今週末見るべき映画 「オーシャンズ13」

2007年 8月 9日 11:00 Category : Art

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 このほどの「オーシャンズ13」(ワーナー・ブラザース配給)を、それほど期待はしないまま、見た。ところが、それほどでなかった期待が、すこしづつ裏切られていくという、しあわせな結果となった。


(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc - U.S., Canada, Bahamas & Bermuda.
(C)2007 Village Roadshow Films (BVI) Limited - All Other Territories

 もう40年以上も前に「オーシャンと11人の仲間」という映画があった。フランク・シナトラ、ディーン・マーティンなどが勢ぞろい、監督は「西部戦線異状なし」のルイス・マイルストン。それはもう、小粋なテイスト、おもわずニヤリのエンタテインメントであった。

 リメイクの「オーシャンズ11」は、ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ブラッド・ピット、アンディ・ガルシア、ジュリア・ロバーツなどなど、豪華な顔ぶれが揃い、期待して見た。が、しかし、秒単位で大金を奪うといった、信じられないような展開に、ややついていけないようなもどかしさを覚えた。

 さらに「オーシャンズ12」では、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ブルース・ウィリス、ヴァンサン・カッセルが加わり、これまた期待はしたが、セリフの楽屋落ちが鼻につき、やや遊びすぎの感があった。二作とも、それなりに楽しめたけれど、これだけのメンバー、もうちょっと何とかならないものか、と思ったのも事実である。

 2作品とも、監督は職人スティーヴン・ソダーバーグ。だから、今作品もそれほど期待をしなかったのであるが、シリーズ中最高作品となっていた。

今回の目的は、悪徳ホテル王が、オーシャンの仲間の一人を騙して、ホテルの権利を強奪。その結果、心臓ショックで倒れた仲間のための復讐にある。騙されて独占された豪華ホテルを取り戻し、ついでにカジノの売り上げもイカサマを駆使して、ごっそり頂こうという趣向。脚本は、ギャンブルに精通した人でしか書けないような痛快な運び。事実、ポーカーが主役ともいうべき映画「ラウンダーズ」の脚本を書いたブライアン・コッペルマン、デイビッド・レビーンの手になる。カジノでのシーンのやりとりは、よく練れていると思う。豪華キャストの役割分担も、バランスがうまくとれている。出すぎることなく、さりとてほどほどに目立つ。ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモンは控えめながら、それぞれに見せ場が工夫され、納得がいく。悪徳ホテル王を、アル・パチーノが演じる。本人が楽しんで演じているようで、見ているだけで、うきうきする。オリジナル「オーシャンと11人の仲間」へのオマージュが、セリフのあちこちにちりばめられ、これまた笑いを誘う。


(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc - U.S., Canada, Bahamas & Bermuda.
(C)2007 Village Roadshow Films (BVI) Limited - All Other Territories
 
 安心して、楽しめる、まさにウェルメイド。シリーズ映画で、前作、前々作を超えた稀な例かもしれない。

【story】
 ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の仲間のひとりルーベン(エリオット・グールド)が心筋梗塞で倒れる。ルーベンは、ホテル王バンク(アル・パチーノ)と手を組み、ラスベガスに巨大なホテル建設を計画していたが、狡猾なバンクに裏切られたのだ。ラスティー(ブラッド・ピット)は、まさに大金を盗もうとしていたが、ルーベン危篤の知らせにすぐラスベガスに。仲間が危機になれば、個人の利益より仲間を尊重するのが、オーシャンズの決まりである。
 
 バンクの超高級ホテルには、大きなカジノ場が設けられ、最新のセキュリティで守られている。ドーバー海峡を掘ったというドリルでホテルに侵入しようとするが、そのドリルが故障。オーシャンは、計画遂行の資金を、かつてのライバルであるベネディクト(アンディ・ガルシア)に持ちかける。べネディクトにとっても、ルーベンは憎い商売仇である。資金提供の見返りに厳しい条件をつける。
 
 課題の多いなか、オーシャンは、規模雄大なリベンジを開始する。オーシャンの仲間たちは、カジノでぼろもうけするために、なんとメキシコまで出かけて、イカサマのダイスを製造するところから始める。また中国の不動産王に変装、バンク側を混乱させる。バンクの側近アビゲイル(エレン・バーキン)に媚薬をかがせて誘惑、時間をかせぐライナス(マット・デイモン)のエピソードもドタバタ・コメディの乗りである。

 はたして、オーシャンたちのリベンジは、遂げられるのか…。

8月11日より、丸の内ピカデリー 1 ほか、全国にてロードショー

公式サイト

文/二井康雄

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