ジャズ名盤講座第19回「リバーサイド編 Part2」ビギナー向け19選!マスター向け19選!

2019年 1月 11日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Riversideの魅力を味わう名盤38選




ビギナー向け19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『アート・ブレイキー・アンド・ザ・ジャズ・メッセンジャーズ/キャラヴァン』B

★ファンキー・ジャズからモード・ジャズへ
 ウエイン・ショーター〜フレディ・ハバート〜カーティス・フラーの3管にフロント・ラインを拡大したジャズ・メッセンジャーズがダイナミックなパフォーマンスを展開する。若き日のショーターとハバード他が織り成すメッセンジャーズ・サウンドによる勇壮な響き。メンバーの充実に加えて、音楽的にも飛躍の時代を迎えつつあった。ファンキー・ジャズからモード・ジャズへとジャズが発展する移行期をとらえた歴史的な1枚。

2.『ウエス・モンゴメリー/フル・ハウス』A

★ウエスが白熱のライヴを繰り広げる
 オクターヴ奏法を開発したウエス・モンゴメリーが、豪快なブローイングに定評のあるテナー・サックス奏者ジョニー・グリフィンと組んでスリリングなパフォーマンスを展開。ホーン・ライクなフレージングがオクターヴ奏法によって迫力を増す。当時のマイルス・デイヴィス・クインテットからリズム・セクションがそっくりそのまま参加している点も見逃せない。ウエスの作品中でトップ・クラスにランクされるご機嫌なライヴ盤。

3.『ウエス・モンゴメリー/インクレディブル・ジャズ・ギター』A

★ウエスが残した生涯の最高傑作
 ジャズ・ギターに革命をもたらしたオクターヴ奏法を駆使し、ウエス・モンゴメリーが全編で痛快なプレイを展開する。職人芸を思わせるいぶし銀のサポートでそのプレイを盛り立てるのはトミー・フラナガン〜パーシー・ヒース〜アルバート・ヒースのリズム・セクション。ギターの革命児ウエスが最高の演奏を披露できたのもこのリズム・セクションのお陰だ。歌心と優れたテクニックが一体となったプレイはジャズ・ギターの理想像。

4.『エディ・ロックジョウ・デイヴィス&ジョニー・グリフィン/グリフ&ロック』C


★丁々発止としたバトルがご機嫌
 タイプの似ているふたりのテナー・サックス奏者が持てる才能をすべて発揮し、見事なバトルを展開する。ともに豪快なブローを得意にしているエディ・ロックジョウ・デイヴィスとジョニー・グリフィンだけに、どちらがどちらかわからなくなる局面も少なくない。ブルージーな表現もあれば歌心を満喫させてくれるパートもある。ジャズの醍醐味はバトルにあり。そのことをなにより演奏で雄弁に語ってみせたのがこのアルバム。

5.『エルモ・ホープ/ホーム・カミング』D

★久々にホープがニューヨークで録音
 1957年から西海岸に移って活動を続けていたホープが古巣のニューヨークに戻ってきたのは1961年のこと。この年には2枚のアルバムをリバーサイドで吹き込む。その1枚目がこの作品。ピアノ・トリオと3管セクステットによる演奏からは、ビバッパー〜ハード・バッパーとしての魅力が堪能できる。ちなみにもう1枚はソロ・ピアノ集の『ホープ・フル』で、こちらは1曲だけ夫人でピアニストのバーサとの共演が実現している。

6.『キャノンボール・アダレイ・ウィズ・ビル・エヴァンス/ノウ・ホワット・アイ・ミーン?』B

★キャノンボールとエヴァンスの共演作
 マイルス・デイヴィスのセクステットで同僚だったキャノンボール・アダレイとビル・エヴァンスが2年ぶりの再会を果たした。リリシズムに溢れたエヴァンスの名曲「ワルツ・フォー・デビイ」をフィーチャーしたこの作品は、ファンキー路線を歩み始めたキャノンボールにとって久々モダン・ジャズの真髄に迫るものとなった。いつになく神妙な面持ちでプレイするキャノンボールからは実力派の面目躍如たるものが認められる。

7.『サム・ジョーンズ/ザ・ソウル・ソサエティ』B


★ジョーンズがチェロで妙技を披露
 リバーサイドのハウス・ベーシスト的存在としてさまざまなセッションに起用されていたサム・ジョーンズの生涯を代表する快作。ベースも弾くが、興味深いのはチェロに専念して3管セプテットで吹き込んだ4曲。チェロを弾いても抜群のソウル・フィーリングが耳に心地よく響く。とりわけ「ディープ・ブルー・チェロ」での奔放なプレイは、なによりこのひとの才能を物語るトラックになった。共演メンバーもジョーンズにぴったり。

8.『ジミー・ヒース/オン・ザ・トレイル』E


★ご機嫌なハード・バップが聴ける1枚
 ヒース兄弟のうちパーシーを除くふたりが顔を揃えたジミーのリーダー吹き込み。ケニー・バレル、ウイントン・ケリー、ポール・チェンバースといったミュージシャンのサポートを得て、彼がワン・ホーンでご機嫌なハード・バップを繰り広げる。タイトル曲の軽妙洒脱なブローや「ジンジャーブレッド・ボーイ」のハードなソロなど聴きどころも多い。弟アルの手堅いドラミングをはじめ、バレルとケリーのブルージーなプレイも魅力的。

9.『ジョージ・シアリング/ジョージ・シアリング・アンド・ザ・モンゴメリー・ブラザーズ』C

★シアリングとモンゴメリー兄弟が奇跡の共演
 ウエス・モンゴメリーを中心にしたモンゴメリー・ブラザーズが、クールなタッチでポピュラーな人気を呼んでいたジョージ・シアリングと共演。楽器編成的に一世を風靡したシアリング・クインテットの再現ということもあって(そこにふたりのパーカッション奏者も加わっているが)、ウエスもクールな表現でシアリングに敬意を表してみせる。それが類い稀な名演を生み出した。それにしてもウエスとシアリングの相性は素晴らしい。

10.『ジョニー・グリフィン/ザ・ケリー・ダンサーズ』D


★グリフィンがワン・ホーンで快演を聴かせる
 アイルランド民謡のタイトル曲をはじめ、アメリカやイギリスで古くから伝わるフォーク・ソングを中心に取りあげたジョニー・グリフィン・カルテットによる快作。《リトル・ジャイアント》と呼ばれて豪快なプレイをするグリフィンだが、ここでは超絶的なテクニックもさることながらしっとりした歌心を聴かせている点も見逃せない。バリー・ハリスとの共演は珍しいが、ふたりの絶妙なコンビネーションもアルバムの魅力に繋がった。

11.『タッド・ダメロン/ザ・マジック・タッチ』B

★ダメロン・サウンドを堪能
 ビバップ時代を代表するピアニストにして名作曲家でもあったタッド・ダメロンの作品にスポットライトを当てたアルバム。代表曲の「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」を含む美しいメロディやバピッシュなナンバーをみずからが編曲したオーケストラで演奏してみせる。ジョニー・グリフィンやビル・エヴァンスといったリバーサイドでお馴染みのスターを集めたオーケストラも豪華なら、ダメロンの編曲も極上なことこの上ない。

12.『ドン・フリードマン/サークル・ワルツ』A

★エヴァンス派のピアニストが斬新な演奏を展開
 ビル・エヴァンスが切り開いたインタープレイの世界を新進ピアニストだったドン・フリードマンがさらなる形で受け継いだ! 知的でロマンティックに響くタッチがジャズの新たな時代を感じさせる。共演するチャック・イスラエルとピート・ラ・ロカもこの音楽性にぴたりと追随し、フリードマンを触発していく。リリシズムに溢れたプレイはいまもまったく色褪せていない。ピアノ・トリオによる名盤にしてフリードマンの最高傑作。

13.『ナット・アダレイ/ワーク・ソング』A

★「ワーク・ソング」のヒットで知られる人気盤
 兄キャノンボール・アダレイの影に隠れていたナットが、キャノンボール同様にファンキーな持ち味を全開させて放った大ヒット・アルバム。人気ギタリストのウエス・モンゴメリーを含むグループが、「ワーク・ソング」を筆頭に「プリティ・メモリー」や「フォールアウト」などでソウルフルこの上ないパフォーマンスを繰り広げる。加えてファンキー・ピアニストとして人気を高めていたボビー・ティモンズも真価と実力を発揮する。

14.『バリー・ハリス/プレミナード』E

★注目を集めていた時期にハリスが残した快作
 鮮烈なタッチとビバップ・リリシズムをバド・パウエルから受け継いだバリー・ハリスがスタンダードとオリジナルを組み合わせて吹き込んだピアノ・トリオ・アルバム。歯切れのいいタッチが明快なフレーズを生み出す。ジョー・ベンジャミンとエルヴィン・ジョーンズのサポートも、そんなハリスのプレイに抜群の相性を示す。パウエルも好んで取りあげていた「アイ・シュッド・ケア」のビバップ・ライクな響きが最高に印象的。

15.『ビル・エヴァンス/サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』A

★不滅のトリオによる歴史的なライヴを収録
 「ピアニスト+伴奏者」から「三者対等のインタープレイ」へ。ピアノ・トリオの概念を覆したビル・エヴァンス・トリオがライヴで魅力を存分に発揮する。エヴァンスを中心に、スコット・ラファロとポール・モチアンが互いを触発することでトリオの演奏を限りなく発展させる。しかしこのライヴから1週間後、ラファロが不慮の交通事故から帰らぬひとになった。それだけに、この快演はことさら重要な意味を持っている。

16.『ビル・エヴァンス/ワルツ・フォー・デビイ』A

★もうひとつの「ヴァンガード」ライヴ
 ビル・エヴァンス〜スコット・ラファロ〜ポール・モチアンによる至高のライヴ・パフォーマンスを収録。同じ日にレコーディングされた『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』と内容は甲乙をつけがたい。姪に贈った「ワルツ・フォー・デビイ」をはじめ、「マイ・フーリッシュ・ハート」や「マイ・ロマンス」など、エヴァンスのキャリアを代表する名演の数々がいまではボーナス・トラックを加えてCD 化されている。

17.『ブルー・ミッチェル/ブルース・ムーズ』B

★ミッチェルが聴かせるハード・バップの極致
 ワン・ホーン・カルテットでブルー・ミッチェルが真価を発揮。人気ピアニストのウイントン・ケリーを得てスタンダードを中心にした名曲の数々が魅力たっぷりに演奏される。翳りを帯びたミッチェルのトランペットに土の香りを湛えたケリーのピアノが絡む。サム・ジョーンズとロイ・ブルックスのサポートもふたりの音楽性に沿った内容で演奏に花を添える。ハード・バップが実りを咲かせていた時代に残された秀逸な内容の1枚。

18.『ボビー・ティモンズ/ジス・ヒア』A

★ティモンズがご機嫌なタッチを聴かせる代表作
 ジャズ・メッセンジャーズやキャノンボール・アダレイ・クインテットでファンキーな味わいのピアノを聴かせていたボビー・ティモンズ。その時代に残された最高傑作の誉れ高いこの作品は、代表的オリジナルの「ジス・ヒア」「モーニン」「ダット・デア」が収録されていることでも見逃せない。サム・ジョーンズとジミー・コブのトリオで奏でられるソウルフルこの上ないジャズ。このアルバムを聴かずしてティモンズは語れない!

19.『レッド・ガーランド/ザ・ニアネス・オブ・ユー』E

★ジャズランドでの2作目
 レッド・ガーランドの場合、やはりピアノ・トリオによる演奏が一番魅力的だ。今回も、メンバーは異なるが1作目の『ブライト・アンド・ブリージー』同様トリオでのレコーディングである。独特のブロック・コードを駆使したブルージーでスインギーなタッチがどの曲でも効果を発揮する。寛いだ雰囲気で演奏されるタイトル曲や、「ラッシュ・ライフ」、「オール・アローン」といった美しいメロディの曲がとりわけ素晴らしい。



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