ジャズ名盤講座第16回「コンテンポラリー編」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 12月 21日 00:00 Category : Art

このエントリーをはてなブックマークに追加

ジャズ名盤講座

Contemporaryの魅力を味わう名盤38選



2.マスター向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『アート・ファーマー/オン・ザ・ロード』C

★ペッパーとの共演が実現
 若き日にコンテンポラリーに優れた作品を残したアート・ファーマーとアート・ペッパーが夢の共演を果たした。リリカルなプレイのファーマーに対し、情熱的なソロを繰り広げるペッパー。ふたりのアートが持ち味をたっぷりと聴かせてくれたことから、強く印象に残るアルバムが完成した。とくにカムバック直後のペッパーのプレイは、失ったものを取り戻すかのような勢いに溢れている。そこにファーマーが触発された姿も好ましい。

2.『アート・ペッパー/ゲッティン・トゥゲザー』C

★『ミーツ・ザ・リズム・セクション』の続編
 1960年、ロサンジェルスでマイルス・デイヴィスのリズム・セクション(ウイントン・ケリー〜ポール・チェンバース〜ジミー・コブ)とアート・パッパーが共演した。『ミーツ・ザ・リズム・セクション』の続編ともいえる本作は、彼がコンテ・カンドリと組んで油の乗り切った快演を展開する。それがファンから大きな支持を得てきた。ここでは、スインギーで強力なサポートを得たペッパーが即興演奏の極致を堪能させてくれる。

3.『アート・ペッパー/リヴィング・リジェンド』B

★奇跡のカムバック作
 再起不能と伝えられ、行方もほとんど知られていなかったアート・ペッパーが1975年に吹き込んだ復帰作。1960年代の大半を棒に振りり、70年代も半ばが過ぎたころに登場したこの作品は、しかしながら彼が相変わらず即興演奏において素晴らしい感性の持ち主であることを伝えていた。しかも円熟味だけでなく、奔放さにおいても申し分のないプレイは、この時点でトップ・アーティストの一角に食い込む実力を示していたのだから凄い。

4.『ヴィクター・フェルドマン/ジ・アライヴァル・オブ・ヴィクター・フェルドマン』D


★ラファロとの共演が聴きもの
 西海岸で活躍したヴィクター・フェルドマンだが、東海岸派のビル・エヴァンスに通じる音楽性によってやがてファンから注目を浴びるようになった。ただしこの作品はエヴァンスがほとんど無名だった時代の1958年に録音されているし、スコット・ラファロがエヴァンスと共演するようになるのもこれよりあとのことだ。それでもエヴァンスに通じるスタイルが認められるということは、彼がフェルドマンに影響を受けたのかもしれない。

5.『オーネット・コールマン/トゥモロウ・イズ・ザ・クエスチョン』A

★コールマンのフリー・ジャズが花開く
 フリー・ジャズにおける創始者のひとりオーネット・コールマンの美学が光彩を放つ。既成の概念を打破し、ジャズの新たな時代に向かって動き始めたコールマン。ウエスト・コースト・ジャズの重鎮他をリズム・セクションに迎え(パーシー・ヒース、レッド・ミッチェル、シェリー・マン)、盟友ドン・チェリーと組んで繰り広げる新時代のジャズ。演奏は4ビートながら、そこから逸脱するプレイで個性を息づかせた歴史的傑作。

6.『シェリー・マン&ヒズ・メン/スウィンギング・サウンズ』E

★洒落たスイング感が魅力の1枚
 ウエスト・コースト・ジャズの屋台骨を背負った名ドラマー、シェリー・マンが最高のメンバーを得て吹き込んだスインギーな1枚。トランペットのスチュ・ウイリアムソンとアルト・サックスのチャーリー・マリアーノをフロントに迎えた2管編成のクインテットによる演奏は、バド・パウエルの名曲「ウン・ポコ・ロコ」で代表されるように、ビバップの要素もそこそこ感じさせる。アンサンブル重視のサウンドもこのコンボらしい。

7.『シェリー・マン/ザ・ウエスト・コースト・サウンド』D

★ウエスト・コースト・ジャズの原点がここに
 ニューヨークで活躍していたシェリー・マンだが、花を咲かせたのは西海岸に移ってから。同地の精鋭を集めて結成した「シェリー・マン&ヒズ・メン」こそが、本格的にウエスト・コースト・ジャズを奏でたグループの代表格だ。その最初の作品となったこのアルバムでは、コンボながら曲によってはビル・ホルマンのアレンジが採用され、アート・ペッパー、バド・シャンク、ジミー・ジェフリーたちが若々しいプレイを展開する。

8.『ジミー・ウッズ/コンフリクト』D

★異色のメンバーによる異色の1枚
 この作品はまるでブルーノートあたりが作りそうな内容である。アルト・サックス奏者のジミー・ウッズはフリー・ジャズにも興味を示したプレイで隠れた人気を誇る。決して有名プレイヤーではないが、この作品を残したお陰で彼の存在はジャズ・ファンの心に残ることになった。共演がアンドリュー・ヒル〜ジョージ・タッカー〜エルヴィン・ジョーンズのリズム・セクションである。それだけに、先鋭的な最後まで演奏が繰り広げられる。

9.『ソニー・ロリンズ/コンテンポラリー・リーダーズ』A

★ロリンズが西海岸代表的プレイヤーと共演
 ウエスト・コースト・ジャズの全盛期にニューヨーク派のソニー・ロリンズがロサンジェルスに乗り込み、ハンプトン・ホーズ、バーニー・ケッセル、シェリー・マンなど、コンテンポラリー・レーベルを代表する人気アーティストと共演。いつもの豪快なテナー・ブローはそのままに、瀟洒なスイング感を得たことで、ロリンズの諸作中もっともリラックスした演奏を繰り広げる1枚となった。中でも「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」が代表的。

10.『ザ・ポール・ウィナーズ/ストレイト・アヘッド」E

★15年ぶりのユニオン
 1970年代後半からコンテンポラリーは積極的にニュー・レコーディングをするようになった。その中の1枚で、これはかつての名トリオを復活させたもの。いずれもヴェテランとして、そしてそれぞれの楽器を代表するプレイヤーとして、魅力的な演奏を随所で聴かせてくれる。とくにケッセルは派手なところの少ないギタリストだが、このトリオではいつもと違い大胆なプレイを繰り広げる。それだけ気心が知れたユニットだったようだ。

11.『ハロルド・ランド/ザ・フォックス』E

★ホープの参加が気になる快作
 ハロルド・ランドはマックス・ローチ=クリフォード・ブラウン・クインテットの初代テナー・サックス奏者だったこともあって、ウエストコースターながらハード・バップのスタイルも身につけている。その彼が、これまたビバップ〜ハード・バップ的なピアノを弾くエルモ・ホープと共演したこの作品は、コンテンポラリーの諸作中でも東海岸寄りのジャズが聴ける1枚。マイナー・レーベルのハイファイ・ジャズが音源の貴重盤である。

12.『ハワード・マギー&テディ・エドワーズ/トゥゲザー・アゲイン』E

★かつての名コンビが再会
 ハワード・マギーとテディ・エドワーズはウエスト・コーストにあって、ビバップに通ずるスタイルのコンボを結成して話題を呼んだことがある。そのサウンドをしばらくぶりに復活させたのがこのアルバム。リズム・セクションを担うのはフィニアス・ニューボーン・ジュニア〜レイ・ブラウン〜エド・シグペンで、こちらは典型的なウエスト・コースト・ジャズ的なビートを刻む。これはそのズレが不思議な調和を生み出した好盤である。

13.『ハンプトン・ホーズ/オール・ナイト・セッション』B

★トリオ+ジム・ホールで名演を繰り広げる
 ハンプトン・ホーズが絶好調だった時代にレギュラー・トリオを率いてオールナイトでスタジオ・ライヴを行なった。ゲストにジム・ホールを迎えたそのときの模様は当初3枚のLPで発売されたが、現在はボーナス・トラックを1曲追加した2枚組のCDで聴ける。それにしてもホーズのプレイはスリリングだ。タッチに鋭さがあるし、夜を徹して演奏しても閃きに衰えが認めらない。ジャム・セッションで鍛えた腕は伊達でなかった。

14.『ピーター・アースキン/ピーター・アースキン』C

★注目のドラマーだった時代に残した1枚
 ウェザー・リポートでジャコ・パストリアスと強力なリズム・セクションを担った新人ドラマーのピーター・アースキンが1982年に満を持して発表した初リーダー作。この時代、コンテンポラリーはニューヨーク録音も盛んに行なっていた。そういうわけで、ここでもニューヨークを本拠地にしている、ランディとマイケルのブレッカー兄弟、マイク・マイニエリ、ケニー・カークランド、エディ・ゴメスといったひとたちが勢揃いした。

15.『フィニアス・ニューボーン・ジュニア/ワールド・オブ・ピアノ』C

★名リズム・セクションと共演した人気盤
 ジャズ・ピアノ史上屈指のテクニシャン、フィニアス・ニューボーン・ジュニアが、マイルス・デイヴィスおよびキャノンボール・アダレイのグループからリズム・セクションを得て吹き込んだトリオ作(ポール・チェンバース&フィリー・ジョー・ジョーンズ、サム・ジョーンズ&ルイス・ヘイズ)。強力な左手を駆使して演奏されるのは、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、ホレス・シルヴァーなどのジャズ・オリジナル。

16.『ヘレン・ヒュームズ/テイント・ノーバディーズ・ビジネス・イフ・アイ・ドゥ』D

★ヒュームズが実力を存分に示す
 ブルージーな歌唱に魅力を発揮するヘレン・ヒュームズが残した代表的な1枚。コンテンポラリーでヴォーカル・アルバムは珍しい。しかしこの作品はシェリー・マンのレギュラー・トリオ(ピアノがアンドレ・プレヴィンでベースがリロイ・ヴィネガー)をリズム・セクションに据え、ベニー・カーター(トランペットに専念)、テディ・エドワーズ、フランク・ロソリーノのご機嫌なホーン奏者が顔を揃える。そこも大きな聴きもの。

17.『ベン・ウェブスター/ウィズ・ジム・ホール』E

★幻のライヴを発掘
 1972年に初めて世に紹介されたライヴ・レコーディング。コンテンポラリーはこの手の未発表演奏の発掘はめったにしないが、これはたまたま1960年のライヴ・テープを入手したことから発売に踏み切ったもの。ベン・ウェブスターとジム・ホールの顔合わせが異色で興味深く、共に自分のスタイルで演奏しながらも良好なコンビネーションを発揮する。ウエスト・コースト・サウンドとは呼べない内容だが、心あたたまる演奏が見事だ。

18.『マイルス・デイヴィス&ザ・ライトハウス・オールスターズ/アット・ラスト』E

★マイルスが参加したジャム・セッション
 1953年にハーモサ・ビーチの「ライトハウス」で行なわれたジャム・セッションの模様を収録。音源はエアー・チェックと思われる。それだけに音質は良好といえない。それでも、ウエスト・コーストを代表する実力派に混ざってマイルスが繰り広げるプレイの素晴らしさは損なわれない。同じステージにはチェット・ベイカーも立ち、その演奏もこの作品には収録されている。ただし、残念ながらマイルスとの共演はない。それが惜しい。

19.『レニー・ニーハウス/レニー・ニーハウス・セクステット』E

★陰の実力者が真の実力を発揮した
 レニー・ニーハウスはアート・ペッパーやバド・シャンクの陰に隠れていたが、ウエスト・コーストきっての知性派アルト・プレイヤーとの定評が高い。クリント・イーストウッドの映画で音楽を担当している彼が残した本格的なジャズ作品は数が少ない。それだけにピアノレスの4管セクステットで吹き込まれた本作は、ジャズ・ミュージシャンとしてのニーハウスの実力を伝えるものだ。美しい音色が思いのほか魅力的に響く1枚でもある。

>「ジャズ名盤講座」バックナンバー



Related article

  • 10月27日銀座le septにて小川隆夫『ビバップ読本 証言で綴るジャズ史』発売記念イベント開催
    10月27日銀座le septにて小川隆夫『ビバップ読本 証言で綴るジャズ史』発売記念イベント開催
  • ジャズ名盤講座第26回「Fontana+Limelight編」ビギナー向け9選!マスター向け9選
    ジャズ名盤講座第26回「Fontana+Limelight編」ビギナー向け9選!マスター向け9選
  • ジャズ名盤講座第27回「Pablo編」ビギナー向け14選!マスター向け14選
    ジャズ名盤講座第27回「Pablo編」ビギナー向け14選!マスター向け14選
  • ジャズ名盤講座第25回「Philips編」ビギナー向け19選!マスター向け19選
    ジャズ名盤講座第25回「Philips編」ビギナー向け19選!マスター向け19選
  • ジャズ名盤講座第7回「プレスティッジ」ビギナー向け19選!マスター向け19選!
    ジャズ名盤講座第7回「プレスティッジ」ビギナー向け19選!マスター向け19選!
  • ジャズ名盤講座第21回「サヴォイ編」
    ジャズ名盤講座第21回「サヴォイ編」

Prev & Next

Ranking

  • 1
    素敵な遺産相続 【今週末見るべき映画】
  • 2
    小山登美夫ギャラリーが京都にオープン
  • 3
    月面着陸40周年、ルイ・ヴィトンと宇宙飛行士の新たな「旅」とは?
  • 4
    マイナス5℃の極寒世界、銀座に「アイスバー東京」
  • 5
    ジャガーX-TYPEに100台の限定モデル
  • 6
    グリーン ポルシェ!  パナメーラS e-ハイブリッド
  • 7
    明日より限定販売、原研哉が手がけた「イスパハン」の特別パッケージ
  • 8
    グランドハイアットソウルで、スペシャルなSPA体験を
  • 9
    長山智美のムームー日記SP「おお!イケアのイっケんヤ!」
  • 10
    情熱が結集した、ミカフェートの展開ブランド/コーヒーにこだわる(4)

Excite ism :

このエントリーをはてなブックマークに追加