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ジャズ名盤講座第36回「United Artists+Solid State編」United Artistsの魅力を味わう名盤9選!Solid Stateの魅力を味わう9選!

2019年 5月 10日 00:00 Category : Art

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ジャズ名盤講座



All About United Artists




 ジャズ専門ではないが、ユナイテッド・アーティスツには通好みの名盤がいくつか残されている。社名からもわかるように、ユナイテッド・アーティスツは映画会社として知られていた。映画と音楽との間には密接な関係がある。そういうわけで、このレーベルは同社がサウンドトラック・アルバムをリリースする音楽部門として設立された。したがってサウンドトラック・アルバムが多いことも特徴のひとつになっている。

 レコード・レーベルのユナイテッド・アーティスツが設立されたのは1958年のこと。映画会社は1919年にハリウッドで設立されたが、レコード会社は本社がニューヨークにあった。そのことから、やがてジャズのレコーディングも積極的に開始する。初代の社長は映画会社から派遣されたマックス・E・ヤングスタイン。

 このレーベルがジャズに積極的な形でかかわってくるのは60年になってから。この年に、新設したジャズ部門のプロデューサーにアラン・ダグラスを任命したのである。ただし積極的にレコーディングしていたのは63年までで、66年には傍系レーベルのソリッド・ステイツを設立。以後はそちらを通して新録とユナイテッド・アーティスツから出したアルバムの再発も行なうようになった。

 短期間しかジャズのレコーディングは行なっていなかったユナイテッド・アーティスツだが、ジャズについては別格扱いをしていた。ひとつは通常のレーベル・デザインから離れ、「ユナイテッド・アーティスツ・ジャズ」のロゴとテナーサックス奏者がブローしているシルエットを配したセンター・レーベルのデザインを採用したことだ。これはダグラス・プロデュースの作品に限られている。

 また、61年にはキャンディドの倒産に伴い、同レーベルでデザインと写真を担当していたフランク・グアナがダグラスの仕事をサポートするようになった。彼の手によるモノクロ写真を配したアルバム・ジャケット、たとえば『デューク・エリントン/マネー・ジャングル』、『ビル・エヴァンス=ジム・ホール/アンダー・カレント』、『ズート・シムズ/イン・パリ』、『アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ/スリー・ブラインド・マイス』などからはジャズの躍動感に溢れたサウンドが響いてくるようだ。

 数年間でユナイテッド・アーティスツが発表したジャズ作品は70枚ほど。その大半は、ジャズの動きを変えるといった類のものとは違うが、時代の響きをしっかりいまに伝えている。そこにダグラスのプロデューサーとしての力量が示されていた。彼はのちに独立してダグラス・レーベルを設立し、ジミ・ヘンドリックスのプロデューサーとしても知られるようになった。

 ただしユナイテッド・アーティスツはダグラスが参入してくる以前からジャズのレコーディングは行なっていた。当初、プロデュースを担当していたのはジャック・ルイスやトランジション・レーベルで知られるトム・ウィルソン。彼らが制作したアルバムはイースト・コースト系のアーティストを中心にしたものだったが、スモール・コンボからオーケストラまでと、音楽的なヴァラエティに富んでいた。

 カタログ番号は3000番台と4000番台がモノラルで、5000番台と6000番台がステレオ。ただしサウンドトラック・アルバムは40000番台で、ステレオはナンバーのあとに「S」の文字がつけられている。レーベルの色やロゴ・マークも何度か変わっているし、先にも触れたが、ダグラス・プロデュースの作品に限っては和紙のようなちょっとざらざらした質感の紙を用いた灰色の統一デザインが用いられていた。




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