ジャズ名盤講座第14回「インパルス編」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 12月 7日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Impulseの魅力を味わう名盤38選




ビギナー向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.ビギナー向け19選
1.『J.J.ジョンソン&カイ・ウィンディング/ザ・グレート・カイ&J.J.』E

★J&Kが久々に再結成して吹き込んだ快作
 黒人トロンボーン奏者の最高峰J.J.ジョンソンと白人トロンボーン奏者の横綱カイ・ウィンディングが組んだチームによる久々の再会セッション。洒落たサウンドと超絶的なテクニックを駆使したトロンボーン・バトルながら、迫力満点の演奏だけで終わらないところがこのチームの強みである。加えて注目を集めていた時期のビル・エヴァンスが参加したことも価値を高めるものになった。彼のリリシズムもJ&Kを刺激している。

2.『アーチー・シェップ/フォア・フォー・トレーン』B

★尊敬するコルトレーンの曲を4曲取りあげた
 アーチー・シェップはジョン・コルトレーンの推薦でインパルスと契約した。それもあって1作目となったこの作品では、彼の曲を4曲と自作曲を1曲取りあげている。「カズン・メアリー」や「ナイーマ」がシェップの手によって、独特のフリー・ジャズとなって演奏されているところが興味深い。加えてアラン・ショーター、ジョン・チカイ、ラズウェル・ウッドといった、当時のフリー・ジャズを代表する精鋭の参加も注目に値する。

3.『アート・ブレイキー/ア・ジャズ・メッセージ』C

★メッセンジャーズから離れたカルテット作品
 ソニー・スティットやマッコイ・タイナーなど、インパルスでお馴染みのプレイヤーを迎えてアート・ブレイキーが豪快なドラミングを聴かせてくれる。どんなときでも彼のプレイに変わりはない。バックからの力強いプッシュとダイナミックなビート感覚。モード・ジャズを推進していたジャズ・メッセンジャーズから離れ、ご機嫌なハード・バップを繰り広げる。その強烈なワン&オンリーぶりがこの作品では大きな聴きどころ。

4.『アルバート・アイラー/グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』A

★爆発的なソロを延々と繰り広げた衝撃作
 ニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジでアルバート・アイラーが残した2種類のライヴ・パフォーマンスを収録。この作品によって、彼はフリー・ジャズにおける一方の指導者になった。ジョン・コルトレーンとは別種の情念を感じさせながらの奔放なブローはまさに呪縛的。独特のウォームな響きが圧倒的迫力のソロと相まって、未知なるジャズの世界を体験させてくれる。尽きぬパワーがすべてを凌駕した痛快この上ない1枚。

5.『エルヴィン・ジョーンズ&リチャード・デイヴィス/ヘヴィー・サウンズ』C

★「ローンチィ・リタ」を含むふたりの人気盤
 「ローンチィ・リタ」およびエルヴィン・ジョーンズのドラムスならぬギターをフィーチャーした「エルヴィン・ギター・ブルース」によって、この作品はジャズ・ファンの心に残るものとなった。隠れた名ピアニスト、ビリー・グリーンのプレイも貴重だ。しかしなんといっても最高の聴きものは、エルヴィンと名ベーシストのリチャード・デイヴィスが織り成す柔軟なリズムにある。フランク・フォスターのパワフルなブローも驚きだ。

6.『オリヴァー・ネルソン/ブルースの真実』A

★実力派がブルースの奥深さに挑んだ名作
 才人オリヴァー・ネルソンが持てる力をフルに発揮してブルース・フォームの数々に挑んでみせる。当時の精鋭だったビル・エヴァンス、エリック・ドルフィー、フレディ・ハバードたちの参加も演奏を創造的なものにした。ブルースは奥が深い。この作品を聴いていると、「ジャズはブルースに始まりブルースに終わる」の格言を思い浮かべずにはいられない。なお、メンバーを変えて吹き込まれた続編も本作に劣らぬ快作である。

7.『カウント・ベイシー/カンサス・シティ7』A

★最高にスインギーなベイシー作品
 カウント・ベイシーは生涯のうちで何度か名コンボのカンサス・シティ7を復活させている。自身のオーケストラからえり抜きのメンバーを集めて繰り広げられる演奏は、時代を超越した響きを有するものだ。今回のヴァージョンには、サド・ジョーンズにフランク・ウエスとフランク・フォスターなど、モダンな演奏を得意にしているひとが中心に集められた。加えて、御大のピアノ・ソロがたっぷりフィーチャーされているのも嬉しい。

8.『ガトー・バルビエリ/チャプター・スリー』C


★「縁は異なもの」をフィーチャーした人気盤
 《哀愁のテナー奏者》ガトー・バルビエリの魅力がたっぷり詰まった作品。フュージョン〜ジャズ系の人気ミュージシャンを得て、ここでの彼はそれまで以上にエスニックなムードに彩られたプレイを繰り広げる。とりわけ、ダイナ・ワシントンの大ヒットで知られる「縁は異なもの」が、哀愁のこもったラテン調の演奏によって、ジャズ・ファンにとどまらず広いファン層から高い人気を呼んだ。これぞ元祖ワールド・ミュージック。

9.『キース・ジャレット/生と死の幻想』A

★叙情味に溢れた音楽性を最高の形で発揮
 全編にわたって貫かれる静寂の中で、キース・ジャレットがテンションの高いピアノ・プレイを繰り広げる。彼が静なら、デューイ・レッドマンのプレイは動だ。このコントラストが音楽を刻々と変化させていく。それにしても、ジャレットの集中力とソロの構成力は圧巻だ。ゴスペルやフォーク・ミュージック的なサウンドも盛り込みながらの一大音楽絵巻が最初から最後まで続く。グループの一体感が最後まで途切れないところも見事。

10.『シェリー・マン/234』A

★マンが久々にニューヨークで録音
 西海岸のトップ・ドラマーとして高い評価を得ていたシェリー・マンがニューヨークで吹き込んだ傑作。タイトル通り、デュオ、トリオ、カルテットと、曲によって編成を変えるアイディアが秀逸。若き日に共演したコールマン・ホーキンスとの再会がこの作品では最高の聴きものである。ハンク・ジョーンズとの相性も抜群で、スインギーでテクニシャンのマンが、彼らとの共演で水を得た魚のように溌剌としたプレイを繰り広げる。

11.『ジョン・コルトレーン/ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン』B

★この作品でハートマンが人気者に
 ベツレヘムに優れたレコーディングを残していたジョニー・ハートマン。通受けするシンガーだった彼は、このアルバムを吹き込んだことで人生が変わった。魅力的なバリトン・ヴォイスにジョン・コルトレーンのテナー・サックスがよく似合う。絶頂期にあった彼のカルテットをバックに、バラードを中心に渋い歌声を聴かせるハートマンが実に魅力的。併せて、ふたりが醸し出すしっとりした味わいがジャズの奥深さを教えてくれる。

12.『ジョン・コルトレーン/バラード』A

★コルトレーンが残した永遠のベストセラー
 創造的な演奏を繰り広げていたジョン・コルトレーン・カルテットによるバラード・アルバム。強力な演奏に真骨頂を発揮していた時代の作品だが、ここでの彼とそのメンバーは絶妙な歌心を発揮してみせる。きっかけはマウスピースの不調だった。そのため、コルトレーンは激しく演奏をすることを中断し、このように穏やかな響きの作品を作ることにした。改めてわかるのは、バラードを吹かせても彼が非凡だったということだ。

13.『ジョン・コルトレーン/至上の愛』A

★コルトレーンが残した不朽の大傑作
 1960年代を代表する名コンボが壮大な組曲にチャレンジした。ジョン・コルトレーンといえば『至上の愛』といわれるほど、この作品は彼のキャリアを代表するもの。これはコルトレーンもカルテットも創造性がピークに達していた時期の録音である。それだけに、リーダーをはじめ、カルテットの面々も個性的で創造的なソロを繰り広げる。各人のプレイも大きくフィーチャーされたこの作品は、60年代ジャズが到達したひとつの金字塔。

14.『ベン・ウェブスター/シー・ユー・アット・ザ・フェア』D

★テナーの巨人によるご機嫌なカルテット作品
 インパルスにはジャズの歴史的な巨人がいくつもアルバムを残している。中でもベン・ウェブスターのこの作品は傑出した内容を誇る1枚。一音を聴いただけでわかる個性的なテナー・サウンド。同様に、彼が吹くフレージングにも大きな特徴が認められる。だみ声を思わせる、ふくよかで渋い音色によるプレイがウォームに響く。スタンダードをワン・ホーンで悠然と吹いていく姿からは、文字通り《円熟》の2文字が頭に浮かぶだけだ。

15.『ソニー・ロリンズ/オン・インパルス』E

★ワン・ホーンによるロリンズの快作
 スタンダードを中心にしたレパートリーだが、内容はかなりハードコア。この時代のソニー・ロリンズは、ジョン・コルトレーンやオーネット・コールマンのプレイに触発されてアヴァンギャルドなアプローチに新生面を切り開いていた。それだけに、いつになく大胆なフレージングを連続させることで、フリーキーなソロを構築していく。奔放にしてエキサイティングなブロー。それがグループ全体のサウンドも熱くした。

16.『チャーリー・ヘイデン/リベレーション・ミュージック・オーケストラ』A

★スペインの市民戦争に題材を求めた大叙情詩
 先鋭的なミュージシャンを集めて、チャーリー・ヘイデンが素晴らしい作品を作りあげた。オーケストレーションその他でカーラ・ブレイの全面協力を得た音楽は、ジャズにこだわらず民族音楽的な広がりも示す。フリー・ジャズの精鋭を結集したオーケストラが生み出すサウンドは、哀愁に満ちていて、かつフォーク・ミュージック風。フリー・ジャズ的なアンサンブルから叙情味に富んだメロディが生み出される瞬間が最高に美しい。

17.『フレディ・ハバード/ザ・ボディ・アンド・ソウル』E

★ショーター編曲の小型オーケストラと共演
 売り出し中のフレディ・ハバードが豪華なメンバーを集めて行なった破格の吹き込み。当時参加していたジャズ・メッセンジャーズのメンバーを中心にした小型オーケストラをバックに、彼が見事なテクニックと豊かな歌心を存分に発揮する。注目すべきは、ジャズ・メッセンジャーズで盟友のウエイン・ショーターがアレンジを担当していること。彼がオーケストレーションを書くのは珍しい。それも含めて、素晴らしい内容である。

18.『マッコイ・タイナー/バラードとブルースの夜』B

★インパルス時代を代表するアルバム
 バラード(ミディアム・テンポぐらいの曲まで含まれる)とブルースを追求したマッコイ・タイナーのコンセプト・アルバム。ジョン・コルトレーン・カルテットでの激しいプレイで評判を獲得していた時期のレコーディングながら、こうしたテーマでも力強いタッチが魅力を発揮する。パーカッシヴな奏法はこのころからトレードマークになっていた。それだけに、なにを演奏してもタイナーはタイナーであることを示した1枚。

19.『ミルト・ジャクソン/ザッツ・ザ・ウエイ・イット・イズ』C

★野生味溢れたブルース・フィーリングを発揮
 ミルト・ジャクソンはMJQが一時解散していた間に、それまでことある度に共演してきたレイ・ブラウンと組んで活動を行なっていた。そのときの成果を記録したこの作品では、本来の持ち味である彼のブルース・フィーリングが檻から解放されたかのように奔放な形で表現されていく。MJQでは、音楽監督のジョン・ルイスがある意味でジャクソンの持ち味を抑え気味にしていた。それだけに、晴れやかなプレイが小気味よく響く。




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