ジャズ名盤講座第17回「デッカ編」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2018年 12月 28日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Deccaの魅力を味わう名盤38選




ビギナー向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.ビギナー向け19選
『ルイ・アームストロング/サッチモ・アット・シンフォニー・ホール』A

★最高傑作の誉れ高い歴史的ライヴ作品
 RCAビクターに残した『タウン・ホール・コンサート』と並ぶルイ・アームストロングの傑作ライヴ。ジャック・ティーガーデン、バーニー・ビガード、シドニー・カトレットなど、文字どおりのオールスターズに囲まれ、サッチモがジャズの真髄を伝えてみせる。楽しさいっぱいのステージで、同時に創造的なパフォーマンスを気楽に繰り広げてしまうのがこのひとの素晴らしいところ。これぞ究極のエンタテインメントである。

2.『ルイ・アームストロング/ハロー・ドーリー!』B

★サッチモの親しみやすい魅力が爆発
 タイトル曲がヒット・チャートでナンバー・ワンに輝いたサッチモことルイ・アームストロングの人気アルバム。お馴染みのだみ声と歌心満点のトランペットが世界中のファンの心をとらえた。大ヒットしたタイトル曲のほかにも、「ブルーベリー・ヒル」や「ジーパーズ・クリーパーズ」など、親しみやすいナンバーがずらりと並ぶ。もちろん彼のトランペット・プレイも存分に楽しめるし、オールスターズによる演奏もご機嫌な聴きもの。

3.『ミルドレッド・ベイリー/ロッキン・チェア・レディ』A

★ジャズ・ヴォーカルの大御所ベイリーの名盤
 女性ジャズ・シンガーの草分け的存在であるミルドレッド・ベイリーが残したヴォーカル史上屈指の名盤。彼女の場合、歌詞を噛みしめるように歌う独特の表現が強い個性になっている。淡々と歌われる中で、思わぬほど熱いパッションを感じさせるところが魅力だ、いわゆる典型的なジャズ・ヴォーカルとは少々雰囲気が異なる。それでも、白人ながらブルースに根ざした歌唱は、後続する多くのシンガーの手本になったといっていい。

4.『カウント・ベイシー/黄金時代のカウント・ベイシー〈完全版〉』A

★ベイシー楽団による最高の演奏が聴ける
 カウント・ベイシー・オーケストラが最高の演奏を聴かせていたのは初期の時代、限定するならレスター・ヤングが在籍していた1930年代末のこと。彼との共演を含むその時期に残された演奏をすべて網羅しているのがこの3枚組だ。オーケストラはスイング・ジャズから離れ、モダンなスタイルに移行しつつあった。変遷期からモダン期にかけて残された演奏からは、ジャズの創造的な部分が生き生きとした形で伝わってくる。

5.『アル・コーン・クインテット・フューチャリング・ズート・シムズ/アル・アンド・ズート』B

★白人テナー・バトルの最高峰による決定的名盤
 レスター・ヤングから強い影響を受けたアル・コーンとズート・シムズ。名テナー・コンビによる軽快で洒落たテナー・バトルがとことんスインギーでホットなバトルを繰り広げる。バックを務める、モーズ・アリソン〜テディ・コティック〜ニック・スタビュラスのリズム・セクションもいい味を出しているし、「イッツ・ア・ワンダフル・ワールド」や「ブランデー・アンド・ビア」といった曲も、このバトル・チームにぴったりの選曲。

6.『ナット・キング・コール/イン・ザ・ビギニング』A

★初期の姿を伝える傑作選
 ナット・キング・コールが残した名演・名唱を網羅したファン必携の1枚で、ジャズ・ピアニスト兼シンガーとしての本格的なスタートを記録した記念碑的アルバム。若々しい歌声は、後年のポピュラー・シンガー時代と違ってジャジーな魅力に溢れている。すでにピアノ・トリオとしても完成された姿を記録している点で重要な意味を持つと同時に、ピアニストとして抜きん出た才能を早くも示している点で聴き逃せないアルバム。

7.『ビング・クロスビー/ホワイト・クリスマス』A

★永遠不滅の定番アルバム
 ビング・クロスビーといえば「ホワイト・クリスマス」、「ホワイト・クリスマス」といえばビング・クロスビーである。フランク・シナトラの先輩筋にあたるクロスビーの歌は、この曲からもわかるようにジャズ・シンガーというよりジャジーな表現もうまいポピュラー・シンガーといったところ。そのバランスとさじ加減のよさが魅力と個性につながった。世紀の大ヒット以外にも、クリスマスに欠かせない名曲の数々が網羅されている。

8.『デューク・エリントン/ザ・コンプリート・ブランズウィック〜ヴォキャリオン・レコーディングス 1926-1931』A

★「コットン・クラブ」時代の演奏を集大成
 デューク・エリントンのオーケストラは1927年からハーレムにあった高級クラブ「コットン・クラブ」の専属バンドになり、数年間のうちにジャズにおけるオーケストラル・サウンドを大きく発展させた。中でも《ジャングル・ムード》と呼ばれたサウンドがこのオーケストラの売りものになる。その「コットン・クラブ」時代の前後にわたって吹き込まれた演奏を集めた3枚組がこの作品。廃盤だが、中古店で見つけたら即買いである。

9.『エラ・フィッツジェラルド/ソングス・イン・ア・メロー・ムード』A

★エラが絶頂期に残した最高傑作
 3大女性シンガーの一翼を担うエラ・フィッツジェラルドが最高のジャズ・ヴォーカルを聴かせる。迫力のある歌唱はいうまでもないが、「私の心はパパのもの」や「粋な噂を立てられて」などで認められる情感豊かな表現はこのひとならでは。歌詞の解釈も見事だし、ジャジーな乗りもご機嫌。しかも名手エリス・ラーキンスの伴奏が彼女のヴォーカルに華を添える。バラードにスインギーなナンバーに圧倒的な魅力を発揮した代表作。

10.『デクスター・ゴードン/チェイス』A

★テナー・バトルが繰り広げる白熱のライヴ
 テナー・バトルの中のテナー・バトルを記録しているのがこの作品。史上名高いデクスター・ゴードンとワーデル・グレイの丁々発止としたやりとりが痛快に響く。ライヴということもあって、ふたりが白熱のブローを繰り広げる。ビバップが熱い時代に残された作品だけあって、超絶的なテクニックも繰り広げれば、挑発的な応酬も認められる。加えて、若き日のトニー・スコット率いるグループの演奏もアルバムに大きな魅力を加えた。

11.『ライオネル・ハンプトン/スターダスト』A

★お馴染みの名曲の代表的演奏が聴ける
 ライオネル・ハンプトンの名声を不朽のものにたのがこのアルバムのタイトル・トラック。彼はこれ以前にベニー・グッドマンのバンドに参加してスイング・ジャズの大ブーム招来に貢献を果たし、それによって絶大な人気とジャズ・ヴァイブにおける第一人者の地位を確立した。その最高のヴァイヴ奏者が、これまで以上に歴史的名演を繰り広げたのがこのライヴ・パフォーマンス。これぞハンプトンの魅力が横溢した快演である。

12.『ビリー・ホリデイ/ラヴァー・マン』A

★タイトル曲が最高の名唱として知られる傑作
 不世出のジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイが絶頂期を極めていた時代に吹き込んだ名唱集。表題曲をはじめ、「マイ・マン」、「クレイジー・ヒー・コールズ・ミー」、「ソリチュード」などの名曲が彼女ならではの淡々とした歌い口で綴られる。エモーションを抑えることで却って迫力が増す──そんな表現がどの曲でも印象的に響く。ホリデイの歌には哀しみが溢れている。しかしそれは絶望ではなく、次への希望に続いていた。

13.『ジャッキー&ロイ/ザ・グローリー・オブ・ラヴ』B

★ジャジーな魅力に溢れた最高傑作
 おしどりコンビの中でもっとも息のぴったり合ったチームがジャッキー&ロイだ。ジャッキー・ケインとロイ・クラールによる洒落たデュオは、これまでに何枚もの名盤を残してきた。中でも最高傑作の呼び声高い作品がABCに残されたこのアルバム。軽妙洒脱なヴォーカルに加え、クラールのピアノや、この手の伴奏ではベストの人選であるバリー・ガルブレイスのギターなど、いずれもスリリングでジャジーな楽しさを表出してみせる。

14.『ペギー・リー/ブラック・コーヒー』A

★ヴォーカル・アルバムの傑作中の傑作
 ジャズ・ヴォーカルの宝庫と呼ばれるデッカにあって、この作品は文句なくトップ・クラスの1枚に入る。ペギー・リーはやがてポップ・シンガーとして絶大な人気を誇るようになるが、それ以前に生粋のジャズ・シンガーとして吹き込んだ最高傑作がこのアルバム。苦いブラック・コーヒーに喩えた失恋ソングの表題曲を筆頭に、いずれの歌からも味わい深い風情が滲み出る。ジミー・ロウルズを中心にしたコンボによる伴奏も秀逸の一語。

15.『カーメン・マクレエ/ブック・オブ・バラーズ』B

★マクレエのうまさにかぶとを脱ぐ
 カーメン・マクレエがデッカの傍系レーベル、キャップに残したバラード集。凄みをきかせたヴォーカルに独特の味わいがある彼女だけあって、しっとりしたバラードを歌っても甘さに流されない。ピアノ・トリオをバックにしたトラックと、ストリング・オーケストラとの共演がひとつの作品で味わえるのも嬉しい。それにしてもマクレエの表現は心憎い。とりわけ「エンジェル・アイズ」における慈愛に満ちた歌は永遠の名唱と呼べる。

16.『カーメン・マクレエ/アフター・グロウ』A

★ブライアント・トリオとの共演が魅力
 ジャズ・ファンからも大きな注目を集めてきたカーメン・マクレエの小粋な作品。自身ピアニストとして活躍していたこともあって、彼女は弾き語りにも定評がある。そちらも本作の大きなポイントだが、それ以上に見逃せないのがレイ・ブライアント・トリオを伴奏者にして歌ったトラックがアルバムの中心になっているところ。彼はシンガーのバックを務めたときも魅力がいっぱいである。この作品ではそれも売りもののひとつになった。

17.『ジョージ・ラッセル/ニューヨーク、N.Y.』A

★ニューヨークをテーマにした意欲作
 独特の音楽理論で個性を発揮してきたジョージ・ラッセルが、ニューヨークをテーマにして吹き込んだコンセプト・アルバム。モード理論を駆使してのサウンド作りと演奏に充実したものを感じる。しかし彼には悪いが、興味はこのレコーディングに参加したミュージシャンの顔ぶれに向かう。ビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーン、アート・ファーマー、マックス・ローチといったいきのいい精鋭を中心にしたオーケストラが素晴らしい。

18.『トニー・スコット/イン・ハイ・ファイ』B

★名手スコットの妙技に触れる
 バディ・デフランコやハンク・ダミコと並ぶモダン・クラリネットの最高峰のひとり、トニー・スコットがブランズウィックで残した代表作。ディック・カッツやフィリー・ジョー・ジョーンズなどを集めた3種類のカルテットによる演奏は、ビバップやハード・バップがベースになったもの。満点の歌心に加えて素晴らしいテクニックも誇ったスコットの妙技が楽しめる点で、この作品は彼が残したアルバムの中でもかなり上位に入る。

19.『ジェリ・サザン/サザン・スタイル』B

★サザンが残した最高傑作
 ジェリ・サザンがピアノの弾き語りでしっとりとしたヴォーカルを聴かせる。1955年のレコーディングで、この時期に彼女が率いていたレギュラー・トリオによるものだけあって、微妙なところまで息が合っている。サザンの歌には繊細なところがある。それだけに、スモール・コンボ、それもレコーディングのために集められたメンバーではなく、手癖や歌の特徴まで知り尽くした日ごろの仲間とのパフォーマンスで本領が発揮される。



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