気鋭のアーティスト、3つの感性が交錯「melting point」

2007年 7月 27日 22:42 Category : Art

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 melting pointとは、個体が溶けて液体になる瞬間の温度「融点」を表す。それは、個体から液体への「変容」の瞬間であり、個体と液体が「共存」する瞬間でもある。東京・西新宿にある、東京オペラシティアートギャラリーという空間に集まった3つの個性。観客は、各アーティストの展示室、そのまったく違ったインスタレーションの中に身を置いて、作品を体感することになる。

 最初の展示室には、ジム・ランビーのインスタレーションが広がる。

ジム・ランビー《The Byrds(Love in a void)》2005
ベオグラード現代美術館での展示風景、2007(参考作品)
courtesy: The Artist; the Modern Institute / Toby Webster Ltd, Glasgow


 ジム・ランビーは1964年生まれ、スコットランド在住のアーティスト。カラフルで光沢のあるビニールテープを床に敷き詰め、オプティカルな空間を作り出すインスタレーションが有名。2005年にはイギリス・テート・ギャラリーから贈られるターナー賞にノミネートされるなど、世界から注目を集めている作家だ。

 真っ白いギャラリー空間に、普段使っているビニールテープを貼る、それだけで空間はダイナミックな変化を遂げ非日常のものとなる。上の写真の『The Byrds(Love in a void)』と同じコンセプトで、今回の展示のために新しく作られた作品『The Byrds(Right On)』は必見だ。

 陶器で作られたインコのような鳥(実際にあるウイスキーのボトルがモデルになっているそう)のペインティングは、会場で行われた。この彫刻を何人もで持ち上げて、並べたスプレー缶の上に置く。すると、色とりどりの塗料で、オプティカルな床が彩られていく。その場所、その瞬間を大切にしているこの作品は、同じものは二つとない。

 ジム・ランビーが用いる素材は、ビニールテープやガラス、糸、じゅうたんといった、日常にあふれているものが多い。視点を変えることで、観客を異次元へと誘う空間を紡ぎ出す。観客は、既知の日用品たちが変容している姿を目の当たりにすることで、脳幹からエレクトリックな音楽が流れてくるような不思議な感覚にとらわれる。

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