ジャズ名盤講座第12回「コロムビア/CBS/エピック編パート1(1917-1959)」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 11月 23日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Columbia/CBS/Epicの魅力を味わう名盤38選




ビギナー向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『ルイ・アームストロング/ベスト・オブ・ザ・ホット・ファイヴ&ザ・ホット・セヴン・レコーディングス』A

★ジャズの歴史を語る上で欠かせない
 ルイ・アームストロングが最高の演奏を聴かせていたのはニューヨークからシカゴに戻った時代、すなわち1925年から数年間のことである。この時期に彼が結成したホット・ファイヴとホット・セヴンは歴史的な名コンボとしていまもクラシック・ジャズ・ファンの間で圧倒的に人気が高い。その時期のベスト・パフォーマンスを集めたこの作品は、ジャズを聴くひとすべてに耳を傾けていただきたい内容がてんこ盛りだ。

2.『ビックス・バイダーベック/リアル・ジャズ・ミー・ブルース』B

★バイダーベックを聴くならこれが落とせない
 ディキシーランド・ジャズ系の白人トランペッターでは最高峰のビックス・バイダーベックによる傑作集。1927年から翌年にかけて残された演奏を網羅したこのコンピレーションが、彼の作品ではもっとも纏まりがいい。クリアなトーンを生かした流麗なフレージングは、ライヴァルだったルイ・アームストロングとは格好の対照をなす。初期のジャズ・シーンでもっとも優れた活躍をしたバイダーベックの真髄がこの2枚組で聴ける。

3.『テディ・ウィルソン/テディ・ウィルソン・アンド・ヒズ・オールスターズ Vol.1』(SRCS9618)A

★ウィルソンの魅力をすべて凝縮
 スムーズな指運びで人気を集めたテディ・ウィルソンがキャリアの絶頂期にブランズウィックでオールスターズと共に吹き込んだ演奏の傑作集。洒落たフレーズとスインギーな乗り。そこに翳りを帯びた響きを加えることで、スイング・ピアノの大御所となったウィルソン。その魅力のすべてがこの1枚で味わうことができる。「夢であいましょう」「二人でお茶を」「ファイン・アンド・ダンディ」など、色褪せない名演が最後まで続く。

4.『ビリー・ホリデイ/レディ・デイ』A

★ジャズ・ヴォーカルの女王が残した大傑作
 ビリー・ホリデイが頭角を現しつつあった1935年から41年にかけて残した名唱集。当時の大スターだったテディ・ウィルソンのオールスターズなどをバックにしたがえた歌唱はすでに十分な個性を感じさせる。どんな歌をうたっても彼女の表現には翳りが認められた。きら星のようなプレイヤーと繰り広げるヴォーカルがそのことをいまに伝えている。「月に願いを」「月光のいたずら」「気ままなくらし」などの初期傑作がずらりと並ぶ。

5.『カウント・ベイシー楽団フィーチャリング・レスター・ヤング/レスター・リープス・イン』A

★レスターが残した最高のプレイが聴ける
 カウント・ベイシー・オーケストラが最高の演奏を聴かせていたのはレスター・ヤングが加わっていた1930年代後半のこと。この作品は1936年の初レコーディングから全盛期を誇った39年と翌年の演奏を集めていることで、聴き応え満点だ。加えてビッグ・コンボのカンサスシティ・セヴンの貴重な演奏も楽しめる。ベイシー楽団の魅力を端的に味わいたい向きにはぜひともお奨めしたい。レスターの威風堂々たる快演も素晴らしい。

6.『バニー・ベリガン/テイク・イット、バニー』E

★「言い出しかねて」の初演が聴きもの
 バニー・ベリガンはルイ・アームストロングとビックス・バイダーベックの中間を行くようなスタイルが持ち味だった。すなわち、朗々と響くトランペット・サウンドに小気味のいい乗りを併せ持っていたところが個性である。彼はこの作品を録音した直後にオーケストラを結成して一生を風靡するが、これはコンボによる演奏を集めたもの。『メトロノーム』誌の人気投票で首位を獲得した1936年の録音だけに、充実した内容が味わえる。

7.『ベニー・グッドマン/コンプリート・カーネギー・ホール・コンサート1938』A

★スイング・ジャズの歴史的ライヴ盤
 クラシックの殿堂「カーネギー・ホール」で開催された史上初のジャズ・コンサートを収録。しかも黒人ミュージシャンまで出演したことで、ホール関係者は難色を示したが、グッドマン人気の前には妥協せざるを得なかった。そんな舞台裏とは別に、コンサートではスイング・ジャズのブームが頂点に達したことを証明するような熱演が繰り広げられた。豪華な出演者による演奏の中でも「シング・シング・シング」の盛りあがりが出色。

8.『チャーリー・クリスチャン/ザ・オリジナル・ギター・ヒーロー』(SICP-5052)E

★ジャズ・ギター初期の完成形
ベニー・グッドマン楽団で頭角を現し、その後にハーレムの「ミントンズ・プレイハウス」でビバップの誕生に関わったチャーリー・クリスチャン。その《モダン・ギターの始祖》が残したベスト・テイク集。それまでのジャズ・ギターは伴奏楽器の役割を担っていた。それをソロ楽器に発展させた功績は大きい。25歳でこの世を去ってしまった彼だが、ここには「セヴン・カム・イレヴン」「フライング・ホーム」などの代表曲が揃っている。

9.『リー・ワイリー/ナイト・イン・マンハッタン』C

★洗練されたジャズ・ヴォーカルの粋を聴く
 都会的なジャズ・ヴォーカルを聴きたい向きにお薦めしたいのがこのアルバム。リー・ワイリーは白人女性シンガーの中でもしっとりとした味わいと洒脱な歌唱がひとつになったヴォーカルで根強い人気を誇っている。テクニックで聴かせるシンガーとはまったく違い、味わいの深さで説得力を示すタイプだ。粋でスマート、しかも本格派であるところが堪らない。これぞ大人ための大人のジャズ・ヴォーカルの決定版といったところ。

10.『クリフォード・ブラウン/ザ・ビギニング・アンド・ジ・エンド』D

★これほどドラマティックなアルバムもない
 クリフォード・ブラウンの本格的な活動はわずか4年で幕を閉じた。1956年6月26日、彼は同僚のリッチー・パウエルと、彼の夫人が運転する車で交通事故に遭遇し、25歳の若い命を散らしてしまう。この作品にはその前日にフィラデルフィアのレコード店で行なったインストア・ライヴの模様が収録されている。私家録音のため音質は良好といえない。それでも、聴こえてくるのは天才の名をほしいままにした素晴らしいプレイである。

11.『マイルス・デイヴィス/ラウンド・アバウト・ミッドナイト』A

★記念すべきコロムビア移籍第1作
 1955年の「ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル」でセンセーショナルな成功を収めたマイルス・デイヴィスが、その勢いを駆ってニュー・クインテットを結成し吹き込んだ作品。翌年にかけて行なわれた3回のセッションで残されたのは全部で10曲。そのすべてが現在では1枚のCDで聴ける。マイルスの繊細なプレイと無名の新人だったジョン・コルトレーンの荒々しいブローが絶妙なコントラストを描く名盤中の名盤。

12.『エロール・ガーナー/コンサート・バイ・ザ・シー』A

★ガーナーの超絶的技巧に圧倒される
 エロール・ガーナーの持ち味は飛び切りのスイング感にある。ひとたび興が乗ってしまえば他の追随を許さない。しかも超絶的なテクニックから繰り出される湯水のごとくのフレーズはどれひとつをとっても無駄がない。そんな魅力を満載したのがこのライヴ・レコーディング。お馴染みの曲が、ガーナーの手にかかればかくも躍動的なナンバーに仕上がってしまう。彼の魅力を満載した乗りのよさと歌心満点の演奏は痛快この上ない。


13.『ホレス・シルヴァー/シルヴァーズ・ブルー』C

★ジャズ・メッセンジャーズ退団後の1作目
 ほとんどのメンバーを引き連れてジャズ・メッセンジャーズを脱退したホレス・シルヴァーが、直後にエピックで残した唯一の作品。したがって、サウンド的にはオリジナル・ジャズ・メッセンジャーズに近いハード・バップで全編が貫かれている。ドナルド・バードとハンク・モブレーが、リーダーのシルヴァー共々快演を繰り広げるところが聴きもの。タイトル曲をはじめ、名作曲家としても注目され始めたシルヴァーのオリジナルもご機嫌。

14.『レイ・ブライアント/レイ・ブライアント・トリオ』D


★エピックに残された初リーダー作
 レイ・ブライアントといえばゴスペル・タッチのブルージーなプレイによって日本でも人気が高い。しかしこの初リーダー作ではブルージーなフィーリングと乗りのよさはいまに通じているが、ゴスペル・タッチは強調されていない。そのほうがいいというファンも多く、たしかに情感に溢れたプレイは本作をはじめとした初期の演奏集のほうが魅力的だ。それはそれとして、聴きものはなんといっても代表作の「クバノ・チャント」である。

15.『J.J. ジョンソン/ダイアルJ.J.5』A

★ジョンソンが名手ぶりを遺憾なく発揮
 ウルトラ・テクニックでジャズ・トロンボーンをリードしたJ.J. ジョンソンによる最高傑作。カイ・ウィンディングと組んだ2トロンボーン・チームも評判はいいが、ジョンソンのプレイを堪能したければ、まず白羽の矢を立てたいのがこの作品。ボビー・ジャスパーの参加も興味深いが、トミー・フラナガン〜ウィルバー・リトル〜エルヴィン・ジョーンズのリズム・セクションが最高のサポートを示して、ジョンソンの至芸を盛りあげる。

16.『デューク・エリントン&カウント・ベイシー/ファースト・タイム』B

★一期一会の醍醐味を味わう
 ジャズ・オーケストラの両横綱が共演する奇跡のレコーディングが実現したのは1957年のこと。どちらも迫力あるサウンドが売りものだけに、それが倍化されたことで、この作品では前代未聞のビッグ・バンド・サウンドが堪能できる。それぞれがお馴染みの曲を持ち寄っての演奏から生まれる魅力たっぷりのパフォーマンス。加えてCD化にあたっては7曲のボーナス・トラックが追加され、2枚組のヴォリュームになったのも嬉しい。

17.『マイルス・デイヴィス/カインド・オブ・ブルー』A

★モード・ジャズによる最高傑作
 この作品によってマイルス・デイヴィスはモードで演奏するジャズを完成させた。すでにグループを退団していたビル・エヴァンスを呼び戻して吹き込まれたこの作品は、彼のサポートなくしてここまで高い完成度は得ることができなかった。それだけに、本作はマイルスとエヴァンスによるコラボレーションの成果といってもいい。モード・ジャズの傑作「ソー・ホワット」や美しいバラードの「ブルー・イン・グリーン」がとりわけ印象的。

18.『デイヴ・ブルーベック/タイム・アウト』C

★「テイク・ファイヴ」を収録した大ヒット作
 変拍子の演奏で纏めた野心作だが、この中から5拍子で書かれた「テイク・ファイヴ」が空前のヒットを記録。デイヴ・ブルーベックは現代音楽出身で、「スイングしないピアニスト」と揶揄されていた。それに反発した彼は、現代音楽で用いられる変拍子を駆使して、誰にもできないようなスイングするジャズを演奏してみせた。「テイク・ファイヴ」はメンバーのポール・デスモンドが書いたが、以後はこれがグループの代表曲になる。

19.『マイルス・デイヴィス/スケッチ・オブ・スペイン』A

★マイルスとギルのコンビによる歴史的名盤
 マイルス・デイヴィスはアレンジャーのギル・エヴァンスの協力を得て、ジャズにモード・イディオムの導入を図るようになった。すでにいくつもの成果をあげていたマイルスだが、この作品で一層の可能性を提示してみせたことは見逃せない。クラシックとスペイン音楽に題材を求めた今回の作品では、エヴァンスがスペイン音楽伝来のスパニッシュ・モードを駆使して、従来のジャズ・オーケストラとはまったく異なる響きを現出させる。




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