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ジャズ名盤講座第16回「コンテンポラリー編」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 12月 21日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座



All About Contemporary



1.ビギナー向け講座

 コンテンポラリーはディキシーランド・ジャズの熱狂的なファンだったレスター・ケーニッヒによって1951年に設立されたレーベル。彼は1945年にディキシー専門のグッドタイム・ジャズ・レーベルをスタートさせ、そちらでは“消防5人組”の録音でヒットを飛ばしていた。

 このグループの本拠地がロサンジェルスの市街地から車で30分ほど南に行ったハーモサ・ビーチにあるジャズ・クラブだった。そういうわけで、ケーニッヒもこの地に何度も出入りをしていた。そんなあるとき、近くの店がジャズ・クラブに衣替えしたという話を耳にし、覗きに行く。そして、そこで素晴らしいグループと出会ったのである。それがライトハウス・オールスターズだった。

 ベーシストのハワード・ラムゼイが、当時はただのレストラン兼バーだったこの店に自分のバンドを売り込んだことからグループの活動は始まる。そこそこのスペースを持っていた「ライトハウス」に、彼は、ショーティ・ロジャース、ジミー・ジェフリー、ボブ・クーパー、シェリー・マンといった、当時は無名だが意欲に燃えていた若手ミュージシャンを集め、その名もライトハウス・オールスターズとして、この店のハウス・バンドになったのである。以後、グループはメンバー交代があったものの、5年間にわたってこの店の名物コンボとしてその名を全米に轟かせることになった。

 このグループを聴いて大きな感銘を受けたのがケーニッヒだ。ライトハウス・オールスターズの持ち味は洒落たアンサンブルと、名手たちが競うように繰り広げるソロの応酬にあった。スタイルこそ違うが、彼はこれこそがディキシーランド・ジャズの現代版と直感する。そこで、ケーニッヒはこのグループの録音を手始めに、同じような演奏をするアーティストやグループのレコードを作ることにした。

 ライトハウス・オールスターズは、グループが本拠地にしていた店を離れてからも継続され、1957年までに14回の吹き込みを残している。そしてこの間に西海岸を代表する優れたミュージシャンを多数起用することで、コンテンポラリーはほぼ同時期に設立されたパシフィック・ジャズと並ぶウエスト・コースト・ジャズの主要レーベルになっていく。

 コンテンポラリーが会社として登記されたのは1951年のことだ。しかし、すぐには活動していない。記念すべき第1回目のレコーディングは、ライトハウス・オールスターズによって1952年2月に行なわれた。それを当時のLPフォーマットである10インチ盤で発売したのが同レーベルでの第一号作品だ。

 コンテンポラリーは、ジャズの世界で最初に12インチLPに切り替えたレーベルと思われる。その1枚目も、当然のことながらライトハウス・オールスターズによるレコーディングを収めたものだ。その作品『サンディ・ジャズ・ア・LA・ライトハウス』にはC-3501のカタログ番号がつけられている。

 スタートを切って以降のコンテンポラリーの活動には目覚しいものがあった。予算が乏しい個人経営のレーベルだけに、起用するアーティストはほとんど全員が無名の新人か、それに近い立場のひとばかりである。その中から、アート・ペッパー、ハンプトン・ホーズ、シェリー・マンといったウエスト・コースト・ジャズを代表するミュージシャンが育ったいく。

 注目すべきは、このレーベルがヴァラエティ豊かなアーティストや、ウエスト・コースト・ジャズといっても毛色の違う人材を積極的に起用していたことだ。たとえば、「ウエスト・コースト・ジャズ=白人によるジャズ」という概念にとらわれず、ハンプトン・ホーズ、テディ・エドワーズ、ハロルド・ランド、バディ・コレットといった黒人プレイヤーを紹介したり、ニューヨークからツアーでやってきたソニー・ロリンズに地元のトップ・リズム・セクションを組み合わせた『ウェイ・アウト・ウエスト』や『コンテンポラリー・リーダーズ』、あるいはマイルス・デイヴィスのリズム・セクションとアート・ペッパーを共演させた『ミーツ・ザ・リズム・セクション』、『ゲティン・トゥゲザー』などを制作して、ウエスト・コースト・ジャズが持つ多様な魅力を世に広めたことだ。また、ハワード・ラムゼイからしてそうだが、カーティス・カウンズやリロイ・ヴィネガーといった実力派ベーシストにリーダー・レコーディングのチャンスを与えたことでも、コンテンポラリーは高い評価に値する。

 ウエスト・コースト・ジャズは1950年代に大きな花を咲かせたが、1960年代に入ると衰退の一途をたどるようになった。コンテンポラリーも活動を縮小したが、その後も細々と新作を発表し続けてきた。創業者のケーニッヒが1977年に死亡したあとは、息子のジョン・ケーニッヒが跡を継いでいくつかの優れた新作も制作された。しかし、その後はファンタジーに吸収ざれて現在に至っている。




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