ジャズ名盤講座第34回「Capitol編」Capitolの魅力を味わう名盤ビギナー向け24選!マスター向け24選!

2019年 4月 26日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座

Capitolの魅力を味わう名盤 ビギナー向け24選




大名盤=A 名盤=B 人気盤=C 裏名盤=D 推奨盤=E

1.『キャノンボール・アダレイ/マーシー・マーシー・マーシー』B

★ジャズ・ロック史に輝くソウルフルな名盤
 ジャズ・ロックの3大名曲といえば、〈ウォーターメロン・マン〉、〈ザ・サイドワインダー〉、そして〈マーシー・マーシー・マーシー〉ということで大方の意見は一致する。ジョー・ザヴィヌルが書いたこのソウルフルな曲はイントロのリズムから聴くものの心をとらえて離さない。そこにジャズ・ロックの魅力も集約されている。これはほとんどアドリブが登場しないものの、ソウルフルな響きだけで最後まで聴かせてしまう名演。

2.『サージ・チャロフ/ブルー・サージ』A

★チャロフの真髄が味わえる
 層の薄いバリトン・サックス・シーンにあって、ソロイストとしてもっとも創造的なプレイを繰り広げたひとりがチャロフだ。彼が残したリーダー作は数が少ないものの、幸いなことにいずれもが素晴らしい内容を誇っている。中でも人気が高いこの作品はソニー・クラークが参加している点でも要注目だ。豪快で無骨なバリトン・サウンドにクラークのブルージーなタッチが映える。改めてチャロフの名手ぶりに酔わせられる快作。

3.『ジューン・クリスティ/サムシング・クール』A

★クール派シンガーによる最高傑作
 スタン・ケントン楽団からは何人もの魅力的な白人女性シンガーが輩出された。中でもクリスティはいかにも白人的な洗練されたヴォーカル・スタイルで高い人気を誇っている。その彼女が残した生涯の最高傑作がこの作品。知られている通り、この作品にはモノラル盤と、のちに録音し直されたステレオ盤の2種類が存在する。現在ではその両方を2イン1の形で収録し、最高の音質を求めてリマスタリングされたアルバムも登場した。

4.『ナット・キング・コール/アフター・ミッドナイト』A

★ナットの代表曲を最高のメンバーで再現
 数多くの作品を残しているナット・コールだが、中でも出来のよさで1、2を争っているのがこの作品。しかもCD化に際しては6曲のボーナス・トラックを追加してのリマスタリング盤というのが嬉しい。お馴染みの〈スウィート・ロレイン〉、〈ペイパー・ムーン〉、〈ルート66〉などが、これで望み得る最良の音質で甦ることになった。伴奏陣も豪華だし、ハリー・スウィーツ・エディソンやウィリー・スミスといったゲストも魅力だ。

5.『マイルス・デイヴィス/クールの誕生』A

★西海岸のジャズ・シーンに影響を与えた名作
 わずかな期間しかライヴ活動を行なわずに解散した歴史的な9重奏団による唯一の公式アルバム。ホットな演奏を主体にしたビバップが全盛の時代に、マイルスが重厚なアレンジとアンサンブルを得て、抑制されたクールな響きに満ちたソロを繰り広げる。独特のブラス構成によるユニークな響きはギル・エヴァンス、ジョン・ルイス、ジェリー・マリガンといった才人の手によるもので、それをバックにマイルスがクールなソロを綴る。

6.『デューク・エリントン/エリントン '55』D

★50年代半ばに録音された名曲の再演集
 エリントンは自作の曲を何度もレコーディングしていることで知られる。この作品もオーケストラのために書いた代表曲を、当時の最新メンバーで吹き込み直したもの。この時期のオーケストラは充実していた。クラーク・テリー、キャット・アンダーソン、ハーリー・カーネイ、ラッセル・プロコープなど、キラ星のようなスターたちが〈ロッキン・イン・リズム〉や〈スイングしなけりゃ意味ないね〉といった名曲を聴かせてくれる。

7.『フォア・フレッシュメン/アンド5トロンボーンズ』A

★モダン・コーラスの魅力が堪能できる
 モダン・コーラスの最高峰フォア・フレッシュメンが残した最高傑作。みずからも楽器を操る彼らだが、ここでは5トロンボーン+4リズムのバック・バンドを得て、コーラスに徹してみせる。クローズド・ハーモニーからオープン・ハーモニーまで、さまざまなコーラス・テクニックを駆使したパフォーマンスはまさにグループの独壇場だ。ことに冒頭を飾る〈エンジェル・アイズ〉が彼らならではの抜群の内容で、聴き応え満点。

8.『ジュディ・ガーランド/ジュディ・アット・カーネギー・ホール』B

★ジュディが持てる魅力を全開したライヴ
 天才少女歌手としてデビューしたジュディの芸能生活を総括するコンサートが開かれたのは61年のこと。舞台は「カーネギー・ホール」。この時期の彼女はシンガーとして絶頂かつ円熟の時代を迎えていた。お馴染みのヒット曲を網羅した豪華なコンサートが収録されているだけに、このアルバムはその年のポピュラー・アルバム・チャートで第1位に輝いている。こういう内容の作品を作らせたらキャピトルの右に出るものはいない。

9.『ジミー・ジェフリー/ジミー・ジェフリー』E


★ジェフリーの特異な個性が輝く
 ウディ・ハーマン・オーケストラの《フォア・ブラザーズ》で名を売ったジェフリーの名作。西海岸を代表する面々と組んだ編成の違うコンボがここでは3種類起用されている。いずれも彼のクールなサックスやクラリネットをフィーチャーしたもので、ちょっとしたアンサンブルの中でジェフリーの個性が浮き彫りにされる。とりわけ、バド・シャンク、ショーティ・ロージャース、ジャック・シェルドンとの4管編成による演奏が面白い。

10.『ベニー・グッドマン/ベニー・グッドマン物語』C


★グッドマンの伝記映画のサントラ盤
『ベニー・グッドマン物語』はハリウッドが制作した最高のジャズ映画だった。同作で使われた名曲の数々をキラ星のようなスター・プレイヤーたちとスタジオで再録音したのがこの作品。《スイング王》と呼ばれたグッドマンの代表的なレパートリーの数々がリメイクながらオリジナルに負けず劣らずの素晴らしい内容で甦る。彼の魅力を知るには最適な1枚であると同時に、スイング・ジャズ最良の演奏を収録した作品でもある。

11.『ハンク・ジョーンズ/タレンテッド・タッチ』E

★ジョーンズがご機嫌なプレイを展開
 渋い名脇役的存在のジョーンズにスポットライトを当てた作品。サヴォイでリーダー作を何枚も残していた彼だが、メジャーからアルバムを発売するチャンスはなかなか巡ってこなかった。それもあって、このときはことのほか張り切っていたようだ。趣味のいいタッチに加え、随所で溌剌としたハード・ドライヴィングなプレイも演じてみせる。トリオより、本作のようにギターを加えたカルテットのほうがジョーンズにはあっている。

12.『スタン・ケントン/ニュー・コンセプツ』A

★ピークに達したケントン楽団の創造性を記録
 ダンス・バンドとしても高い人気を誇る一方、レコーディングでは常に豊かな創造性を発揮してきたケントン楽団。これはその歴史においてもっとも重要な作品として知られる1枚。ビル・ホルマンやジェリー・マリガンといった意欲的な若手編曲家を起用しての演奏は当時のビッグ・バンドとしては画期的なサウンドを表現したもの。複雑なリズムとハーモニーを駆使したオーケストラの演奏だが、それでも難解さは少しも感じさせない。

13.『ペギー・リー/ビューティ・アンド・ビースト』D

★ジャズ・シンガーとしての真価を発揮
 50年代の白人女性ヴォーカル・シーンで、アニタ・オデイ、クリス・コナー、ジューン・クリスティとトップを張り合ったのがペギーである。これは、その彼女が同じくキャピトルでドル箱スターだったジョージ・シアリングと共演したアルバム。この時期のペギーはそろそろポップス色を強くしていた。ところがこの作品ではシアリングの伴奏を得て、お馴染みのスタンダードを中心に本格的でご機嫌なジャズ・ヴォーカルを披露する。

14.『セルジオ・メンデス&ブラジル '65/セルジオ・メンデス&ブラジル '65』C

★ワンダ・ジ・サーの参加もファンには嬉しい
 64年にブラジルからアメリカへ渡ったメンデスは、ジャズ・ピアニストとして活動したのち、65年にボサノヴァを演奏するグループを結成。これが大ヒットを記録するブラジル '66の前身であことは名前からも明らかだ。ここではサンバやボサノヴァのリズムを主体にしながら、メンデスがジャズ・ピアニストとしての未練もタップリ披露してみせる。それが結果としてジャズとサンバの本格的な融合を果たすことになった。

15.『ショーティ・ロジャーズ〜ジェリー・マリガン/モダン・サウンズ』A

★ウエスト・コースト・ジャズの萌芽を記録
 ロジャースやチェット・ベイカーはマイルス・デイヴィスに通じるクール・サウンドで好評を博したトランペット奏者。そんなミュージシャンが出入りしていた「ライトハウス」では日曜毎にジャム・セッションが行なわれ、その中からハウス・バンドが結成される。そこに参加していたロジャースが、マイルスと同じキャピトルでレコーディングしたのがこの作品。これこそがウエスト・コースト・ジャズを最初に録音したものとなった。

16.『スー・レイニー/雨の日のジャズ』B

★通受けするシンガー、レイニーの代表作
 白人美人シンガーとして知られるレイニーは、情感豊かな歌をうたわせたら他の追随を許さぬほど雰囲気に溢れた表現力の持ち主だ。その彼女が名前に引っかけて、〈雨のブルース〉、〈レイン〉、〈9月の雨〉など、雨をテーマにした歌を集めてシットリとした味わいを聴かせてくれる。ほのかに漂う哀愁を巧みに演出したビリー・メイのアレンジも秀逸だ。選曲の妙と抜群の雰囲気作りでジャズ・ヴォーカル史に残る有数の傑作が誕生した。

17.『フランク・ロソリーノ/フランク・ロソリーノ』E

★ウエスト・コースト・ジャズの逸品
 スタン・ケントンのオーケストラで勇名を馳せたトロンボーン奏者ロソリーノがケントンにプロデュースしてもらった作品。ウエスト・コーストのシーンを代表するアーティスト、サム・ノート、チャーリー・マリアーノ、ピート・ジョリー、クロード・ウィリアムソンの参加もファンにとっては気になるところ。コンボ作品ながらきちんとしたアンサンブルも追求しているところに、この時代の彼らが得意にしていた演奏が認められる。

18.『サル・サルヴァドール/ニューヨークの秋』E


★エディ・コスタの参加も功を奏した
 サルヴァドールはどちらかといえば馴染みの薄いギタリストかもしれない。しかしチャーリー・クリスチャンにルーツを持つ名手として、ギター好きのファンは落とすことができないひとりだ。中でもこの作品は彼が残した最高傑作で、ジャズ・ギターの魅力を渋い響きの中で堪能させてくれる。スタン・ケントン楽団で音楽性を育んだだけに、ビバップとクール・ジャズをミックスさせたスタイルが個性的だし、メンバーも申し分がない。

19.『ジョージ・シアリング/シアリング・オン・ステージ』C

★シアリングによるベスト・ヒッツ・ライヴ
 シアリングのヒット・ナンバーを網羅したベスト・ライヴ集。大ヒット曲〈9月の雨〉をフィーチャーし、クールでスインギーな演奏が最初から最後まで続く。シアリングのクインテットではギタリストの参加がいつも話題になる。この作品では人気者のトゥーツ・シールマンスが加わり、したがって彼の吹くハーモニカも楽しめるものとなった。お馴染みの曲がシアリング流の料理でどのように変身しているか。聴きどころ満載の1枚だ。

20.『フランク・シナトラ/スイング・イージー』A

★シナトラの魅力を凝縮した1枚
 タイトルどおりシナトラがスインギーな魅力をタップリと堪能させてくれる。彼がもっとも好んで起用したネルソン・リドルをアレンジャーとコンダクターに迎え、ご機嫌な歌の数々を披露する。〈ジーパーズ・クリーパーズ〉をはじめ、〈オール・オブ・ミー〉など得意なナンバーが収録されているのもファンにとっては嬉しい。膨大な吹き込みを残したシナトラだが、なにか1枚という方には、この作品から聴き始めるのがいいだろう。

21.『ジョー・スタフォード/ニューヨークの秋』A

★大人の気品を漂わせるヴォーカル作品
 スタフォードの歌には都会的な洗練さが漂う。そうした持ち味を格別な形で表出してみせたのがこの作品。彼女はテクニックより情緒の表現に個性がある。このアルバムでは、そのことがオーケストラによる優雅なサウンドの中でジックリと堪能できる。表題曲をはじめ、〈煙が目にしみる〉や〈イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト〉など、スタフォードの持ち味を魅力的な形で発揮させるレパートリーが並んでいるところも嬉しい。

22.『スーパー・サックス/プレイズ・バード』B

★超絶的なアンサンブルに度肝を抜かれる
 チャーリー・パーカーのソロを採譜し、5本のサックスでオーケストレーションを追求した野心的グループの1作目。いってみればヴォーカリーズのサックス版である。取りあげるのは、〈ココ〉、〈ジャスト・フレンズ〉、〈パーカーズ・ムード〉、〈ムース・ザ・ムーチ〉、〈スター・アイズ〉など、パーカー・ファンならお馴染みの曲ばかり。オリジナル・ヴァージョンと聴き比べてみるもよし、単純にこの演奏に耳を傾けるもよしの内容。

23.『ジャック・ティーガーデン/ジス・イズ・ティーガーデン』B

★ティーガデンの魅力が横溢した1枚
 ティーガーデンはトロンボーン奏者として超一流の腕前を持っていた。加えて渋いのどでもファンを魅了したことは、ルイ・アームストロング・オールスターズでのパフォーマンスが証明している。そのことを自作で示した好例がこの作品だ。ティーガーデンの代名詞といわれる〈アラバマに星落ちて〉のヴォーカルは味わい深さの点で天下一品である。彼はこの曲を何度もレコーディングしており、最高のヴァージョンが本作で聴ける。

24.『ナンシー・ウィルソン/バット・ビューティフル』A

★ジャズ・ヴォーカルの魅力が楽しめる
 ナンシーはソウルフルなテイストを持つシンガーとして売り出された。これは彼女が発表した初の本格的なジャズ・ヴォーカル・アルバム。選曲のよさとジャズ・コンボをバックにした企画が受けて、新しい魅力が発揮された1枚でもある。名手ハンク・ジョーンズやロン・カーターを伴奏陣に得て、女性らしい官能的な歌の数々を聴かせてくれる。デビュー当初からの優れた表現力にも磨きがかかり、キャリアを代表する名作となった。




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