ジャズ名盤講座第8回「ヴァーヴ」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 10月 26日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Verveの魅力を味わう名盤38選




ビギナー向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『チャーリー・パーカー/ナウズ・ザ・タイム』(8005)A

★パーカーが晩年に残した最高傑作
クレフ時代にパーカーはかなりのレコーディングを残しているが、中でも1953年8月に吹き込んだ表題曲や「コンファーメーション」「チチ」「アイ・リメンバー・ユー」は名演としてファンの間で知られている。スリリングな展開にも余裕が認められ、ビバップが行き着くところまで行った時代に残された演奏にもかかわらず、このスタイルがまだまだ魅力的なものであり、今後の発展性にも期待できることを思わせる。

2.『チャーリー・パーカー/バード&ディス』(8006)A

★パーカーとガレスピーが久々の再会を果たした
ビバップが全盛期を迎えていた時代に最高のコンビとして知られていたのがチャーリー・パーカーとディジー・ガレスピー。この新たなジャズのスタイルを誕生・発展させたふたりの主役が久々に顔を会わせ、丁々発止としたプレイを繰り広げる。どちらも超絶的な技巧に持ち味があるだけに、一歩も譲らぬホットなプレイで演奏を盛りあげていく。バディ・リッチの参加を疑問視する向きもあるが、彼も立派なビバップ・プレイに徹している。

3.『チャーリー・パーカー/スウェディッシュ・シュナップス』(8010)A

★マイルスとパーカーの再演が実現した
ふたつの吹き込みを収録しているが、注目は1951年1月に録音されたマイルスとの再会セッション。この時点でマイルスはクールなスタイルを前面に打ち出すようになっていた。ところがパーカーとの共演ということから、いつになくホットなプレイを示してみせる。パーカーは相変わらず素早いパッセージを主体にした完璧なプレイでわが道を行く。それにマイルスが合わせることで、小気味のいいビバップ作品が出来上がった。

4.『カウント・ベイシー/エイプリル・イン・パリ』(8012)A

★ベイシー楽団が名声を決定的なものにした
一時低迷を続けていたカウント・ベイシー・オーケストラは1952年に陣容を一新して再び活発な活動をするようになった。その、いわば《ニュー・ベイシー・オーケストラ》による最初の傑作がこの作品。表題曲が大ヒットしたこともあるが、そのほかにも「コーナー・ポケット」や「シャイニー・ストッキングス」など、ベイシー楽団を語る上で落とせない名演が並ぶ。サド・ジョーンズやフランク・フォスターなど若手の参加も魅力的。

5.『タル・ファーロウ/タル』(8021)E

★幻のギタリストが残した傑作中の傑作
1950年代に活躍した白人ギタリストでピカ一の実力を誇ったのがタル・ファーロウ。エディ・コスタとヴィニー・バークを迎えてのドラムレス・トリオは、一般的な人気には結びつかなかったものの、ギター・ファンの心をとらえてあまりある魅力に溢れている。低音部を強調したホーン・ライクなフレージングがタルの持ち味で、これは強い影響を受けたチャーリー・クリスチャンの奔放なスタイルを発展させたものと考えていい。

6.『シェイクスピア・フェスティヴァルのオスカー・ピーターソン』(8024)B

★豪快なトリオ・プレイが魅力を発揮
クレフ~ノーグラン時代に膨大な数のレコーディングを残していたのがオスカー・ピーターソン。そのいずれもが素晴らしい演奏だったことに彼の充実ぶりが推測できる。とりわけ1956年にハーブ・エリスとレイ・ブラウンのトリオで実況録音したこのアルバムは、ピーターソンのヴァーチュオーゾぶりを見事な形でとらえた作品としてファンの間で知られている。豪快なタッチとスインギーでブルージーなフレーズが全編で痛快に響く。

7.『オスカー・ピーターソン・カルテット』(8072)D

★この時期には珍しいカルテット作品
アメリカに進出した当初、オスカー・ピーターソンはベースとのデュオを中心に活動を繰り広げていた。そこにやがてギターのバーニー・ケッセルが加わり編成がトリオに拡大される。これはその時期にドラマーのアルヴィン・ストローラーを加えたカルテットでレコーディングされた1枚。ドラマーを得たことで、強力無類なタッチとスインギーなプレイに一層の磨きがかかった。中でも「サヴォイでストンプ」と「身も心も」でのプレイが圧巻。

8.『ビリー・ホリデイ/レディ・シングス・ザ・ブルース』(8099)B

★円熟期に入ったホリデイの名唱が味わえる
ビリー・ホリデイはどんな歌をうたっても独特のブルージーな表現で個性を発揮した。そんな彼女にとって、この作品に収録されたレパートリーはまさに実力を存分に発揮できるものだった。タイトル・トラックや代名詞的なナンバーの「奇妙な果実」の再演をはじめ、「ウィロウ・ウィープ・フォー・ミー」「アイ・ソウト・アバウト・ユー」など、ブルージーな表現をさせたら彼女の右に出るものがいなかった持ち味が遺憾なく示されていく。

9.『ライオネル・ハンプトン/エアメイル・スペシャル』(8106)E

★ヴァイブの王様による決定的名盤
全盛期はすぎていたものの、ライオネル・ハンプトンはクレフでレコーディングするようになって息を吹き返した。このレーベル得意のオールスター・セッション盤で、相手を務めるのはオスカー・ピーターソンのカルテット。約半数の曲ではクラリネットのバディ・デフランコも加わっている。ハンプトンとデフランコはスイング・ジャズの時代にそれぞれの楽器を代表するプレイヤーだった。しかし共演は非常に珍しい。それも魅力だ。

10.『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』(8115)A

★絶頂期のパウエルが聴ける
バド・パウエルが絶頂期にあった1950年と51年に録音された演奏を収録。とりわけレイ・ブラウンとバディ・リッチのトリオで吹き込んだ1950年のプレイが素晴らしい。そのときの「ハルシネーション」や「二人でお茶を」を聴くと、《神がかり的》といわれた彼のタッチが実感できる。スピーディでハードなプレイの中に認められるウォームな響きと歌心。硬軟のバランスがよくとれた表現力に、この天才ピアニストの真髄が認められる。

11.『レスター・ヤング&ハリー・スウィーツ・エディソン/プレス&スウィーツ』(8134)D

★スイング派のふたりが好演を繰り広げる
レスター・ヤングとハリー・スウィーツ・エディソンのリラックスした演奏を収録したアルバムとして、モダン・ジャズのファンからも支持されてきた1枚。バックを務めるオスカー・ピーターソン・カルテットもその人気に一役買っている。全編に流れるリラックスしたムードはまるでJ.A.T.P.のコンサートをスタジオで再現したような雰囲気を持つ。それぞれが得意のプレイを披露することによって、演奏は熱気も孕むものとなった。

12.『レスター・ヤング/ザ・プレジデント・プレイズ・ウィズ・ザ・オスカー・ピーターソン・トリオ』(8144)B


★レスターには珍しいワン・ホーン作品
モダン・テナーの始祖と呼ばれたレスター・ヤングが絶頂期にあったのは1930年代後半のこと。第二次世界大戦後は魂が抜けたような不甲斐ない演奏をするようになってしまったが、クレフ~ノーグランに残された演奏はどれも奇跡的に素晴らしい。その代表的なプレイがオスカー・ピーターソンと組んだこのアルバムで聴ける。タイトルには《ピーターソン・トリオ》と表記されているが、実際はそこにドラマーのJ.C.

13.『バド・パウエル/ジャズ・ジャイアント』(8153)A

★神がかり的なプレイが記録された
バド・パウエルが神がかり的な演奏を繰り広げていたのは1940年代末から50年代初頭にかけてのこと。この作品はその時期に相当する1949年と翌年の吹き込みを収録したもの。どちらも優劣のつけられない素晴らしさだが、個人的にはカーリー・ラッセルとマックス・ローチのトリオで吹き込んだ1951年の録音に軍配をあげたい。そのほか、ソロ・ピアノで演奏される「アイル・キープ・ラヴィング・ユー」と「イエスタデイズ」も見事。

14.『バディ・デフランコ/ミスター・クラリネット』(8159)B

★クラリネットの名手がモダン派と共演
バディ・デフランコはベニー・グッドマンと並ぶクラリネットの人気者。《スイング王》と呼ばれたグッドマンに比べると、同じスイング派には属するものの、スタイルはもう少しモダン寄りといったところ。そんな彼だから、売り出し中のケニー・ドリューやアート・ブレイキーとの組み合わせは、その持ち味にさらなる魅力を加えるものとなった。モダンな感覚に彩られたスイング・ジャズが、デフランコの妙技と共にたっぷりと味わえる。

15.『アニタ・オデイ/ジス・イズ・アニタ』(2000)A

★ジャズ・ヴォーカルの醍醐味が味わえる
クレフ~ノーグラン時代に白人ジャズ・シンガーのトップに君臨したアニタ・オデイの代表的なアルバム。ポール・スミスの瀟洒なピアノを中心にしたバックが、小気味のいいヴォーカルを聴かせるアニタにぴったりと寄り添う。曲によっては4本のトロンボーンが加わったりハープ奏者が参加したりと、変化に富んだ伴奏も彼女のヴォーカルを盛りあげる。中でも「ユーアー・ザ・トップ」はジャズ・ヴォーカル史に残る快唱のひとつ。

16.『ブロッサム・ディアリー』(2037)C

★元祖カマトト・ヴォーカルが聴ける
ささやくように歌うことでコケティッシュな魅力を表出させるところがブロッサム・ディアリーの持ち味。《ウィスパリング・ヴォイス》と呼ばれるこの手のシンガーは、概して巧いのか下手なのかがわかりにくい。しかしブロッサムは実力派の折り紙つきである。弾き語りの名手でもあり、ここではハーブ・エリス、レイ・ブラウン、ジョー・ジョーンズをしたがえ、ピアニストとしてもたしかなテクニックを証明してみせる。

17.『アン・イヴニング・ウィズ・アニタ・オデイ』(2050)A

★アニタの快進撃はここから始まった
スタン・ケントン楽団出身の白人シンガーで御三家といわれているのがジューン・クリスティとクリス・コナーとこのアニタ・オデイ。中では一番ドラマティックなヴォーカルを聴かせてくれたのがアニタである。マニアにはタル・ファーロウの参加も気になるところだが、ここはアニタが名唱を連続させる姿に注目したい。オーヴァーな表現はしないものの、姉後肌のきっぷのいいヴォーカルが、聴いていて痛快な気分にさせてくれる。

18.『エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング/エラ&ルイ』(4003)B

★ジャズ界のキングとクイーンが出会った
実力・人気共に群を抜いていたエラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングが共演した1作目。どちらも持ち味を十分に発揮してみせたことで1+1が3にも4にもなったような内容が素晴らしい。このふたりにかかれば、ジャズもジャズ・ヴォーカルも難しいものにはならない。楽しいことこの上ないパフォーマンスの連続である。ただし、その裏では音楽的に高度なことも行なわれている。通ならそこも聴き逃してはならない。

19.『オスカー・ピーターソン/テンダリー』(2046)D

★記念すべきアメリカ・デビュー録音
ノーマン・グランツに才能を見出されたオスカー・ピーターソンが1950年から翌年にかけて吹き込んだ演奏を収録。いずれもベーシストとのデュオで、最初の相手はメジャー・ホリーだった。その後はレイ・ブラウンと恒久的なコンビを組むことになるが、その初期の演奏も収録されている。強力なドライヴ感を身上としていたピーターソンである。ブラウンの的確なウォーキング・ベースが加わればドラマーは必要なかったのだろう。




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