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今週末見るべき映画 「さらば、ベルリン」

2007年 9月 21日 11:00 Category : Art

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 原作は、「ロス・アラモス 運命の閃光」でデビューしたジョゼフ・キヤノンの小説「ザ・グッド・ジャーマン」。監督はスティーブン・ソダーバーグ。主演はジョージ・クルーニー、ケイト・ブランシェット、トビー・マグワイア。脚本は「クイズ・ショウ」や「フェイク」を書いたポール・アタナジオである。魅力的なスタッフ、キャストの「さらば、ベルリン」(ワーナー・ブラザース映画配給)を見た。


(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.
 舞台は戦後すぐのベルリン。当時の映画のスタイルにこだわり、画面はモノクロである。といっても、カラーで撮影した後、色を抜いたとのこと。

 予告編を見て「カサブランカ」や「第三の男」を想い浮かべた。そして映画「さらば、ベルリン」は、「第三の男」や「カサブランカ」など、40年代、50年代の映画へのオマージュであった。事実、舞台や状況こそ違え、明らかに似た雰囲気の映像が出てくる。ここが「第三の男」、これが「カサブランカ」といった具合。
 
 当時のベルリンは、イギリス、ソ連、フランス、アメリカ4カ国の分割統治であった。ドイツの戦後処理をめぐって、ソ連は領土を、アメリカはドイツ科学者の頭脳を、それぞれ獲得しようとしている。

 国益に奔走する個人。だれもが生きるためには、手段も方法も選ばない、そんな状況である。ポツダム会談の取材に来たはずの記者ジェイクが、かつての恋人レーナを追ううちに、恋人の秘められた過去に近づいてゆく。そしてその秘密が明らかになるにつれ、新たな謎が生まれ、やがてドイツをめぐる列強の思惑が浮かび上がってくる。


(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.
 レーナに扮したケイト・ブランシェットが、とても達者な芝居。倦怠感いっぱいの役どころを、けだるく演じて過不足がない。「エリザベス」「アビエイター」「バべル」と、確実に演技で見せる女優さんに仲間入りした。

 ロマンス、策略、犯罪、政治的思惑などが入り乱れてのミステリー仕立て。たまには、古い雰囲気の映画も、しっとりとしていい。

【story】
 ジェイク(ジョージ・クルーニー)は、かつて通信社の駐在員としてベルリンに勤務。助手のレーナ(ケイト・ブランシェット)と不倫の恋に落ちるが、戦争が激化したため、アメリカに戻っていた。

 1945年、ドイツ降伏。その敗戦処理をめぐってのポツダム会談取材のため、ジェイクはベルリンに戻ってくる。ジェイクを案内するタリー(トビー・マグワイア)は、駐留米軍の伍長。一見、柔和で親切そうだが、裏では戦後の混乱にまぎれて、密売や盗みに手を染めている。

 ジェイクは再会したレーナが、いまはタリーの愛人であることに驚く。しかも、ポツダム会談の直前、ソ連領のポツダムで、タリーは10万マルクもの大金とともに、死体となって発見される。事件をもみ消そうとするアメリカの下院議員や法務総監たち。

 やがて、アメリカの狙いは、レーナの夫エミールであることが明らかになる。エミールは、ナチのV2ロケット開発した科学者の秘書を務めていたのだ。ソ連やアメリカの思惑がからみ、夫を匿うレーナの謎の行動を、すこしづつジェイクが理解することになるのだが…。

9月22日(土)より、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ ほか、全国にてロードショー

公式サイト

文/二井康雄

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