ジャズ名盤講座第30回「Concord編」ビギナー向け14選!マスター向け14選!

2019年 3月 29日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Concordの魅力を味わう名盤28選



2.マスター向け14選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『モンティ・アレキサンダー/ファセッツ』C


★ラテン・タッチのピアノが爽やかに響く
 アレキサンダーもコンコードを代表するひとり。ハウス・リズム・セクションともいえるレイ・ブラウンとジェフ・ハミルトンを得て、ブルージーでラテン・フレイヴァーを横溢させたピアノ・プレイがはじける。抜群のテクニックを誇る彼だけに、コンコードではピアノ・トリオによる作品が多い。中でも移籍1作目となったこのアルバムで、アレキサンダーは持てる魅力をすべて全開してみせた。痛快無類なプレイが長く余韻を引く1枚。

2.『レイ・ブラウン/ライヴ・アット・ザ・コンコード・ジャズ・フェスティヴァル 1979』D


★トリオにゲストを迎えた強力ライヴ
 コンコードのハウス・リズム・セクションともいうべきブラウン〜モンティ・アレキサンダー〜ジェフ・ハミルトンのトリオにゲストとしてアーネスティン・アンダーソンを迎え、レーベルの本拠地であるフェスティヴァルで収録された1枚。図太いサウンドを持つブラウンの見事なプレイを中心に参加メンバー全員がそれぞれの持ち味を発揮する。ありきたりのピアノ・トリオ編成でここまで魅了される内容も珍しい。そこが大きな魅力だ。

3.『デイヴ・ブルーベック/ペイパー・ムーン』E

★ブルーベックの美しいタッチが心に染み入る
 最初から大物志向が強かったコンコードは1980年代に入ってその路線をいっそう明瞭なものにしている。その典型例がブルーベックの起用だ。常にレギュラー・コンボを率いて活躍してきた彼だけに、この作品でも当時のレギュラー・カルテットが安定感に溢れた美しい響きを追求する。ブルーベックのタッチは明快でスインギー。しかも音楽的には奥が深く、知的な響きに溢れている。そういうアルバムの制作姿勢もコンコードらしい。

4.『ロン・カーター&ジム・ホール/ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ウエスト』E

★渋いが実に味わい深いアルバム
 カーターとホールのデュオといえば、この作品が吹き込まれた10年ほど前に、ニューヨークの「プレイボーイ・クラブ」で実況録音された『アローン・トゥゲザー』(マイルストーン)が名盤の誉れ高い。その続編としてレコーディングされたのがこのライヴ。どちらも名手ながら、演奏はシンプリシティに徹している。それゆえ渋い印象を受けるが、聴き込めば聴き込むほどその素晴らしさに胸を打たれるし、それゆえ飽きがこない。

5.『ローズマリー・クルーニー/シングス・バラッズ』C

★ロージーが天下一品のバラードを披露
 コンコードから作品を発表するようになって、以前は美人シンガーと形容されることの多かったクルーニーは実力抜群の白人女性シンガーと認められるようになった。その真価を存分に発揮したのがこのバラード・アルバム。しっとりとした表現は年輪を重ねたシンガーならではのもの。バックも彼女お気に入りのスコット・ハミルトンをはじめウォーレン・ヴァシェやジェイク・ハナなど、名うての名手が揃い、それも魅力になっている。

6.『ハーブ・エリス&ジョー・パス/セヴン、カム・イレヴン』B

★エリスとパスのコンビによる2作目
 両者の共演はパブロでも残されているが、コンコードから出た2作はリズム・セクションがバックについたカルテット編成。純粋なギター・デュオであるパブロ盤の『トゥー・フォー・ザ・ロード』も素晴らしい内容だが、リズム・セクションがバックについた演奏のほうが親しみやすい。どちらも名手と呼ぶに相応しい実力派である。それだけに、さまざまなテクニックと表現の応酬が圧巻の展開を示す。ギター・ファン必聴の名盤である。

7.『タル・ファーロウ/サイン・オブ・タイムス』D

★復活なったファーロウによる代表的な1枚
 1950年代に優れた作品をいくつも残したファーロウは、続く60年代をほとんど活動しないままに終えている。その後に本格的なカムバックを遂げ、本作を吹き込んだころには再びかつての名手ぶりを発揮するようになった。第2の全盛期とも呼べるこの時代に残された演奏の中で、いかにもファーロウらしいシングル・ノートでホーン・ライクにプレイする姿をとらえたのがこの作品。ドラムレスのギター・トリオ編成というのもいい。

8.『スタン・ゲッツ/ピュア・ゲッツ』B

★クール派のゲッツがホットにブロー
 1970年代後半はやや低調だったゲッツだが、コンコードでアルバムを発表するようになって復調した。そのことを伝えているのが、先に録音した『ドルフィン』と本作だ。どちらもワン・ホーン・カルテットでゲッツが朗々と響くブローを聴かせてくれる。とくにこちらの作品では若手中心のリズム・セクションを得て、ゲッツが斬新なアプローチも示す。決してヴェテランの地位に甘んじない真摯な姿勢も演奏を小気味のいいものにした。

9.『ステファン・グラッペリ/ステファノヴァ』E

★フランスの人間国宝による名演集
 フランスにとどまらずジャズ界の至宝ともいえるヴァイオリンの最高峰グラッペリによる寛いだ1枚。バックがマーク・フォセットのギターだけというのもいい。渋い内容だが、グラッペリのヴァイオリンはきらびやかな響きを有している。それがシンプルこの上ない編成の中でいつも以上に美しい輝きを示す。しかも取りあげられるのはお馴染みのスタンダードが中心。素晴らしいジャズは国境を越えてひとびとの心を揺さぶる。その典型だ。

10.『スコット・ハミルトン2』C

★ハミルトンの滋味に溢れたプレイが味わえる
 ジャケットに引用された「最近登場したもっとも独創的なジャズ・ミュージシャン」というコメントは『ニューヨーク・タイムズ』紙にジョン・S・ウィルソンが寄せた言葉。そのものズバリで、ハミルトンは現代に甦ったレスター・ヤングかベン・ウェブスターといったプレイで大きな評判を獲得した。彼につき合うピアニストのナット・ピアースもこの手の演奏をさせたら名手中の名手である。このコンビネーションも傾聴に値する。

11.『バーニー・ケッセル&ハーブ・エリス/プア・バタフライ』D

★ギター・アルバムの宝庫に残された裏名盤
 発売された当初こそ話題になったものの、素晴らしいアルバムが次から次へとリリースされたことで、この実り豊かな作品はあまり大きな評判を呼ばずに忘れ去られてしまった。しかし内容は見事の一語に尽きる。ケッセルとエリスは『グレイト・ギターズ』でも顔を合わせているが、チャーリー・バードを加えたその作品より、本作のほうがふたりの個性をじっくり聴くには適している。スインギーなプレイの真髄が味わえる点でも最高!

12.『バド・シャンク/サンシャイン・エクスプレス』E


★シャンクが全盛期の勢いを取り戻した
 かつてウエスト・コーストのジャズ・シーンで活躍した代表的なアーティストを積極的に起用したのもコンコードの特徴である。超大物アルト・サックス奏者のバド・シャンクの作品がカタログに並んでいることがレーベルの価値を高めることにつながった。ストレートにメロディを演奏し、艶やかな音色で朗々と響くソロを吹く。シャンクの魅力が往年の演奏以上に魅力的に聴こえるのは、そこに円熟の味が加わったからに違いない。

13.『カーメン・マクレエ&ジョージ・シアリング/トゥー・フォー・ザ・ロード』A

★両者の持ち味が魅力的な形で花開いた
 ピアノだけをバックにしたヴォーカル・アルバムも世の中にはいろいろあるが、これを上回る内容の作品は思い浮かばない。まさに運命の出会いというか、このふたりほど相性のいいパフォーマンスを聴かせてくれるコンビはいない。ドスを効かせた歌をうたうマクレエに対し、トーメは懐の深いプレイで応ずる。スリリングでいて和やか。穏やかな響きの中にも指を鳴らしたくなるスイング感が息づく。こんなコンビは他に存在しない。

14.『ジェームス・ウィリアムス/ジ・アリオソ・タッチ』D


★隠れた名ピアニストによる充実の吹き込み
 ジャズ・メッセンジャーズに参加して一躍注目を集めたウィリアムスもコンコードで吹き込みを残していた。彼につき合うのはバスター・ウィリアムスとビリー・ヒギンズ。どちらもピアノ・トリオ編成で理想的なサポートをするひとたちだ。経験豊富な彼らを得て、ここでのウィリアムスは物怖じすることなく真価を存分に発揮する。スタンダード中心の選曲ながら斬新なプレイを繰り広げるのは、3人の気持ちがひとつになれたから。




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