ジャズ名盤講座第31回「Muse+Xanadu編」Muse19選!Xanadu19選!

2019年 4月 5日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Concordの魅力を味わう名盤28選



2.Xanaduの魅力を味わう名盤19選

大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『ケニー・バロン/アット・ザ・ピアノ』E


★過小評価されていた時代に残したソロ作
 名手バロンが鮮やかにリリカルな世界を描き出す。さまざまな楽想・曲想の曲を取りあげる中で淡々と個性を示していくさまが心地よい。ソロ・ピアノということで、いつも以上にバロンの本質がさらけ出される。そこもファンにとって興味深い。彼がこれほどまでにバド・パウエルを敬愛しているとは思わなかった。その深い愛情を示してみせた名演がアルバムの冒頭を飾った〈バド・ライク〉だ。この自作曲に魅力が集約されている。

2.『ボブ・バーグ/ニュー・バース』E

★新人時代に残した意欲的な初リーダー作
 無名に近い新人だったバーグがこのアルバムでいっきに注目される存在へと踊り出た。コルトレーン・スクールの逸材を思わせるスケールの大きなプレイが、同じく若手の注目株だったトランペット奏者トム・ハレルと組んだことでいっそうの魅力を放つ。シダー・ウォルトンやアル・フォスターといった職人肌のリズム・セクションを得ての堂々たるブローは並みの新人とはとても思えない。その後の成長を考えればそれも当然だが。

3.『ソニー・クラーク/メモリアル・アルバム』D


★クラークが残した貴重なプライヴェート録音
 バディ・デフランコ・カルテットに参加してウエスト・コーストで活躍していた時代、クラークは評論家のレナード・フェザーが組織した「ジャズ・クラブU.S.A.」で同カルテットの一員としてヨーロッパ・ツアーに出ている。これはそのときに、オスロで開かれた深夜のジャム・セッションを居合わせたファンが録音したもの。ときは1954年1月15日。ニューヨークに出てブルーノートから次々とアルバムを発表するのは数年後のことだ。

4.『ソニー・クリス/サタデイ・モーニング』A


★いぶし銀の魅力を持つクリスの快作
 アルト・サックス奏者として魅力的なプレイを聴かせたクリスだが、残念ながら実力に見合う評価は、みずからの手で人生を閉じるまで、一度として得ることができなかった。しかしこういうプレイやーこそ通のファンは好むもの。このアルバムが好例だ。バリー・ハリス・トリオをバックに、ワン・ホーン・カルテットでモダンなビバップを存分に聴かせてくれる。まるで1970年代に甦ったパーカーとバド・パウエルの演奏みたいだ。

5.『アル・コーン/ノー・プロブレム』B

★モダン派のコーンによるスインギーな1枚
 ズート・シムズとのコンビで人気を博したコーンは、単独リーダー作品でも素晴らしい演奏を聴かせてくれた。中でもザナドゥに残されたこのアルバムは、レーベルのハウス・ピアニスト的存在だったバリー・ハリスとの珍しい共演が実現したことで注目に値する。本来はモダン・スイング派的なプレイヤーであるコーンが生粋のビバッパーと共演することで、いつも以上にパワフルなブローを繰り広げる。それが見事な内容に結びついた。

6.『アール・コールマン/ゼアーズ・サムシング・アバウト・アン・オールド・ラヴ』E


★魅惑のヴォイスを惜しげもなく聴かせる
 ザナドゥの功績はいくつかあるが、辛酸を舐めていた実力派にスポットライトをあてたことも大きなもののひとつだ。さしずめこのコールマンはその代表格のひとりといっていい。極めつけのバラードを中心にしたクルーナー唱法が魅力のシンガーである。その彼のヴォーカルと、これまた実力の割に正しい評価がなされていなかったギタリストのテッド・ダンバーによるソロを1曲ずつ交互に挟んだ企画性に溢れたアルバムがこの作品。

7.『ケニー・ドーハム/メモリアル・アルバム』A


★《静かなるケニー》が熱いプレイを繰り広げる
 この演奏が録音された1960年は、ドーハムがもっとも好調だった時期に相当している。前年に生涯を代表する傑作『静かなるケニー』(プレスティッジ)を発表していることからもそれはわかるだろう。そのレコーディングに参加していたトミー・フラナガンを再び迎え、その好調さを維持したまま吹き込んだのがこの作品。『静かなるケニー』はカルテットによる演奏だったが、ここではクインテット編成になっている点も聴きもの。

8.『タル・ファーロウ/ファースト・セット』B

★シングル・ノートを駆使した快演が連続
 優れた作品を連発していた時期のリハーサル・テープをアルバム化した1枚。エディ・コスタとヴィニー・バークのトリオは名盤『タル』や『スインギング・ギター』(どちらもヴァーヴ)で一緒だったレギュラー・トリオである。そこにジーン・ウィリアムスのヴォーカルも曲によって加わるが、ファーロウの魅力は音質の芳しくないこの演奏でもまったく損なわれていない。同時収録の『セカンド・セット』も本作と遜色のない内容だ。

9.『ジョー・ファレル/スケート・ボード・パーク』C

★チックとの再会が久々に実現
 ファレルは1970年代を代表するフュージョン・グループのひとつ、リターン・トゥ・フォーエヴァーの初代サックス奏者。その彼が、リターン〜のリーダーであるチック・コリアを迎え、ワン・ホーン・カルテットで豪快なプレイを展開する。フュージョン派と見られていたファレルだが、もとを正せば正統派コルトレーン・スクールの優等生だ。そんな本領も、リーダー作だからこそ発揮された。そこに絡むチックのプレイも素晴らしい。

10.『バリー・ハリス/プレイズ・バリー・ハリス』A

★ザナドゥを代表するハリスの最高傑作
 いまのファンは意外に思うかもしれないが、本作が録音された時期のハリスは一般的な人気からかなり離れたところにいた。その彼に次々と吹き込みのチャンスを与え、魅力と実力を多くのひとに知らしめたのがザナドゥだった。正統派ビバッパー、あるいはバド・パウエルの後継者として、ハリスはこの作品で持ち味を遺憾なく発揮する。自作曲を取りあげたのも、彼がいかに素晴らしい音楽家であるかを満天下に知らしめるものとなった。

11.『バリー・ハリス/ザ・バード・オブ・レッド・アンド・ゴールド』E

★5年ぶりの新作で健在なところを示した
 1970年代にザナドゥから次々と魅力的なアルバムを発表していたハリスだが、80年代半ばになってレコーディングが途絶えてしまう。ニューヨークで経営していたジャズ・クラブの仕事が忙しくなったからだ。そういうわけで、ライヴ活動はコンスタントに続けられていた。その快調ぶりを伝えているのが84年以来のレコーディングとなったこの作品だ。しかもソロ・アルバムで、タイトル曲では味のあるヴォーカルまで聴かせてくれる。

12.『アル・ヘイグ/ライヴ・イン・ハリウッド』E


★白人ビバップ・ピアニストによる未発表ライヴ
 チャーリー・パーカーとの共演で歴史に名を刻んだヘイグは、ビバップ時代に白人で最高のプレイを身につけたピアニスト。しかし1960年代以降、かなりの期間にわたって活動を休止している。それだけに、絶好調の時代にあった52年にライヴ収録されたこの演奏はいろいろな意味で貴重だ。しかも共演者にはチェット・ベイカーやソニー・クリスの名前も認められる。東西ジャズ・シーンの逸材がここで出会っている点も見逃せない。

13.『ウイントン・ケリー/ブルース・オン・パーパス』D


★ザナドゥを代表する未発表ライヴ集
 ザナドゥのゴールド・シリーズには1枚も駄作がない。中でも優れた内容を誇っているのがこの「ハーフ・ノート・ライヴ」。録音されたのは1965年で、収録された3つのライヴはいずれもポール・チェンバースとジミー・コブのトリオによるもの。かつてのマイルス・デイヴィス・クインテットのリズム・セクションで、この時期はレギュラー・トリオとして活躍していた。それだけに、息もぴったりのトリオ・ミュージックが展開される。

14.『チャールス・マクファーソン/ビューティフル!』B

★このアルバムで人気が爆発!
 バリー・ハリスと並んでビバップの香りを湛えたプレイで評判を呼んだのがマクファーソン。ハリスが現代版バド・パウエルなら、こちらは現代版のチャーリー・パーカーだ。それだけに、両者が共演した作品もいろいろと残されている。しかしザナドゥからの1作目となったこのアルバムでは、ハリスに代わってデューク・ジョーダンが参加している。こちらはパーカー・クインテットの生え抜きだ。それだけに理想的な共演が実現した。

15.『セロニアス・モンク/ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ゲイト』E


★1963年のライヴをシュリッテンが発掘
 リバーサイド時代にようやく正当な評価を受けるようになったモンクは、次のコロムビア時代にジャズ界で不滅の名声を確立した。その時期に残されたライヴだけに、この作品では彼ならではの世界が全編にわたって繰り広げられる。チャーリー・ラウズを擁したカルテットも油が乗り切っており、モンクが描く摩訶不思議な世界をさらに魅力的なものにしていく。取りあげられたのもお馴染みの自作曲やスタンダードばかりで好ましい。

16.『アート・ペッパー/アーリー・ショウ』E

★若き日のペッパーの全貌をとらえたライヴ
 ペッパーがスタン・ケントン楽団から独立してカルテットを結成したのは1951年秋のこと。彼はさっそくハリウッドにあった「サーフ・クラブ」と長期の契約を結ぶ。このときの演奏が大きな評判を呼び、やがてペッパーの名前は多くのファンに知られるものとなった。その時期に同クラブで残されたライヴが本作品と続編の『レイト・ショウ』だ。どちらもハンプトン・ホーズを擁するレギュラー・カルテットによる熱演が印象的。

17.『バド・パウエル/バド・イン・パリ』E

★パウエルがパリで残したライヴが聴ける
 パウエルがパリに移住したのは1958年のこと。ニューヨーク時代に比べると心の平安を取り戻したようで、演奏に落ち着きがある。ただし、テクニックの衰えはいかんともしがたい。そのことをあからさまな形で伝えているのもこの作品だ。59年から60年にかけて残された4つのライヴでアルバムは構成されている。ジョニー・グリフィンやバルネ・ウィランの参加が興味深い。CD化に際してはそこに45年の貴重な3曲も追加された。

18.『ジミー・レイニー/インフルエンス』B

★名手レイニーが味わい深いプレイを展開
 レイニーに吹き込みのチャンスを与えたこともザナドゥの功績だ。渋いプレイでとことん創造的な演奏を追求していたのが彼である。それだけに、レコード会社は積極的にその作品を作ろうとしなかった。しかしザナドゥはそんなレイニーに思う存分やりたいことをやらせた。その1作目がサム・ジョーンズにビリー・ヒギンズという、いつもの彼から考えたらまったく異色のリズム・セクションを組み合わせたこのアルバム。

19.『V.A./ナイト・フライト・トゥ・ダカール』E


★アフリカのダカールで開かれたライヴ
 アル・コーン、ビリー・ミッチェル、ドロ・コーカー、リロイ・ヴィネガー、フランク・バトラーから成る《ザナドゥ・オールスターズ》がダカールのジャズ・フェスティヴァルに乗り込んでご機嫌なプレイを繰り広げる。それぞれが独特のスタイルを持っているものの、ザナドゥというレーベル・イメージが各人の心の中にあったのか、演奏はモダンなビバップ〜ハード・バップ路線で見事なまとまりを示す。そこが最大の聴きどころ。




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