ジャズ名盤講座第30回「Concord編」ビギナー向け14選!マスター向け14選!

2019年 3月 29日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Concordの魅力を味わう名盤28選




ビギナー向け14選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『秋吉敏子/フィネス』E

★最良のメンバーを得て吹き込んだトリオ作
 バド・パウエルに影響を受けた秋吉が、モンティ・バドウィクとジェイク・ハナのリズム・セクションを得て、実力を遺憾なく発揮してみせた。オーケストラであらゆる評価を得た彼女だが、ピアニストとしても傑出した存在であることは周知の事実。そのことを改めて満天下に示したのがこの作品である。オーケストラで演奏するのはオリジナルが大半だが、ここでは自作曲の数は抑え目にしてスタンダードを取りあげる。それも魅力だ。

2.『アーネスティン・アンダーソン/ハロー・ライク・ビフォア』C
★小気味のいいスイング感で人気の高い作品

 アンダーソンもコンコードから作品を出すことで人気を復活させたシンガーのひとり。というより、コンコードと契約したことでようやく実力に見合う評価を獲得したと書いたほうが適切だ。ソウルフルで味わい深い歌いっぷりはこのひとならでは。しかもバックがハンク・ジョーンズ〜レイ・ブラウン〜ジミー・スミスのピアノ・トリオとくれば、ジャズ・ファンなら一度は聴いてみたくなるはず。そして内容に満足すること請け合いだ。

3.『アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ/キーストン3』A
★マルサリス兄弟が参加した傑作中の傑作

 ジャズ・メッセンジャーズはウイントンとブランフォードのマルサリス兄弟が参加したことで音楽的にも人気面でも、それまでになく高いものを獲得した。このふたりを擁したジャズ・メッセンジャーズは何枚かアルバムを残しているが、中でも抜群の出来映えを示しているのがサンフランシスコの人気クラブでライヴ収録されたこの作品。若手の逸材で固めたグループをバックに御大のブレキーによる触発的なドラミングもご機嫌に響く。

4.『ローズマリー・クルーニー/カミング・アップ』B
★クルーニーが満を持して発表した復帰作

 ヴォーカル・アルバムにも力を入れていたコンコードだけに、病気療養から復帰したクルーニーを迎えたのも自然の流れだった。全盛期はとっくに過ぎていたものの、しかしながらここから彼女の新しいキャリアがスタートした。ヴェテランの味と少女のように無垢な表現が同居したクルーニーのヴォーカルはそれにしても新鮮だった。スコット・ハミルトンやナット・ピアースを集めたバックのコンボも彼女の歌を盛りあげる。

5.『ハーブ・エリス&ジョー・パス/ジャズ・コンコード』A

★栄光のコンコードにおける記念すべき1作目
 歴史はここから始まった。西海岸の街で生まれたジャズのマイナー・レーベル、コンコードから発表された最初の作品。当初、レーベルは販売網を持たなかったため、このアルバムは通販でしか入手ができなかった。そのオリジナル盤はマニアの間で高値で取引されているという。渋いギタリストのふたりが丁々発止とした展開で演奏を盛りあげる。両者にとっても再評価につながった1枚で、洒落た演奏はまさに大人のジャズの味がする。

6.『スタン・ゲッツ/ドルフィン』A
★ゲッツがライヴで真髄を発揮した

 クール・テナーの大御所、ゲッツもコンコードで蘇生したひとり。このレーベルでレコーディングしてから、彼はそれまでにない充実した活動を示すようになった。そのことを予兆させてくれたのがサンフランシスコの名物クラブ「キーストン・コーナー」で収録されたこのアルバム。ワン・ホーン・カルテットで、バックはルー・レヴィーのピアノが中心のトリオ。このレヴィーとのコンビネーションが抜群にいい。そこが最高の聴きもの。

7.『グレイト・ギターズ』C


★3人の名手が奔放なプレイを繰り広げる
 初期のコンコードはギター・アルバムの宝庫だった。ここではレーベルの常連ハーブ・エリスのほかにチャーリー・バードとバーニー・ケッセルが集められ、ヴェテラン・ギタリストの3人がそれぞれの持ち味を披露する。「コンコード・ジャズ・フェスティヴァル」のライヴを収録したこともあって、どちらかといえば控えめな性格の彼らがここでは張り切ったプレイで触発し合う。ほどよいライヴァル心も認められ、それも功を奏した。

8.『スコット・ハミルトン』A


★スイング時代が現代に甦った!
 ハミルトンの登場はセンセーショナルだった。いっきに40年ほど時代をさかのぼったオールド・ファッションなスタイルが、フュージョンで熱く燃えていた時代に却って新鮮に響いた。これはその彼が吹き込んだデビュー作。いまでは違和感がまったくないものの、当時はこの面白さや楽しさに多くのファンが仰天したものだ。これもコンコードの趣味のよさを表した典型的な1枚で、メジャー・レーベルは絶対に手を出さない内容。


9.『ザ・ジーン・ハリス・トリオ・プラス・ワン』C


★ソウルフルなタッチが全編で聴ける
 ハリスはスリー・サウンズのリーダーとして一世を風靡したピアニストだが、1970年代に入ると活動を縮小し、やがてシーンから姿を消してしまった。そんな彼に録音のチャンスを与えたのがコンコード。ここでは同じくソウルフルなプレイが持ち味のテナー・サックス奏者スタンリー・タレンタインをゲストに迎え、ハリスが持ち味と実力をたっぷり聴かせてくれる。まるでかつてのブルーノート作品のようで、ファンには応えられない。

10.『ハンク・ジョーンズ/ロッキン・イン・リズム』E


★ジョーンズの魅力が堪能できるトリオ作品
 コンコードにはピアノ・トリオ作品が多い。中でも本作は内容の点でトップ・クラスの1枚。レイ・ブラウンとジミー・スミスをジョーンズにぶつけたところがこのレーベルらしい。当時のジョーンズは、ロン・カーターとトニー・ウィリアムスで構成されたグレート・ジャズ・トリオでハードな響きの作品を連発していた。その影に隠れがちだが、こちらはいかにも彼らしいスインギーなタッチでヴェテランの味を聴かせてくれる。

11.『LA4/ジャスト・フレンズ』A

★スーパー・コンボによる傑作中の傑作
 LA4はウエスト・コーストのジャズ・シーンを代表するミュージシャン、バド・シャンク、ローリンド・アルメイダ、レイ・ブラウン、そしてジェフ・ハミルトンによる名門コンボだけに、コンコードがレコーディングするのも時間の問題だった。彼らは何枚かアルバムを残しているが、中でもチック・コリアの「スペイン」を取りあげたこの作品は、意欲的な内容と各人が最高の個性で演奏を繰り広げたことから傑出した評判を獲得した。

12.『タニア・マリア/カム・ウィズ・ミー』C

★マリアの人気を決定的にした大ヒット作
 弾き語りで魅力的なパフォーマンスを聴かせてくれるタニアが残した聴き応え十分なアルバム。サンバ、ボサノヴァ、ジャズ、そしてソウル・ミュージックの要素も加味した彼女のヴォーカルは、それまでに慣れ親しんできたブラジルのアーティストとはひと味もふた味も違う。その強烈な個性と相まって、タニアはこの作品で独自の歌を聴かせてくれる。サポートするメンバーにもブラジル系のひとを加え、自然なフュージョンが完成した。

13.『ジョージ・シアリング/ブレイキング・アウト』E

★ピアニストとしてシアリングが実力を発揮
 どちらかといえば洒落たタッチでムードを重視したプレイをするシアリングだが、この作品での彼は別人だ。ジャズ・ベースの大御所レイ・ブラウンと売り出し中の新人スミッティ・スミスを得て、ときにハードに、そしてときに大胆なタッチを披露する。シアリングがバド・パウエルの「ハルシネイションズ」まで演奏するとは思わなかった。そんなところにも強い意気込みが感じられる。ここにはぼくらのイメージを超えた彼がいる。

14.『イヴニング・ウィズ・ジョージ・シアリング&メル・トーメ』A

★ゴージャスこの上ないデュオ・ライヴ
 ヴェテラン・ピアニストのシアリングとクルーナー唱法で抜群の魅力を発揮するトーメ。どちらもコンコードと契約したことから夢の顔合わせが実現した。ふたりにベースのブライアン・トーフを加えただけのシンプルなセッティングで十八番の曲が次々と取りあげられる。そしてラストはもちろん「バードランドの子守唄」。まさに極上のステージが楽しめる1枚で、なおかつふたりのスターの魅力が存分に味わえる趣向になっている。




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