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ジャズ名盤講座第35回「Roost+Roulette編」Roostの魅力を味わう名盤14選!Rouletteの魅力を味わう14選!

2019年 5月 3日 00:00 Category : Art

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 ルーレットはニューヨークのクラブ「バードランド」のオーナーだったオスカー・グッドステインやモーリス・レヴィー、フィル・カールらの手で1957年に設立されたポピュラー音楽のレーベル。というわけでジャズの専門レーベルではないが、それでもジャズの雰囲気が強く、「バードランド」での実況録音アルバムも数多くある。

 ただしライヴでなくとも、「バードランド」にたびたび出演して人気の高いアーティストを積極的に取りあげることで、《バードランド・シリーズ》の名のもとにアルバムの発売もしている。いってみればこれはクラブ経営とレコードとの連動作戦で、このあたりに商売のうまさがうかがわれる。可愛らしい鳥のイラストをシリーズのロゴ・マークに使うアイディアなどにも楽しいものがあった。

 またルーレットは、ルースト・レーベルを傘下に収めていて、50年前後のジャズ・ジャイアンツの貴重な演奏もこのレーベルから再リリースされている。プロデューサーの顔ぶれも多彩だが、ルーストを買い取った関係からテディ・レイグらが重要なアルバムのプロデュースを行なったりしていた。のちにインパルス・レーベルで名作を連発するボブ・シールもこのレーベルに関与していたことがある。なおルーレットが活発な活動を見せていたのは60年代半ばまでだが、その後もこのレーベルは散発的にアルバムを発表し続けている。

 ルーレットのカタログではなんといってもカウント・ベイシー・オーケストラによる一連の作品が有名かつ重要である。ベイシー・オーケストラは57年にルーレットの専属になり、62年にリプリーズに移るまでの5年間で20枚を超すアルバムをこのレーベルから送り出した。アレンジャーにニール・ヘフティやフランク・フォスターらを起用し、モダンなサウンドの中に楽団としての新生面を切り開いていったのがこの時代のベイシー・オーケストラだ。「バードランド」でのライヴも61年のものが『ベイシー・アット・バードランド』として残されている。

 ベイシーに次いでは女性ヴォーカリストのサラ・ヴォーンがレーベルのアーティストとして重要である。彼女は60年に契約して63年までの4年間で15枚のアルバムを吹き込んでいる。30代後半におけるサラがいかに精力的な活動を行なっていたか、そのことがこれらのアルバムからはうかがい知れる。内容的にもビッグ・バンドと共演した華やかな作品があったり、ギターとベースだけをバックにした渋いアルバムがあったりと、この時期のサラは実に変化に富んだ姿を見せていた。

 ハード・バップ・ファンには「バードランド」で月曜の夜の恒例になっていた若手によるジャム・セッションの模様を収めた2枚のアルバム『マンデイ・ナイト・アット・バードランド』と『アナザー・マンデイ・ナイト・アット・バードランド』が嬉しい。リー・モーガン、ハンク・モブレー、カーティス・フラーら、当時日の出の勢いにあった精鋭たちによる覇気に溢れたプレイが楽しめる好アルバムだ。

 ヴォーカルでは前述のサラ・ヴォーン以外でもダイナ・ワシントンやジョー・ウィリアムスといった大物、そしてくろうと好みのジェリー・サザーンらの作品が見逃せない。とくにダイナ・ワシントンは長いマーキュリー/エマーシー時代を経てルーレットに移ってきたが、彼女がこのレーベルで残した数枚のアルバムはいずれも卓越したブルース・センスとポップなフィーリングが見事な融合を示した楽しい作品ばかりである。

 大物といえば、ルイ・アームストロングとデューク・エリントンが競演した『ルイ・アームストロング&デューク・エリントン』と『ザ・グレイト・リユニオン』も重要だ。これはボブ・シールがプロデュースしたもので、サッチモのバンドにエリントンが客演し、しかもエリントン・ナンバーばかりを演奏するという興味深い企画アルバムだった。

 70年代以降、ルーレットの活動は散発的になったが、それでもベティ・カーター、リー・コニッツ、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズらの新録音を発表。また往年のベイシーやスタン・ゲッツ、サラ・ヴォーンの「バードランド」における未発表テープをアルバム化してファンを驚かせてくれたこともある。日本では長いこと日本コロムビアが、そして現在ではEMIミュージック・ジャパンが販売権を持っている。





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