2018年第16回 開高健ノンフィクション賞受賞「空をゆく巨人」重版決定

2018年 12月 25日 00:00 Category : Art

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現代美術のスーパースター蔡國強と、震災後、日本最大99,000本のサクラを植えるいわきの実業家・志賀忠重。

夢に挑み続ける二人の巨人の物語。

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 福島県いわき市の会社経営者・志賀忠重と中国福建省出身の世界的現代美術家、蔡國強。

 生まれた国も、育った環境も違う二人は、1980年代の終わりいわきで出会い数々の「作品」を生み出してきた。

 砂浜に埋もれた大型木造船を掘り出した作品、海に導火線を置いて走らせた炎・・・蔡が描いたスケッチを、日ごろアートに縁のない志賀らが頭と体を使って形にしていく--蔡がニューヨークに拠点を移してからも、志賀ら”いわきチーム”は作品制作に協力した。

 そんな二人の最大の作品が、東日本大震災の翌々年に制作した「いわき回廊美術館」。美術館周辺の山々には原発という「負の遺産」を故郷に残してしまったことを激しく悔いる志賀が、99,000本のサクラの木を250年かけて植樹する「いわき万本桜プロジェクト」を進めている。誰もが訪れたくなる場所にしたいという思いを込めて。

 二人の「巨人」の足跡を辿りながら、美術、ひいては「文化」というものの底力を問う、こんな時代だからこそ伝えたい、アートと人間の物語。

いわき回廊美術館/撮影:小野一夫

蔡氏の火薬画に囲まれた「いわきからの贈り物」/撮影:小野一夫

米ワシントン、スミソニアン博物館にて廃船作品を組み立てる”いわきチーム”/撮影:小野一夫

撮影:小野一夫

登場人物プロフィール
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左:志賀忠重
1950年福島生まれ。
大学卒業後、就職した会社を1年で辞め渡米。帰国後山小屋を建て自給自足生活を目指す。兄のガソリンスタンドで働いた後、起業。山小屋生活をヒントに太陽熱温水器を販売し、実績2万台。依頼されて、数々の企業を再生させる。また、大場満郎の世界初北極海単独徒歩横断を成功に導く。蔡の無名時代から数々の作品を共に制作してきた。

右:蔡國強
1957年、中国福建省生まれ。
1986年に来日。1988年いわきで初の個展開催。1994年のいわき市美術館での個展の際は数か月滞在して作品をつくった。1995年、米ニューヨークに移住。以来、世界各国で大型プロジェクト、美術館での個展を開催し、ヴェネツィアヴィエンナーレ金獅子賞など数多くの賞を受賞、北京オリンピック開会式での「巨人の足跡」も有名。


撮影:市川勝弘

著者プロフィール
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川内 有緒
1972年、東京生まれ。
日本大学芸術学部卒業後、米国ジョージタウン大学で修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏の国際機関等に勤務後、ノンフィクション作家として評伝、旅行記エッセイなどを執筆。その傍ら小さなギャラリーも運営。著書に『パリで飯を食う。』(幻冬舎)『晴れたら空に骨まいて』(ポプラ社)など。 


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