ジャズ名盤講座第10回「ヴァーヴ編(その3)」ビギナー向け9選!マスター向け9選!

2018年 11月 9日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Verveの魅力を味わう名盤38選




ビギナー向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『ケニー・バレル/ア・ジェネレーション・アゴー・トゥデイ』(8656)C

★クリスチャンに捧げたバレルの人気盤
 ブルーノートではブルージーな演奏をとことん追求してみせたケニー・バレルだが、ヴァーヴに移籍してからはそれまでとひとが違ったかのように多彩な音楽性を示すようになった。とりわけ冒頭を飾ったスタンダードの「アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ」の軽快なプレイが素晴らしい。尊敬するチャーリー・クリスチャンのおはこだった「ストンピン・アット・ザ・サヴォイ」の流麗なソロ・ワークも傑出しているし、これは充実の1枚。

2.『ウエス・モンゴメリー/夢のカリフォルニア』(8672)A

★これでポップ・ジャズ路線が盛りあがった
 オクターブ奏法でジャズ・ギターに革新をもたらしたウエス・モンゴメリーだが、ヴァーヴに移ってからはひたすらポップ・ジャズ路線を邁進する。クリード・テイラーのプロデューサーで、ドン・セベスキーの編曲。このコンビがウエスの隠れた才能を引き出した。天性のメロディ・メイカーである彼が、当時のポップ・ヒットを中心に縦横無尽のプレイを聴かせる。内容は本格派だが、作りは実に聴きやすい。それがヒットの理由だ。

3.『ジミー・スミス=ウエス・モンゴメリー/ザ・ダイナミック・デュオ』(8678)C

★人気者のふたりが夢の共演を果たした
 1960年代後半のヴァーヴ、否、ジャズ界を代表するジミー・スミスとウエス・モンゴメリーがついに共演した。どちらも個性の強いプレイヤーだが、共通した音楽性の持ち主だったことが功を奏した。アルバムのタイトルどおり、全編にわたってふたりの個性であるダイナミックなプレイが登場する。ヴァーヴ得意の大物同士の顔合わせの実現も含めて、これは1960年代における同レーベルの代表作にして特大のベストセラーを記録した1枚。

4.『ゲイリー・マクファーランド/ソフト・サンバ・ストリングス』(8682)E

★ポップ・ジャズ路線の人気盤
 ゲイリー・マクファーランドは優れたヴァイブ奏者だったが、独特のポップ・フィーリングも加味したアレンジでこの時代は名声を博していた。その持ち味を、瀟洒なサウンドに乗せて聴かせたのがこの作品。お馴染みのスタンダードをポップ調にアレンジしてのパフォーマンスは、当時のジャズ・ファンからはあまり受けなかった。しかし時代が変われば評価も変わる。昨今のクラブ系ジャズとして、この作品は大傑作の誉れが高い。

5.『スタン・ゲッツ/スウィート・レイン』(8693)B

★新人チック・コリアのプレイが鮮烈
 ボサノヴァですっかり人気者になったスタン・ゲッツが、この作品ではジャズのもっとも進歩的な部分でも優れたテナー・プレイヤーであることを実証してみせる。新人だったチック・コリアを含むカルテットの演奏は新主流派のスタイルに近い。それだけに、ボサノヴァの名曲である「オ・グランデ・アモール」を演奏しても、それ以前の典型的なボサノヴァとはまったく違う。ロン・カーターとグラディ・テイトのプレイも魅力的。

6.『ミシェル・ルグラン/アット・シェリーズ・マン・ホール』(8760)C

★映画音楽の巨匠がトリオで実力を発揮
 この時代、ピアニストとしてのミシェル・ルグランの実力は未知数だった。しかし、レイ・ブラウンとシェリー・マンというウエスト・コーストを代表する実力者を得て吹き込んだこの作品で、彼は一躍ジャズ・ピアニストとしての評価を確立する。時代を代表するメロディ・メイカーだけに、ソロで綴られるフレーズにも印象深いものが多い。即興演奏家としてはやや物足りないが、それを補ってあまりあるのが他の追随を許さぬ表現力だ。

7.『ビル・エヴァンス/モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』(8762)A

★エヴァンス・トリオによる歴史的傑作ライヴ
 スイスのフェスティヴァルで残されたピアノ・トリオの歴史的名盤。エディ・ゴメスのベースにジャック・デジョネットのドラムスで構成されたリズム陣が、いつものエヴァンスからは想像できないほど強力な演奏を引き出した。とくに売り出し中だったデジョネットのドラミングは鮮烈極まりないもので、その彼に一歩も譲らぬプレイでピアノを弾くエヴァンスの姿が印象的。加えて代表的なレパートリーが演奏されている点も価値が高い。

8.『ビル・エヴァンス/枯葉』(8777)B


★フルート奏者との共演で新境地を示した
 トリオで演奏することが多かったビル・エヴァンスだが、この作品では無名の新人フルート奏者ジェレミー・スタイグを起用し、いつになく熱いプレイを聴かせてくれる。当時のスタイグはフリー・ジャズからも触発されたプレイで個性を発揮していた。それゆえ、異色の共演がエヴァンスを触発したことは間違いない。得意のレパートリーである「枯葉」が、いつものエヴァンス・ヴァージョンとはまったく違う内容であるのも痛快。

9.『アストラッド・ジルベルト/ビーチ・サンバ』(8798)D

★スターになったアストラッドが魅力を発揮
 ボサノヴァの歌姫からポピュラー・ヴォーカルの女王となったこの時代のアストラッド・ジルベルトは人気をほしいままにしていた。そのことを、豪華なセッティングをバックにアピールしたのがこの作品。重厚なストリング・オーケストラをアレンジしたのはドン・セベスキーとデオダードである。オールスター・プレイヤーで構成されたオーケストラも贅沢で、その華麗な伴奏でアストラッドが独特のアンニュイなヴォーカルを聴かせる。




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