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ジャズ名盤講座第7回「プレスティッジ」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 10月 19日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座



All About Prestige(ビギナー向け講座)



1.ビギナー向け講座

 ハード・バップの名門として、プレスティッジは1950年代のジャズ・シーンをブルーノートと共にリードした。しかし1960年代に入ると、ジャズは徐々に多様化の様相を呈してくる。シーンの最前線で活躍するミュージシャンを中心にレコーディングを重ねていたプレスティッジも、成り行きとしてハード・バップ以外のジャズも録音するようになっていく。

 そのもっとも顕著な例がオルガン・ジャズである。レーベルが契約したオルガン・プレイヤーの顔ぶれを眺めてみれば、この手の演奏の宝庫といわれているブルーノートと比べても遜色のないことがわかる。

 ジョニー・ハモンド・スミス、ブラザー・ジャック・マクダフ、リチャード・グルーヴ・ホルムズ、シャーリー・スコット、チャールス・アーランドといったオルガニストのレコ-ディングをレギュラーで行なったことから、1960年代にソウル・ジャズのメジャー・レーベルになったのがプレスティッジだ。

 こうしたレコーディングでサポートを務めたのは、ソウルフルなテナー・サックス奏者のヒューストン・パーソン、レッド・ホロウェイ、ウィリス・ジャクソン、あるいはギタリストのジョージ・ベンソンやパット・マルティーノたちだった。オルガン・ジャズが人気を集めるのに伴い、若手だった彼らにも脚光を浴びるチャンスを与えた功績も大きい。

 プレスティッジは最先端のジャズをレコーディングする一方で、トラディショナルなジャズ作品にも目を向けていた。トラッド・ジャズとディキシーランド・ジャズを好んで聴いてきたのがボブ・ワインストックである。スイングヴィルは、この手の音楽をレコ-ディングするために彼が1960年代初頭に設立した傍系レーベルだ。『コールマン・ホーキンス・プラス・ザ・レッド・ガーランド・トリオ』や『バディ・テイト/テイトズ・デイト』などこのレーベルから発表された作品は、多くの場合、典型的なディキシーランド・ジャズというよりメインストリーム寄りのスイング・ジャズだった。

 また1960年代にはアヴァンギャルド・ジャズとフリー・ジャズが発展し、それが論議を呼ぶようになっていた。プレスティッジは1960年から61年にかけてエリック・ドルフィーの作品を数多くレコ-ディングしている。彼の作品でいうなら、なんといっても1961年に実況録音された「ファイヴ・スポット」での演奏が素晴らしい。そのほかにも同年秋に行なったヨーロッパ・ライヴ、あるいは初リーダー作となった『アウトワード・バウンド』など、このレーベルに残された作品はすべてが素晴らしい。

 1960年代初頭からレーベルが消滅する1971年までに残された作品群を眺めてみると、いまさらながらにこのレーベルが幅広いジャズをレコーディングしていたことがわかる。ハード・バップとソウル・ジャズを二本柱にして、そこにフリー・ジャズとまではいかないが、エリック・ドルフィーやブッカー・アーヴィンで代表される過激なジャズ、あるいはパット・マルティーノやエリック・クロスのような優れた新人、さらにはソニー・スティットやジーン・アモンズなどのヴェテラン勢、そしてエッタ・ジョーンズやシルヴィア・シムズといった実力派シンガーたちによる作品の数々。ヴァラエティ豊かな点はブルーノート以上である。

 これらに耳を傾ければ、1960年代のジャズがいかに多彩で、しかもそれぞれの音楽性が充実していたか、そのことがつぶさにわかる。プレスティッジの場合、実質的なプロデューサーが常に複数でレコーディングを続けていた。そこが他のレーベルとは決定的に違う。ただし、最終的に録音するかしないかの判断を下すのはオーナーのボブ・ワインストックだった。だからこそ、まったくタイプの違う作品がカタログに並んでいても、根底ではどこかで繋がっていたのである。このレーベルがいまも大きな輝きを放っているのはそれが理由だ。



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