ジャズ名盤講座第18回「リバーサイド編 Part1」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2019年 1月 4日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Riversideの魅力を味わう名盤38選




ビギナー向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『アビー・リンカーン/ザッツ・ヒム』B

★個性的なヴォーカルに魅了される
 女優としても売り出していた時期に吹き込まれたアビー・リンカーンのリバーサイドにおける1作目。当時の彼女はマックス・ローチと組んで人権問題にも取り組んでいた。その主張が作品に反映されるのはこの後のことで、ここではスタンダードを中心に力強い歌唱を聴かせてくれる。ハスキーなヴォイスも魅力だが、説得力に溢れた表現がそれ以上に心をとらえて離さない。人気ミュージシャンがバックを固めている点も見逃せない。

2.『ウイントン・ケリー/ケリー・ブルー』A

★タイトル・トラックが永遠の輝きを放つ
 ブルース・フィーリングを横溢させたタッチに定評のあるウイントン・ケリーが残した最高傑作。トリオで演奏される5曲とホーン入りのセクステットによる3曲を収録。いずれの演奏からもスインギーで歌心に溢れたパフォーマンスが楽しめる。ケリーにとって相性のいいミュージシャンが顔を揃えたことも成功に繋がった。とりわけ、演奏にも参加しているベニー・ゴルソンが書いたタイトル・トラックの哀愁に満ちたムードは格別だ。

3.『ウエス・モンゴメリー/ザ・ウエス・モンゴメリー・トリオ』E

★ウエスが率いるオルガン・トリオによる快作
 ウエス・モンゴメリーはソウルフルなプレイも得意だった。そのことを証明してみせたのが、隠れたオルガンの名手メルヴィン・ラインと共演したこのトリオ作品。リラックスしたときのウエスのプレイには格別な味わいがある。ここでもスタンダードにブルースにと、みずからが開発したオクターヴ奏法を駆使して、彼が豪快でスインギーでホーン・ライクなプレイを連続させる。冒頭の「ラウンド・ミッドナイト」から魅力は全開だ。

4.『キャノンボール・アダレイ/イン・サンフランシスコ』A


★ここからファンキー路線が始まった!
 マイルス・デイヴィスのセクステットを退団してキャノンボール・アダレイが結成したクインテットによるファンキー・ジャズの決定版。ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」を作曲したことで知られるボビー・ティモンズの「ジス・ヒア」やオスカー・ペティフォードの「ボヘミア・アフターダーク」など、チャーリー・パーカーのスタイルをかなぐり捨てるようにしてアルト・サックスを吹くアダレイの姿が目にも眩しい。

5.『ケニー・ドーハム/ジャズ・コントラスツ』D


★さまざまな編成が楽しめる好盤
 このアルバムがレコーディングされた当時、ケニー・ドーハムとソニー・ロリンズはマックス・ローチ・クインテットのメンバーとして活躍していた。そのふたりをフロントに据え、ボスであったローチも参加して吹き込まれたのがこのクインテット作品。といっても、ロリンズは全曲に参加していない。それだけに、クインテットだけでなくドーハムのワン・ホーンによる演奏も楽しめる。2曲でハープが加わっているのも趣向的に面白い。

6.『ケニー・ドリュー/ケニー・ドリュー・トリオ』B


★ドリューがピアノ・トリオで残した名盤
 若きケニー・ドリューが残した代表作。スタンダードを中心に、デューク・エリントン、セロニアス・モンク、そして自作曲を取りあげる。マイルス・デイヴィス・クインテットで活躍するリズム・セクションと組んで、それらの曲が溌剌としたトリオ・ミュージックに実を結ぶ。小気味のよいタッチと躍動感に溢れたリズム──ドリューの真髄がここにある。若々しいプレイと共に、これらの持ち味がこの作品では随所で楽しむことができる。

7.『ジジ・グライス/ジャズ・ラブ・クインテット』D

★短命に終わったグループが残した最高傑作
 なにかの事情があったのか、ここではジジ・グライスの単独名義になっているが、《ジャズ実験室》をグループ名にしたこのクインテットは、実のところ彼とドナルド・バードのふたりがリーダーである。短期間しか存続しなかったため、この作品が残されたのは幸いだ。アレンジャーとしても優れた手腕を発揮するグライスが、コンボながらこの作品でも気の利いた編曲を施し、ありきたりのグループとは違うところを示してみせる。

8.『ジョニー・グリフィン/ザ・リトル・ジャイアント』A


★小さな巨人が持ち味を遺憾なく発揮する
 ソニー・ロリンズのライヴァルだったジョニー・グリフィンがテナー・サックスならではの豪快なブローで迫る名作。《リトル・ジャイアント》と呼ばれただけに、小柄な体のどこからこれほどまでに豪快なプレイが生み出されるのか? ニューヨーク派と組んだ演奏はハード・バップの王道を行く痛快なもの。「ロンリー・ワン」では、ロリンズの向こうを張ってピアノレスのトリオでハードなパフォーマンスまで繰り広げてみせる。

9.『セロニアス・モンク/ブリリアント・コーナーズ』A


★強い個性が聴くものを圧倒する
 セロニアス・モンクが残したアルバムの中でも最高傑作と呼ばれる1枚。クインテットによる力強い演奏が、不協和音と打楽器的なタッチを駆使する彼のプレイに一層の迫力をつけ加える。4曲のオリジナルとソロ・ピアノで演奏されるスタンダードの「アイ・サレンダー、ディア」も含めて、モンクの強い個性が聴くものを圧倒する。とくにタイトル曲や「パノニカ」で示す独自の音楽世界は、彼が孤高の域に達したことを示している。

10.『セロニアス・モンク/セロニアス・ヒムセルフ』A

★「モンクス・ムード」にはコルトレーンも参加
 孤高のピアニスト、セロニアス・モンクは生涯で何枚かのソロ・ピアノ作品を残している。これは中でも最高傑作として多くのひとが認めた1枚。お馴染みのモンク・チューンやスタンダードが彼ならではのタッチで綴られていく。ジョン・コルトレーンとウイルバー・ウエアが参加した「モンクス・ムード」も素晴らしい。CD化に伴い、レコーディングの模様がすべて聴ける「ラウンド・ミッドナイト」の拡大ヴァージョンも収録。

11.『セロニアス・モンク/モンクス・ミュージック』A

★代表的な名曲の数々をモンクが自作・自演
 セロニアス・モンクが書く曲には独特の雰囲気とメロディ・ラインに特徴がある。これは生涯で繰り返しレコーディングしたそれらの曲からもっとも個性的なナンバーを選び、自作・自演したアルバム。中でも、特異なメロディでありながら不思議な感動を呼び起こす「ルビー・マイ・ディア」の出来が出色。唯一の例外となった讃美歌「アバイド・ウィズ・ミー」では、モンクのアレンジを得て4人のホーン奏者が荘厳な響きを奏でる。

12.『ソニー・ロリンズ/ザ・サウンド・オブ・ソニー』A

★ロリンズのワン・ホーンによる歴史的名盤
 プレスティッジで吹き込んだ傑作『サキソフォン・コロッサス』から1年。同じ編成のワン・ホーン・カルテットでソニー・ロリンズが再び名盤をレコーディングした。ピアニストにブルージーなタッチで評判を呼んでいたソニー・クラークを迎え、ロリンズがトレードマークの朗々と響くブローイングを全編で展開する。とりわけ「思い出のパリ」や「エヴリタイム・ウィ・セイ・グッドバイ」での叙情味に溢れたプレイが神々しい。

13.『チェット・ベイカー/イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー〜チェット・ベイカー・シングス』C

★もうひとつの『チェット・ベイカー・シングス』
 ロサンジェルスからニューヨークに居を移したチェット・ベイカーが名作『チェット・ベイカー・シングス』の《ニューヨーク版》を吹き込んだ。ケニー・ドリュー以下ニューヨーク派のリズム・セクションをしたがえて歌われるスタンダードの数々。タイトル曲や「モア・アイ・シー・ユー」では、とくにその魅力が理想的な形で花開く。独特の気だるい雰囲気を湛えたトランペット・プレイも絶好調で、ベイカーが持ち味を存分に発揮する。

14.『チェット・ベイカー/チェット・ベイカー・イン・ニューヨーク』E


★ベイカーがハード・バップに挑む
 ウエスト・コーストのジャズ・シーンを代表するチェット・ベイカーが、ニューヨークで活躍するアル・ヘイグ、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズのビバップ〜ハード・バップ派と異色の共演を繰り広げる。3曲ではリバーサイドで売り出し中だったジョニー・グリフィンも加わって熱いソロを展開。ヴォーカルを封印し、トランペッターとしてベイカーがハード・バップ寄りの演奏で真価を発揮した充実の1枚。

15.『トゥーツ・シールマンス/マン・バイツ・ハーモニカ』B

★ハーモニカ奏者として注目を集めた1枚
 ベルギー生まれのトゥーツ・シールマンスは元を正せばギタリストながら、ハーモニカ奏者としても高い人気を博してきた。そのきっかけともいえるのがこの作品。ギター以上にエモーション豊かなプレイが、ジャズ・ファン以外のひとからも評判を呼んだ。《哀愁のハーモニカ奏者》が描くロマンティック・ジャズの世界とでもいえばいいだろうか。もちろんこの作品でもギターは弾いているが、白眉は彼のハーモニカ・プレイに尽きる。

16.『ビル・エヴァンス/ニュー・ジャズ・コンセプションズ』B

★エヴァンスの記念すべき初リーダー作
 ここからピアノ・トリオの新時代が始まった! 無名の新人だったビル・エヴァンスが吹き込んだ記念すべき初リーダー作。将来の人気曲となる「ワルツ・フォー・デビイ」のソロ・パフォーマンスを含む全12曲は、ジャズ・ピアノに新しい兆しが見えてきたことを伝えている。リリカルでロマンティック。エヴァンスの本質を見事に表出させた演奏が眩しい輝きを示す。この時点ですでにポール・モチアンが参加していることにも注目を。

17.『ビル・エヴァンス/ポートレイト・イン・ジャズ』A


★エヴァンスが残したピアノ・トリオの金字塔
 ピアノ・トリオが新たな時代を迎えた! スコット・ラファロとポール・モチアンを得たビル・エヴァンスのトリオが丁々発止としたインタープレイを繰り広げる。マイルス・デイヴィスと組んでモード・ジャズを発展させた手腕がこのアルバムでも遺憾なく発揮されていく。すべての演奏が名演と呼べる充実の内容も特筆に価する。とりわけ「枯葉」と「ブルー・イン・グリーン」の出来は、別テイクも含めて出色の内容と呼ぶに相応しい。

18.『ブルー・ミッチェル/ビッグ6』E


★ミッチェルがデビュー作で真価を発揮
 派手な人気とは無縁のところにいたブルー・ミッチェルだが、玄人筋には高く評価されていた。これはその彼による初リーダー作。ジョニー・グリフィン、カーティス・フラー、ウイントン・ケリーなど、これ以上望むべくもない豪華メンバーが顔を揃えたこの作品では、ジャズ・メッセンジャーズでヒットした「ブルース・マーチ」をはじめ、自作の「ブラザー・ボール」や「サー・ジョン」などでご機嫌なハード・バップが楽しめる。

19.『ベニー・ゴルソン/ザ・モダン・タッチ』E


★3管によるゴルソン・ハーモニーが魅力的
 ゴルソン・ハーモニーといえば、ベニー・ゴルソンとトロンボーンのカーティス・フラーによるコンビが有名だが、本作ではフラーに代わってトップ・トロンボーン奏者のJ.J. ジョンソンが参加している。おまけにケニー・ドーハムも加わり、3管による分厚いゴルソン・ハーモニーが堪能できることになった。その上、作曲者としても優れていたゴルソンの「アウト・オブ・ザ・パスト」など、自作曲が3曲聴けるのも嬉しい。


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