込んだ1作目。コルトレーン派のサックス奏者として脚光を浴び始めていたジョー・ファレルと、コルトレーン・カルテットでエルヴィンとリズム・セクションを担ったベーシストのジミー・ギャリソンによるピアノレス・トリオが過激で奔放なプレイを繰り広げる。ピアニストがいない分、エルヴィンがいつも以上に手数を増やして強力無類なドラミングを積み重ねていくところが聴きもの。

17.『ウエイン・ショーター/スーパー・ノヴァ』(4332)B

★ショーターがエレクトリック・サウンドに挑む
 マイルス・デイヴィスがフュージョンの決定的名盤『ビッチェズ・ブリュー』(ソニー)を吹き込んだ約10日後に、そのアルバムでも重要な役割を果たしたメンバーが中心になって吹き込まれた1枚。ショーターも『ビッチェズ・ブリュー』の顔であったことから、ここでも同作に通ずる音楽性が認められる。そしてこれらの作品を踏まえ、ショーターはしばらくのちにウェザー・リポートを結成する。その萌芽を思わせる内容が興味深い。

18.『チック・コリア/ザ・ソング・オブ・シンギング』(4353)E

★チックが大胆なフリー・ジャズを繰り広げる
 マイルス・デイヴィスのグループを退団したチックは前衛集団のサークルを結成する。大胆な即興演奏を主体にしたこのグループは、創造性と意欲には見るべきものがあったものの、残念ながら成功を収めるに至らなかった。このアルバムは、そのグループからサックスのアンソニー・ブラクストンが抜けたトリオによるもの。チックを中心にした3人がピアノ・トリオでフリー・ジャズの可能性をとことん追求した演奏はいまも新鮮に響く。

19.『ボビー・ハンフリー/フルート・イン』(4379)E

★聴きものは「ザ・サイドワインダー」
 ライオンがブルーノートを去ったあとも、彼の創業精神は守られ、有能な新人が何人かこのレーベルからデビューした。中でももっとも期待されたのが女流フルート奏者のハンフリーだった。リー・モーガンに認められた本格派の彼女が、ここではポップでファンクな味わいのあるソウル・ジャズを軽やかに演奏する。この路線でもブルーノートは他の追随を許さなかった。それはいまでもこの作品が魅力一杯であることからもよくわかる。

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